表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生魔術師令嬢は転生した未来で魔術の素晴らしさを広めたい!〜悪役令嬢になんで負けてられるか!〜  作者: 雪道 蒼細
五章 人を味方に

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

33/38

【4】 201後編

 どうやらフィステニアは前世のことは覚えていないらしい。

 フィステニアが転生してから、こっそりと見に行った時、心を覗いたが幼児そのものだった。

 でも魔術に対する意欲は前世と変わらない。

 それは成長すると共に高まっている気もした。けどフィステニアが転生した世界では魔術は悪だ。

 それは魔王が倒されたからより強くなったと感じる。

 私はそんな世界に居心地の良さを感じていた。魔術も無いから魔術によって犠牲になる人もいない。

 魔王の残党からは私が守れば問題ない。

 これで良かった。良かったはずなのに、心の中に穴が空いているように感じているのはなぜだろうか。

 ずっとフィステニアが死んでから、ずっとこんな感じだった。

 だからそんなフィステニアを見ているのが面白くて、魔術で姿を透明にし、数ヶ月に一回様子を見に行った。

 間に合っている間は心の穴が塞がるような気がしたから。

 私はそれが心地よかったのだ。


 だからこんな日々が続けばいいと思っていたのに。



 思っていた。のに。

 



 変化は起こる。



 


 変化が起きたのはフィステニアが九歳の頃。

 フィステニアが小説を読んでいたら、急に本を床に落とした。

 そしてそこから動かないのだ。

 何かあったのか?と思い近寄れば、フィステニアは自分が前世魔術師だったんだと言い出した。


 私は驚きその場で固まった。

 だって記憶が急に戻るだなんて思わなかったから だからそう。少しだけ驚いた。驚いて怖くなった。


 記憶を思い出したら私はまた前と同じことをするのだろうかと。

 魔術が表舞台に立たないために、私はまた彼女を殺そうとせるのだろうかと。


 そんなことしなければいいと思うかもしれない。だけど私にとって魔術が表舞台に立つことは許せない。

 


 (この感情よりも、大事なんだ。きっと)



 私はフィステニアが前世を思い出した日に行動を始めた。魔術が表舞台に上がってこれないようにするための行動を。


 まず養子を探している家族を探した。

 案外直ぐに見つかるもので、私はクレーシー伯爵家の養子となった。

 容姿は五歳ほどに誤魔化したが、知能はそのまま。だから学力で買われたのだと思う。多分。


 そこからの日々は忙しく、私はお茶会出席などして、魔術の悪評を広めた。

 そしてフィステニア。いや、フローレ嬢の悪評も。

 これは噂話だが、フローレが魔術を使い従弟を虐めたらしい。

 その話を聞いた時、使えると思い、私は早速お茶会でこの噂を流したのだ。

 

 結果フローレは学園へ入学するまでに魔術令嬢というレッテルを貼られることとなるのだ。


 

 でも、モルガ。えっと今の名前はシルディアルだったかな?あいつは邪魔だった。

 魔術の勉強も進んでやろうとするし、それにずっとフローレといるし・・・。

 

 ちょっとモヤっとしたが、それは無視だ。




 あ、そうそう。

 お茶会に出席していると興味深い人物に会った。

 名前はセルフィア公爵令嬢。王家の次に権力を持っている人物と言ってもいいほどだ。

 だか、興味深いのはこれだけではなく、この人物もまた前世持ちということ。

 話を聞けば、前世、前世のフローレに腕を攻撃され、片腕を無くした。ということだった。

 なのでずっと前世のフローレに復讐したいと思っていたが、もう亡くなっていたどうしようと悩んでいたみたいだった。

 だから私は手を組んだ。



 学園に入ってからの日々は、もう言わなくてもいいかな?どうせ皆が知っている通りだし。

 魔術の授業で、二人のファンを装って近づき、魔術部に入部した。



 あ、言うことがあるとすれば、カルヴァス先生だろう。あいつは前世のフローレとシルディアルの師匠だ。

 かつての勇者パーティーの魔術師でもある。私が魔術を悪にしたせいで、学園の先生へになったため私と関係がないわけでもない。

 それに前世の頃から目をつけられていた気もするし。

 だが姿を変えた私には気づいていないので置いておこう。


 計画の方はと言うと。


 (・・・)


 こっちも語ることはないね。学園内では主にセルフィア公爵令嬢とその従者君に働いてもらってたから。

 だから私はフローレの監視に徹底していた。

 公爵令嬢がちゃんと仕事をしてくれたおかげで私も動きやすかった。

 初めの頃は接触していなかったけど、フローレが魔術の使用をやめた頃からちゃんと接触し始めた。


 もうフローレにつく必要も無くなったし。あと、 別に令嬢のこと疑ってたわけではないけれど.念には念をっていうしね。


 シルディアルは私のこと疑ってたっぽいし。もういっそフローレ達の敵として動くのもありかなと思っていたから。


 でも姿も変えてるからバレたとは思いにくいんだけどね。バレたらバレたで、一応策はあるから問題ないんだけど。

 

 


 そんな風に思いながら、ここ数年過ごしていたら、またフローレが動き出した。

 普通なら、また仕事が増えて面倒火災と思うだろう。だけど私は心が躍った。

 

 この感情に理由はつけられないけど、なぜかそう感じたのだ。



 


 だから私はこの計画をやめるつもりはない。



 (ごめんね。フィステニア。ううんフローレ…)



 もう私の時間は残り少ないから、失敗は許されないの。



 

ルリアンは入学試験次席だったので心の中で首席のシルディアルに嫉妬していました。


なんか書いていて、フローレとルリアンの百合ができちゃった?と思ってしまいました。(そういうつもりで書いていたわけではないですが・・)

少し修正を入れると思います。予定としては今週の土曜日です。


あと、今更ですが、10月のPVが1600を超えていました!読んでくれた皆様ありがとうございます!(投稿一ヶ月で1000を超えたのは初めてです!)


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ