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転生魔術師令嬢は転生した未来で魔術の素晴らしさを広めたい!〜悪役令嬢になんで負けてられるか!〜  作者: 雪道 蒼細
六章 さぁ立ち向かうときだ

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【5】 作戦成功

 学園乗っ取り‥いいえ、言い方を変えて「学園占拠」としましょう。

 その学園占拠が始まって早一日。動きがあった。



 この学園占拠を終わらせれば、条件付きで魔術令嬢かレピス令息を開放するとのことだ。

 それまでは「こんな馬鹿げたことはやめなさい」など「どうせあの二人は釈放されない」など教職員が私たちに対しそう呼びかけるだけだった。だが一日私たちが立てこもり、このままではいけないと感じたのかなんなのか、そう伝えられた。

 (だけどそう言われても占拠は止めない。だって私たちがしていることはルリアンの足止めに過ぎないのだから‥)

 そう。どんなにこっちの魔力が優勢だろうが、魔道具があろうがルリアンに勝てるはずがなかった。

 だからそれを逆に利用し足止めに使うことにしたのだ。

 占拠をしている限りこちらにいる「セルフィア公爵令嬢」は本物だと思う。

 まさか学園を離れたところにいる何て思いもよらないだろう。

 (きっとルリアンはもう学園内に入って来ているはず…。‥‥どうかこの作戦が成功しますように。あっちの私‥)

 

 


 「全体の結界は壊せなくても、小さな穴をあけるくらいは出来ちゃうんだよね」


 私はそう独り言を言い、学園内を散策する。

 一日近く時間をくったが結界が少しでも壊れてしまえばこちらのものだ。

 どんなにすごい魔道具を使おうが私には叶わない。

 (…あ)

 杖を持ち歩いていると前方から見覚えのある顔が歩いてきた。


 「セルフィア公爵令嬢…とフローレの侍女。」


 セルフィア公爵令嬢は私を裏切った人物だ。そこそこ信用していたつもりだったがここで裏切られるとは思っていなかった。

 (また自由にさせたら面倒くさいな‥)

 拘束した方がいいと判断し、ルリアンは令嬢に向かって杖を向ける。

 

 「な…偽物!?」


 私はセルフィア公爵令嬢に向けて拘束の魔術を放つが、セルフィア公爵令嬢は消えた。幻影だったのだ。

 

 「…セルフィア公爵令嬢はどこ…?」


 私はセルフィア公爵令嬢の近くにいたミルディアを問い詰めた。だがミルディアもすぐには吐かない。


 「…い、言えません!」



 ミルディアは私にそう言い放つ。

 ここで言ってしまえば占拠に参加して意味がなくなってしまう。

 だからここで言うわけにはいかないのだ。

 そう心の中で見るディアは思いながらルリアンを見ていた。





 そして本物のセルフィア公爵令嬢はと言うと牢獄にいた。

 別に捕まったわけではない。これも作戦の内だ。


 (さぁ‥籠の中に閉じ込められた小鳥さん?そろそろ出てきてくださいな‥)


 * * * *


 「…え…」

 「何をぼーっとしているんです?」


 私は檻の向こう側にいる人物を見て目を見開く。

 そこにいたのはセルフィア公爵令嬢だったのだから。

 夢かと思ったがそうではないらしい。


 「その‥なんでここに?それにその鍵‥」

 「あぁ。この鍵は、牢屋を開けるための鍵です。あなたを逃がすために来たのですから‥」

 「…逃がすって‥」


 何故敵が私を逃がそうとするのだろう。

 セルフィア公爵令嬢は敵で、魔術が嫌いなはずだ。だから彼女が私を助けようとする意味が分からない。

 そんな私の困惑の表情を読み取ったのかセルフィア公爵令嬢は口を開いた。


 「ここへ来たのは私の友人を救うためです。レピス令息も次に開放する予定です。‥‥今まであなた達の敵で今更協力白してなんて虫のいい話です。ですがお願いします。ルリアンを…救ってほしいんです」


 セルフィア公爵令嬢はそう言って私に対して頭を下げた。

 (…あの瞳にはただただ友人を心配する気持ちしかなかったように見えた‥)

 なら。私のするべき返事は一つだけだろう。


 「‥‥昨日の敵は今日の敵よ!さぁ。時間が無いんでしょう?さっさとここを抜け出してルリアンの元へ行くよ!」


 そう言って檻の隙間から手を差し出す。

 私にはその言葉が嘘には見えなかった。

 それに私もルリアンを救いたい。かつての友人が幸せになれるように…。

 「…ありがとう…ま‥いえ。ビルディー令嬢」


 セルフィア公爵令嬢はとても小さな声でそう言った。

 

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