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バリアの村

 『疾風ウルフ』によるオーク討伐は、無事に完了した。

 やはり、圧倒的だったのは――ワイバーンだ。

「ギャアアアアアッ!!」

 上空から急降下した青鱗のワイバーンが、オークの群れへ突っ込む。

 直後、暴風のような翼圧が森を薙ぎ払った。

 オークたちがまとめて吹き飛ぶ。

「……強っ」

 リクは思わず呟く。


 疾風ウルフも負けじと戦った。

 前衛の剣士たちは連携が取れている。

 後衛魔術師の援護も正確。

 無駄がない。

 リクは戦いを見ながら思った。

(これがゴールド級か……)

 レベルが違う。

 今の自分では到底追いつけない。

 実際、今回の討伐でリクがやったことは、荷物持ちと補助くらいだった。

 少し悔しい。

 だが同時に安心もしていた。

 無理に前へ出なくていい。

 強い人たちがいる。

 それだけで気持ちがかなり楽だった。

 そして討伐終了後。

 森の開けた場所で野営準備が始まる。

 オーク討伐依頼は達成したが、日が暮れていたため一泊することになったのだ。

 焚き火が灯る。

 肉の焼ける匂いが漂った。

「ほら新人、食うか?」

「あ、ありがとうございます」

 リクは串焼きを受け取る。

 思ったより普通に歓迎されていた。


 一方、ユーコはワイバーンと向かい合っていた。

 じーっ。

 ワイバーンも見返す。

 じーっ。

「……何してるんだ?」

「会話」

「できるの!?」

「少し」

 神獣って本当に何でもありだな、とリクは思った。

「お前ほんと何者なんだよ……」

「ユーコ」

「そういう意味じゃない」

 周囲から笑いが起こる。

 その時。

 疾風ウルフのリーダーが、焚き火越しにリクを見る。

「で、新人」

「はい?」

「お前、戦い慣れしてないだろ」

「……まあ」

 図星だった。

 前のパーティーでは純粋な荷物持ちで、戦闘には参加できず、レベルも上がらなかった。

 今まで生き残れたのは、不思議なくらいだ。


------------------


『疾風ウルフ』との2回目のクエストは、ある村への役人の護衛と決まった。


「その村は非常に危険な場所にあり、そこは皆、家の中に籠もって一歩も出ない」


リーダーのチェンが説明してくれた。


「それでどうやって生活してるんだ?」


「朝と夕方の2時間ずつ、結界師が村全体にバリアを張るので、その時だけ、外出できるのさ」


「へえ、そんな不思議な村があるとは知らなかったです。しかし、どうしてまた、そんな面倒な場所に住んでいんです?」


「そこは隣の大きな町に行く途中の、どうしても必要な宿場なんだ。だから、結界師は役人として給料を貰っていて、月に1回、交代があるのさ。」


今回はその交代があるということで、行きと帰りに新旧の結界師をそれぞれ護衛するという。


予定では、早朝に町を出て、夕方に村に着くらしい。夜になると、さらに凶暴な夜行性の魔獣が出るらしい。よって、その日は宿場に泊まり、次の朝に宿場を出発するという段取りだ。


普段は『疾風ウルフ』の4人で全然問題のないクエストたのだが、わざわざ俺達を誘ってくれたのだ。



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