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音住 - 君の音が消える前に

最終エピソード掲載日:2025/12/09
第1話 あらすじ|音住 - 君の音が消える前に

主人公の俺は、ごく普通の朝を迎える。
母に名前を呼ばれ、朝食をとり、学校へ向かう。
いつもと同じ日常——のはずだった。

だが、家を出た瞬間から、小さな“違和感”が積み重なり始める。
通学路はいつもと変わらないのに、どこか薄い膜に覆われているような空気。
学校に着いた俺は、昇降口の奥に、こちらを向かずに立つ俺と同じ制服・背丈の男子を見つける。
振り返らず、動かないその姿。
瞬きをした一瞬で、そいつは消えていた。

その後も、授業中の「ある音」が聞こえず、クラスメイトが騒いでいるのにその部分だけ欠けてしまうなど、異常は少しずつ俺の感覚を侵食していく。

そして放課後、父の遺品の中から見つけた**古い書記(ノート)**を、俺は読む。
そこには、父が中2の頃から“特定の音だけが聞こえなくなっていった記録”が残されていた。
後半は筆跡が乱れ、やがて「すべての音が途切れた」と書かれたまま終わっている。

読み終えた俺は、父の最期がただの事故ではなく、
音が消えていく病——“音住” だったかもしれないと気づく。

その夜、ベッドに座った俺は、ふと呟く。

「……あれ? 俺の声が」

声が、少し遅れて、遠くで鳴って消えた。
音住がそっと現れ、にぃっと微笑む。

日常はまだ崩れていない。
だが、俺の“音”が少しずつ欠け始めている——。
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