表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生魔術師令嬢は転生した未来で魔術の素晴らしさを広めたい!〜悪役令嬢になんで負けてられるか!〜  作者: 雪道 蒼細
五章 人を味方に

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

31/34

【2】 201前編

 「おぉ‥!やっと成功したぞ…。魔術で作り上げた人間が‥!」


 (…?‥‥)

 目を開いた先には男が二人。

 手を伸ばしたが、何かに当たり手を伸ばしきれなかった。

 それに水の中にいる。何かを話そうとしたら泡が出た。

 私は何者なのだろう。今目の前の男が言っていた”人間”というものなのだろうか。

 でも人間と言う言葉がよく分からなかったので目を閉じ記憶を探る。どういう仕組みなのかは分からないがある程度の知識はこの脳に入っているらしい。おかげですぐに言葉が話せる。

 言葉を発せることは有り難いが、何かの容器に入れられているようだし、目の前の人物と話すことは不可能だろう。

 私は容器に入れられている。

 水に満たされた容器に…。

 (…することが無い)

 閉じ込められているというためできることが限られている。

 とりあえず、水中で手を開いたり閉じたりして遊んでいると、目の前の男達はまた何か話し出した。


 「いや、こいつはもう人間ではないだろう。魔人ではないか?」

 「そうだな。やっと魔人をつくりあげることができたのだ‥!これで人類の平和は保たれた!」


 そう言って笑いながら私を見る男二人。

 その笑顔はあの頃の私から見てとても怖かったのを覚えている。




 ーーーー私は今から約四十五年前。とある研究室で生まれた。

 生まれたと言っても作られたと言った方が正しいが…。


 私は二百ほどの実験を繰り返した結果生まれた魔人…らしい。

 名前は201。

 魔力を核とし、作り上げられたもの。

 魔力がこの世界にある限り私は死ぬこともないし、食事も必要としない。

 疲れも知らないし寝なくてもいい。欠点は強い魔力の持ち主が近くにいて魔術を発動されると、私が魔術を上手く使えなくなるということ。

 

 でもそれだけ。先手で攻撃すれば問題ないし、魔力が本当に高くなければ私の魔力には影響しない。


 しないのだが、生まれてからの日々は辛かった。


 毎日が戦闘の繰り返し。


 魔術が上手く使えないとぶたれるし、罵倒を浴びせられる。


 作り物なら感情も痛みも全て無くしてくれればよかったのにそれは出来なかったらしい。

 私なりの考察だが、魔力が他人の物でその持ち主の感情や感覚などが私に影響しているからだと思う。

 なぜ奪ってきたものか分かるかと言うと、この前研究室をうろついていたら多くの人の死体を見つけたからだ。

 一室に押し込められていて、一瞬見ただけでも七十人程はいたと思う。

  私がその人たちの犠牲によって生まれた存在だと考えただけでも吐き気がする。


 こんな生きている意味すら分からないような魔人のために犠牲になったのだ。


 自分の存在が憎らしくなった。

 

 そう考えたらすごく魔術が憎く見えた。


 魔王を倒す対抗策として私が生まれたのも。


 私を作り出した研究員の奴らも。


 私が生まれた理由の魔王も、その手下の魔物も。


 すべてが憎くて、憎くて壊したかった。


 だけど気づいた。


 壊すだけじゃ意味がない。


 みんなから叩かれて、魔術を使う物も全て憎まれて、嫌われて…壊れればいいと思った。


 私自身も。



 そう考えたら行動は早く、私は研究室から抜け出した。

 まずどうすれば魔術を悪者にできるのかを考えた、だけど今の私には知識が無い。

 元の魔力の持ち主の知識はあるが、これだけじゃ足りない。

 色々なことをしなくちゃいけないことも全て全て。完璧に計画を立てて私も死にたい。

 だから、私は抜け出して学校へ通った。

 魔術で姿を偽れば誰も私の正体に気づかず、授業を受けることができた。

 魔獣を使う理由としては私が嫌いだから。

 嫌いなものには嫌いなものお与えるのは普通でしょう?


 

 そして十五年ほど経った時、私は作戦を実行し始めた。最初は簡単人に対し、魔術の悪い噂を流す。そして魔術師を装い人を攻撃していった、

 魔王軍との戦況で人々も混乱に陥っていた時期だから犯人探しなんてだれもしようと思わない。あいつ、ヴァル二ーにはちょっと怪しまれたけど。※カルヴァスの本名。

 でも問題ない。別にあいつが何しようがもう魔術が光舞台に立つことは難しいはずだ。

 きっと魔術はゆっくりと闇に引き込まれていくそう…思っていたのに‥


 

 あいつが現れた。



 フィステニア・ゼル


 

 一般的な強い魔術師を目指す人物ではなく、平和的な…皆が喜ぶようなショーのような‥。見世物の魔術を好む人物だった。


 今までは魔王軍との戦いもあり、そう言う人は全くと言っていいほどいなかったのに。


 …現れてしまった。平和を望む魔術師が…。



 私は危険だと思い作戦を立てた。


 作戦は簡単だ。少し魔王軍に加勢し、戦況を悪化させる。悪化したら国は迷うことなく魔術師を戦場に送り出すだろう。

 だって魔術師は恐れられる、嫌われる者達だ。

 そんな人たちより剣士などの方が大事。所詮魔術師など死んだって構わない、国はそう考えていた。


 だから私はそれの考えに乗っかった。


 まぁ普通に戦場に送り出してフィステニアが死ぬとは思えなかったので、パーティーを組ませ、そのパーティーメンバーにフィステニアを裏切らせフィステニアが絶体絶命になるような状況を作った、

 きっと一人、数十の魔物や魔人に囲まれてしまえばさすがに生き残ることは難しいと考えたのだ。


 一応パーティーメンバーがフィステニアを裏切るかを確認しなくてはいけなかったので、私もそのパーティーメンバーには加わっていた。


 加わっていた・・・・。



 ‥‥



 そう加わって、フィステニア・ゼルという人物と二週間一緒に過ごして…。



 魔術に対する私の感情が初めて揺らいだ。



  

投稿したと思っていたら出来ていませんでした。すみませんm(__)m


時系列的に言うと、魔王誕生して、201が作られて、フローレが生まれる。その後戦況が悪化しフローレが戦場へ立ち死亡。です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ