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計画開始

どーんと威張って王座に座る、無精髭の中年男。

の、姿をしたもの。

それは彼らの王に足を載せて立っていた。




りんご黙示録第一話




それが、熾天使セラフィムの果てだと誰が思うだろうか。大体の者は、天使は清らかな子どもを想像するだろうし、もし中年男を考えたとしても、セクスィー系ではなくだらしない系の無精髭とは思うまい。そんなものに立派な羽なぞ生えていても、誰の得になるというのか。

彼の姿が異形ならば、彼の居る所は似つかわしいのか。

そうではない、そこの名前は地獄である。

一癖も二癖も、全てが癖ばかりの魔性のものどもが暮らす裏帝国。天使が居るにはおかしい所だ。

そこに何故いるのか。

地獄に居る者達にとって、それは突然の事だった。

彼らの主・魔王サタンを傀儡にしてみせた男は、世界を、いや人類を変えようとしていた。

天使の上位には、神がいる。『新世紀』の一節である。

神が消えてから何千年、万の位に達する程の月日が過ぎていった。

セラフィムは言った。

「オレは、人間の偽善やらタテマエっつーのが、好きじゃあないけど面白いと思った」

どういうことだ、と魔物達は怯えつつ呟いた。脱け殻となった主に足を乗せているのが気がかりだったのだ。その状況で変なこと言うな。

「この中の文によると、この世の九割を変えたら、神への道が開くという」

リンゴマークのハードカバーの本をかかげる。

「つーわけだ」

「………………」

いいかげむ足おろせよオッサン。そんな視線は無視なのか。

「質問がある奴は手ェあげろ」

「ハーイ」神獣族のパン少年が跳ねた。

「ここに、『オレはこれから施良布DEATH☆よろピク?』って書いてあるけど何コレ」なんかムカつく。

「ノリだノリ」

「もひとつハーイ」パンは跳ねた。

「サタンさまをカイライにしたのは、気のよい男前さや爽やかイケメンさをうらやんでの犯行ってホント?」

「誰があんなガキなぞうらやむかって」

「あ、絶対うらやましいんだな」バンパイヤのヴェンがつぶやいた。


かくして、これより、人類総堕落計画が始まろうとしていた。


◎次回予告◎

ポップスのほとんどがラブソング、そんな世界。

バレンタインデーやクリスマスが、何故か恋人たちだけのもの、そんな世界。

そんなケガレた世界にも、純愛はあるのか!?

次回、りんご黙示録第二話。

とわに誓う、ピュアラブ。

アナタの左手に拘束系指輪☆


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