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「異世界に転生した俺、『完全学習』で最速無双してたら、いつの間にか最強のパーティができあがっていました。」  作者: 悠々


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ガーディアンと応用魔術

カズマのチート能力によって、数々のトラップを無力化し、一行はついに遺跡の最深部に到達した。

そこは、巨大なドーム状の空間だった。

中央には、天を突くほどの巨大な水晶が鎮座し、脈動するように明滅を繰り返している。壁一面には、星図のような複雑な魔術回路がびっしりと刻まれていた。


「すごい…! ここが、この遺跡の心臓部…! 動力炉よ!」

ルーナが恍惚とした表情で、巨大な水晶に駆け寄る。


だが、彼女が水晶に触れようとした、その瞬間。

キィィィン、と耳障りな警告音がドーム全体に響き渡り、遺跡全体が激しく揺れ始めた。


「な、何が起きたの!?」

リリィが悲鳴を上げる。


水晶の表面に、赤い古代文字が明滅する。

カズマは、その文字を即座に読み取った。

「『魔力炉心、臨界点突破。制御不能。三周期後、暴走による大規模崩壊が発生』…だと?」


「なんですって!?」

ルーナが血相を変える。

「三周期って…この遺跡の周期なら、三日よ! 三日後にここが暴走したら、学園都市は跡形もなく吹き飛ぶわ!」


タイムリミットは三日。

絶望的な状況に、一行の顔に緊張が走る。


ゴゴゴゴゴゴ…!


さらなる地響きと共に、ドームの床がせり上がり、一体の巨大な兵器が姿を現した。

遺跡の壁と同じ、継ぎ目のない滑らかな金属で構成された、人型の機械兵。

その全身に刻まれた魔術回路が不気味な赤い光を放っている。


「遺跡の…ガーディアン…!」

ヴィクトルが絶望に顔を歪ませた。


「邪魔者を排除する」

ガーディアンから、感情のない合成音声が響く。


「笑わせるな! この私を前にして!」

打ち砕かれたプライドを取り戻そうと、ヴィクトルが前に出た。

「我が魔術の真髄、受けてみよ!――インフェルノ・カタストロフ!」


ヴィクトルの放った最大火力の極大級火炎魔法が、ガーディアンに直撃する。

だが、ガーディアンは身じろぎ一つしない。その表面に展開された淡い光の膜が、業火を完全に無効化していた。


「そ、そんな…! 対魔術結界だと…!?」


「セレス、ティナ!」

カズマの号令で、二人が同時に動く。

セレスの鋭い剣閃と、ティナの重い蹴りがガーディアンに叩き込まれるが、カキン!と硬い金属音が響くだけで、傷一つつけられない。


「硬ええええ!」

「ダメだ、刃が通らない…!」


ガーディアンの腕が動き、セレスとティナを薙ぎ払う。

二人はかろうじてそれを受け流すが、あまりのパワーに壁際まで吹き飛ばされた。


「リリィ、二人を!」

「はい!」

リリィが即座に回復魔法をかけるが、ガーディアンの次の攻撃が迫る。

その腕から、高密度の魔力光線が放たれた。


「危ない!」

カズマは仲間たちを突き飛ばし、自らはその光線を紙一重で回避した。

光線が直撃した壁が、音もなく蒸発する。


絶望的な戦力差。

ヴィクトルは膝から崩れ落ち、セレスとティナも息を切らしている。


だが、カズマだけは冷静だった。

彼は、ガーディアンの全ての動き、魔術回路の光、対魔術結界の構造、その全てをその目に焼き付けていた。


――ピロン。

【スキル『古代兵器構造解析 Lv.MAX』を習得しました】

【スキル『高密度魔力制御 Lv.MAX』を習得しました】


「…なるほどな。そういうカラクリか」


カズマは、ルーナに向かって叫んだ。

「ルーナ! あのガーディアンの対魔術結界、周期的に魔力を再充填してる! 充填の瞬間に、コンマ数秒だけ結界が薄くなるはずだ!」


「なんですって!? でも、そんな一瞬を突くなんて…!」

「できる! だが、俺の魔力だけじゃ、あの装甲は破れない。君の知識が必要だ!」


カズマは、ルーナの隣に駆け寄ると、彼女の耳元で早口に囁いた。

「君の知ってる魔術理論で、物質の分子結合を強制的に弛緩させるものはあるか!? ほんの一瞬でいい!」


「分子結合の弛緩…!? そんなの、理論上は可能だけど、膨大な計算式と制御が必要で、実用化は不可能とされてるわ!」

「その計算式と理論を、今すぐ俺に教えろ! 『完全学習』する!」


ルーナは一瞬ためらったが、カズマの真剣な瞳を見て、覚悟を決めた。

彼女は、自身の頭脳にある全ての魔術理論を、淀みなくカズマに語り始めた。


――ピロン。

【スキル『超精密魔術理論 Lv.MAX』を習得しました】


カズマの脳内で、ルーナの理論と、ガーディアンの構造データ、そして自身の無限の魔力が、凄まじい速度で融合していく。

不可能とされた魔術が、即席の応用魔術として、今まさに生まれようとしていた。


「みんな、一瞬だけ時間を稼いでくれ!」


セレスとティナが最後の力を振り絞り、ガーディアンに斬りかかる。


「今だ!」


ガーディアンの対魔術結界が、再充填のために一瞬だけ揺らぐ。

その瞬間を、カズマは見逃さなかった。


「喰らえ!――セオリーブレイク!」


カズマの右手に、極限まで圧縮された魔力が螺旋状に収束する。

それは、ルーナの理論を元に、カズマが即興で創造した、全く新しい応用魔術。


放たれた魔力の螺旋は、ガーディアンの胸部に着弾すると、その超硬度の装甲の分子結合を強制的に破壊し、こじ開けた。


「GUOOOOOO…ERROR…SYSTEM DOWN…」


ガーディアンは断末魔のような合成音声を上げると、その場に崩れ落ち、機能を停止した。

同時に、遺跡の心臓部である巨大な水晶の脈動も、ゆっくりと落ち着きを取り戻していく。


「…やったのか?」


静寂の中、誰かが呟いた。


「やった…! やったわ、カズマ!」

ルーナが、歓喜の声を上げてカズマに抱きついた。


不可能を可能にする、常識を破壊する一撃。

それは、カズマのチート能力と、ルーナの天才的な頭脳が融合して初めて生まれた、奇跡の応用魔術だった。

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