表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生魔術師令嬢は転生した未来で魔術の素晴らしさを広めたい!〜悪役令嬢になんで負けてられるか!〜  作者: 雪道 蒼細
六章 さぁ立ち向かうときだ

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

39/42

【4】 天秤はどちらに傾く

 (ついにやった…)


 これは達成感なのだろうか。まだ達成はしていないが。

 ‥今自分がどういう感情なのか、少し説明はしにくいが、まぁ言えるのは後悔はしていないというだけ。

 


 (お母様にもお父様にも迷惑がかかるかもしれないけど…私はもう道具じゃないから…。それに私はただ一人の友人を救いに行くだけ…)


 私は小さなため息をつき、私に話しかけようとしていた令嬢の方をみる。

 確か彼女は魔術令嬢と同じクラスの人間だった気がする…。


 「何か用?」

 「あ。絵っと‥ほ、本当に大丈夫なんですよね?ここの結界が壊されないって…」

 「ええ。それは本当よ」


 そう。この結界は絶対に壊れない。


 …だが一つだけ前提として行っておく。私はそもそも魔術を使わない。というか才能が無い。

 使うのは私の若草色の髪色をした従者である。

 唯一魔術関連で使うのは人の過去を見ることぐらいだ。だがそれも私の力ではなく、壊れた過去の魔道具を修理し使えるようにしたものである。

 魔術の才能は無かった私だが魔道具を修理したりする才能はあったらしく、ルリアンに協力し始めてからというものその魔道具を使っていたのだ。


 ここまでを見て「ではなぜ結界が壊れないと言い切れるのか」という疑問を思う人もいるだろう。

 


 答えは簡単だ。私には魔道具の才能があるから。



 それと‥‥




 「学園を乗っ取るって‥すごいよな‥。俺子爵家の五男だからあんま影響無いだろうけど、嫡男のやつとか大丈夫なのかな‥」

 「…早くお嬢様を開放していただきたいわ‥」

 「…ここまで来たからにはあの二人を開放してもらわなくちゃな!」



 私の見つめる先には数百人の生徒たちが談笑をしていた。

 その中には生徒たちの従者も含まれる。

 (前まで魔術をあんなに毛嫌いしていたのに協力してくれるとは…なんでも行動してみる価値はあるわね)


 そう。

 私は魔術令嬢とシルディアルが捕まってから声をかけることのできる生徒全員に呼びかけこの「学園乗っ取り計画」を実行したのである。


 魔術令嬢が魔術部のショーをした時に何か仕掛けたらしく、学園の生徒の魔術に対する恐怖心がなぜか薄れていた。

 そのおかげかこの計画を話し、私が頭を下げると賛同してくれる生徒が多数いたのだ。

 さすがに全校生徒は難しかったが学園の生徒の八割は賛同してくれた。


 

 ーーーーーー。

 

 だがそこまで来て問題が一つ浮上した。それはルリアンの存在だ。

 どんなにバリケードを張り学園を乗っ取ろうがルリアンと言う魔術師の存在がいる限り学園の乗っ取り計画は成功しない。



 魔術で強行突破されてお終いである。

 一応私の従者は魔術を使えるがその者に魔術を教えたのはルリアンである。

 だからルリアンに魔術で勝てるはずがない。


 

 それで私は考えた。

 こちらがルリアンに対し優勢なものと言えば、私の魔道具技術と人数だろう。

 (なら…)



 私はルリアンに借りていた、魔道具の文献をもとに結界を作り出す魔道具を作った。

 作った魔道具は、込める魔力が多いほど強い結界を作り出せるという物。

 人数が少なければルリアンに破られてしまうが、こちとら数百人いるのだ。全員が全員魔力を持っているとは限らないが全員まったくもっていないということは無いはず。

 

 

 これが上手くいくか賭けけだったけど‥

 

 (…上手くいって良かった)



 私は学園に張られた結界を破壊することができないルリアンを見て笑みを浮かべた。

 (‥別に完全に魔術令嬢の味方になったわけでもないけど‥…策は使わせてもらうわよ)



 * * * *


 「…壊れない」


 私は杖を結界に向け魔術を発動させるが、壊れる気配がない。

 (あの従者が張った結界なら容易に壊せると踏んでいたんだけど…)

 どうやらあのお嬢様は頭を使ったらしい。

 

 (…今更私のことを裏切って彼女は何をするつもりなの?)

 同士は集まったかもしれないけど、そんなんで国が動くとも思えない。

 それに本当に今更なのだ。

 邪魔者はもう消えて、このままいけば魔術は悪者になる。



 あのお嬢様だって魔術が嫌いなはずだった。

 なのになぜこのタイミングで裏切るのだろうか。

 このまま傍観していれば全て上手くいくのに‥。



 (‥‥まぁいいか)

 とりあえず私が優先させるべきことはこの結界の破壊。

 万が一にも国が動いてしまったらまずい、

 王に暗示をかけられたのもお嬢様のおかげということもあるのだ。だからもし学園占拠中に王の暗示が溶けてしまったら少しまずいかもしれない。



 「‥…」



 私は学園の屋上も見つめ去った。




 

 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ