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目の敵にされる

次の日学園に行くとノルとノーマイットとロージーンが居た。


「おはよう。」


俺が三人に挨拶すると。


「ネル君聞いたわよ、ノルサント君に魔法を教えたそうね。」


ノーマイットがすごい剣幕で言って来た。


「ノル話したのか、お前は魔法よりまず学科を何とかしろ。」


「だって使えるようになって嬉しかったから。」


「で、ネル君は魔法を教えられるのね。私にも教えて。」


まあそうなるよな、才能があればだけど。


「とりあえず言っておくノルは水と土の派生を木と思ってしまう奴だ、まず学力を引き上げてやってくれ。

もしそれが出来たら、教えてやらなくもない。」


それを言うとノルを見て信じられないという顔をしている。


「なんだよ、知らなかったんだから仕方ないだろ。」


「だって、そんなの常識じゃない。」


何もしてなかったロージーンまで首を縦に振っている。


「ノルはな、結構、魔法の才能があるんだ。後魔力もな。

このクラスは筆記の成績なんて参考程度だと思うぞ、昨日もその才能で成功させてたしな、水と土と木の魔法をな。」


ロージーンは驚いた顔をして居た。


「そんなのどうせ出した程度でしょ。」


ノーマイットは出しただけと言うが魂に刻んでないのに出すのは才能なんだが、言っておくか。


「ノーマイット、才能がないやつには魂に魔法を刻まない限り出すことも不可能だ。

そしてノルは平民出で奨学金で学園に来ている。

魔法を魂に刻む金があると思うか?明らかに才能があるんだよノルにはな。」


そうノーマイットに教えてやると悔しそうな顔をした。


「ありがとう。」


ノーマイットが悔しそうにしているのに、ノルは才能があるって言われたことを素直に喜んでいた。


「ありがとう、じゃねえ。勉強しないとその才能も宝の持ち腐れなんだ。

イメージと知識があれば昨日だって風も火も出来てたかも知れないんだ。

もっと魔法を使いたかったら学べ、その為の魔法学科だ。」


もっと魔法を使いたかったらって所で、ノルは喜びの顔から真面目な顔になり。


「わかった」


と男の顔をして返事をした。

真剣な時の男はそうでなくちゃな。


「というわけで、今日の授業が終ったらノーマイット先生が授業でやったことの補足やこれからやりそうな所の予習。

後は初級魔法の火と風の勉強を教えてくれるからな。」


「なっ」


とかノーマイットが言ってるので。

耳元で


「魔法覚えたいんだろ、皆で勉強すれば友達というライバルも出来て更に上を目指せる、世の中1人じゃ限界があるんだよ。」


そう言うと。


「わかったわ、教えればいいんでしょ、授業がノルサントのせいで遅れるのは嫌だわ。

知識を詰め込む大事な時期なのに知ってる知識だけの授業ならお金がもったいないわ。」


「ノル、教えてくれるってさ。」


「よろしくお願いします、ノルでいいです。」


「覚悟しなさい、それと私を呼ぶ時はノーマでいいわ。」


この学園生活はこの2人が面白そうだな。

真面目な二人というか、このクラスは基本真面目な奴しかいないんだろう。

性格とかもこのクラスの判断基準っぽいな。


「ロージーンはどうする?二人の勉強興味無いか?」


「ご一緒してもいいんですか、いいのであれば是非、私はローズと呼んでください。」


仲間外れになりそうだったからか不安な顔をしていたが、今はすごい明るい顔になったな、この4人でこれから色々やっていくことになりそうだな。


「ああよろしくな、ローズ、ノーマ、ノル」


「はい」


「ノルに勉強教えたら魔法教えなさいよ。」


「頑張るよ。」


俺たちは仲間になった気がするよ。


「はーい、何か盛り上がってるようだけど、これから授業よ。」


いつの間にか時間が過ぎていたようだ。

なんか離れたところにグレゴリーが居るし。

めっちゃ睨まれてるんだけど、なんだかなぁ。


「はーい、今日の授業は今年魔法学科を卒業すると、来年受けれる実践魔術科を見学しにいきます。

ちなみに実践魔術科では2年間の実習期間があってクラス替えを4回行います。

ちなみに4回全部一年目にやって2年目からは、固定されたクラスでやって行くので、覚えていてください。

それとこのクラスの子は心配してないけど、4回目のクラス替えでDクラスになった子達は来年も同じクラス替えに参加になります。

今年も30人が試験に落ちて、今日、留年生と新入生のクラス替えの試験をするわ、わかった。」


「わかりました、これは魔法学科全体で見学するんですか?」


聞きたいことを聞いてくれたさすがはノーマだ。


「いいえ、このクラスだけです、そして見学だけでなく、この実践魔術科のトップ5人と戦ってもらうわ。

もちろん魔法を覚えてる子限定だからまだ覚えてない子はやらなくていいわ。

それにこの一年で魔法を覚えてないと、来年は最初からDクラスから始める事になるわ。

そうならないためにAクラスには教えておくのよ。

Aクラスで卒業してDクラスから開始じゃ困るでしょ、貴方達は特Aクラスだから尚更よ。」


俺達は期待もさることながら先のことも教えてもらえてるのかいいことだな。

特に奨学生のノルなんかはありがたいだろうな。


「それで、このクラスで実践で使える魔術を使える子は居るのかな?」


「はい、出来ます、火と風を覚えてます。」


グレゴリーが俺を睨みながら言った口元はにやけている。

たぶん心の中は「お前より俺のが優れてる」とかなんだろうな。


「私はまだ覚えてません。」


ノーマイットだ。

まあ俺に教えて欲しいって言うくらいだからな。


「俺は昨日、水と土と木の魔法を使えるようになりましたが戦うのは無理です」


ノルは正直だな。


「私は魔法の才能が無いのでいくつか魂に刻んだんですが、全て補助系なので戦えません。」


まあ、金はありそうな貴族だもんなローズは。


「俺は逆に模擬戦とか出来ません、ガーズリーは殺せますけど、人間は殺せないのでやめておきます。」


「いやいや殺しちゃダメだろ。」


俺の発言に、ノルが乗り突っ込み。


「ガーズリーを・・・そうネル君は実戦経験があるのね。」


「今年の試験から入学までガーガル、ギーガル、ガーズリー等の報酬で生計を立ててたので。」


「そうなの、でも人間は殺しちゃダメよ、聞くけどまだ殺してないわよね。」


さすがの先生もなんと言っていいやらって感じだね笑える。


「はい、人間は殺せないって言ったじゃないですか、殺したことはまだ無いですね。」


眼球を蒸発させたことならあるけどっと心の中で言う。


「これからやるかも見たいに言わないでね。

ネル君の課題は本当に軽い軽症だけで勝負をつける事。

いいわね、約束よ、あと戦うのはグレゴリー君ね、他は完全に見学よ。」


「俺やるんですか?やめときますって言ったじゃないですか。」


「はい、がんばります」


「はい」


「はい」


「はい」


皆、なんで俺を無視してローラちゃんに返事してるの?


先生は明らかに俺を見て頼んだわよって顔をしている。

ああ俺の言うことは無視ですか、俺はまだ命のやり取りの戦闘は死ぬ前の一回しかない剣術も一週間も習わないうちに終了したし。

魔物の狩りも魔法頼みで戦闘とは言えないし、結果戦い方を知らない。


グレゴリーは俺のガーズリー狩った発言からより一層俺をにらむようになった。



模擬戦の内容はお粗末な物だった。


これから学ぶからしょうがない者と一年やってモノにならなかった者たちの戦いは。

火遊びを人間相手にやってるだけだった、火を飛ばしそれを防げなければ負け。

そんな感じだ相殺したり躱したりを何故しないのか、防ぎ方もなんか杖を火に当てれば消える程度の弱々しいものだ、俺は思わず。


「こんなことに何の意味があるんだ実践魔術科なんてたかが知れてるな。」


口に出して言ってしまった、俺は目が見えていないが魔法を色々使っていたので索敵で目の前が真っ赤になった。


「あらまあ」


俺は声を上げてしまった。

全員敵かっと思ったら思わず魔法が発動しそうになった。

全員の目の前に氷の錐が現れてしまう所だった、危ない危ない。


「いやぁ、教師の皆さんすみません、俺の索敵の魔法にほとんどの生徒が引っかかってるんですが。

殺したくないんですが、命の危険には対処しないとダメですよね。」


俺がそう言うと教師まで赤くなった、あらあら感情的だねぇ。


「君は何を言っているんだい?」


教師は冷静を装っているが索敵では赤だ。


「ですから、索敵の魔法でほとんどの生徒、それにあなたも赤いんですよ、赤ってのは俺に害意のある時に出るようになってますので。

貴方は俺を害しようとしています。」


そう言うとなんか目の前の男の拳が震えていた。

実践魔術科の教師だから魔法を使ってくるかもしれないな。

そう思い俺は初級魔法とその派生の中級魔法で魔法が来たら防御することにした。


「私が君をそんなことするわけ無いじゃないか。」


「名前は知りませんが先生声が震えてますよ。

ただ実践魔術がお粗末で一年経って成長しなかった生徒でしたっけ?

貴方たち教師が成長させる能力が無い為に。

このような生徒が居ると私は認識してるんですが違いますか?」


「黙りなさい、君は少し現実を知ったほうがいいでしょう、火魔法『業火』。」


なんか凄そうな名前を言ったが、初級の火魔法だった。

初級の風魔法と遠隔発動に、先生の魔法業火だったかそれに増幅の魔法を掛ける。


「なんだ?」


思ってたよりでかい火が出てびっくりしたようだ。

それでもスイカくらいの大きさだ多分通常は拳より大きいくらいなんだろう。

そんな火で業火とか笑えるんだけど。


そしてその火の玉を打ち出そうとすると目の前には風の壁。

遠隔発動により俺の近くではなくて。

名も知らない先生の前で発動させた。


「うわああぁあぁ」


先生は自分の炎というか火に巻かれて倒れた。


「先生いきなりどうされたんですか?誰か居ませんかすみませんだれか。」


俺がやったんだけどなんか火を出した先生が、勝手にノックダウンしたことにしようと思った。


「すみませんローラ先生、医術科でお医者様を探してきます。」


そうして俺はその場を逃げ出した。


「待ちなさい」


ローラ先生の声が聞こえるが無視して行く、まあ実際には医者など探さずに別のところに向かった。

読んでいただきありがとうございます

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