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短編小説・完結済み小説

“当たり前” と “特別” は、

作者: 尖角




 「最近、当たり前と化してないか?」「俺達の関係…」



 ――――ある日、突然 貴方は私に向かって、そう言った。





 だけど、私には初め、その言葉の意味が分からなかった。



 だから、私は貴方に訊いてみた。 「それって、どういう意味?」って。



 すると、貴方は言った。 「俺は、お前にとっての特別な存在でいたい」っと。



 だけど、私には全く その言葉の意味が分からなかった。



 だから、私は貴方に訊いた。   「それって、どういう意味?」って。



 すると、貴方は言った。  「俺は当たり前なんて嫌だ」「お前はどうなんだ?」っと。






 ――私は、特別かどうかなんてどうでもよかった。



 ――ただ一緒に居て“楽しい”とか“面白い”だとかを味わえるなら、それでよかった。




 だけど、貴方は違ったみたい。  貴方は、“当たり前の関係”じゃ嫌だったみたい。
















 ――その日を境に、  私達の関係は擦れ違って行く事になる。





























































 

 「俺の事、好きか?」 「俺の事、どう思う?」


 貴方は、毎日のように そんな事を訊くようになった。



 だけど、私は貴方が思ってるほど強い女なんかじゃないよ。


 そんなに貴方を想い続ける事が出来るほど、一途じゃいれないよ。



 ――私は、いつも貴方に言われるプレッシャ――によって、少しずつ壊れていく。
















 「俺の事、大好きか?」 「俺の事、どう思ってるんだ?」


 貴方は、どんな時も その事ばかりを訊くようになってしまった。



 だけど、私はそんなに強い人間じゃないよ。


 これ以上、貴方を想い続ける事なんて出来やしないよ。



 ――私の心は、貴方からのプレッシャ――によって、ボロボロになっていた。































 「もう、別れよう?」 「私には、もう愛せない…」



 ――私は静かに貴方に言った。  でも、“これ以外に方法はない”と覚悟して言った。




 すると、貴方は言う。  「それって、どういう意味?」って。



 だから、私は答えてあげる。  「私は、“当たり前”でよかったから」っと。








 でも、貴方は納得なんか少しもしない。


 私を質問攻めにして、「どういう意味なんだっ!?」って訊き続けるんだ。






 でも、私は再び静かに答えるだけだった。


 「貴方の事は好きだけれど、  でも、大好きじゃなくなったから…」って。











 ――それで、貴方が納得なんてするはずがなかった。



 例え、私が何を言ったって、貴方は「どういう意味?」って訊き続ける。




 だから、遂に私は何も答えなくなった。   ――ムリなものはムリなんだから。



















































 大好きだった。  今まで出逢ってきた人の中で、一番 愛していた。



 だけど、そんな貴方は“当たり前”を嫌がり、“特別”を求め続けた。





 そこから、私達の関係には亀裂が生じ、  終には壊れて別れる事になってしまった。





















 ――もっと早くに気付けていたら、  私達の関係は、少しくらい違っていたのかな?
































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