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転生魔術師令嬢は転生した未来で魔術の素晴らしさを広めたい!〜悪役令嬢になんで負けてられるか!〜  作者: 雪道 蒼細
三章 新たな厄介ごと

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【1】 魔術部始動!

1・2章は幼少期編(2章は幼少期ではない気もしますが)にしようかなと考えたのですが、2章の終わりを変な形で終わらせてしまったので3章まで幼少期編と言う形にします。

4章からは16歳のフローレ達という感じにします。

 師匠との再会があって少し経った頃…。

 私は様々な困難を乗り越え魔術部を作った。(実際の所、許可を得るため先生を探し回っただけだが)

 私は魔術の特待生なので、部員がいなくても部活の存続は可能なのだが嬉しいことにシルディアルとルリアンが魔術部に入ってくれることとなった。

 シルディアルはなんとなく予想していたが、まさかルリアンまで入ってくれるとは思わなかった。

 そんなこんなで、顧問はカルヴァス先生で部員が三名という形になった。

 まだ活動内容は決めていないのだが、まぁ同級生が三人なので、みんなで話し合いながら活動方針の方は決めていきたいと思う。

 (でもでも、魔術部という感じで形にできたのは良かった‥四か月後の文化祭に向けて何か制作すればきっと部員も増えるよね!)

 まぁ部員ではなく魔術好きが増えてくれた方が私にとっては嬉しいのだが‥。


 「まぁ、そう言うことは細かく考えない。部員になるってことは魔術が好きで入るわけだ‥うあっ!」

 「‥‥」

 「痛…ってすみません!!!」


 前をよく見ず歩いていたら、誰かにぶつかってしまった。

 まずいまずい。ここで私が粗相をしたら魔術に対して反感を買ってしまうかもしれない。

 今は私だけが魔術に対して色々言われるわけではない。

 今は大丈夫そうだけど、シルディアルやルリアンまでもが攻撃されてしまう可能性もある。だからここは穏便に…。

 (ってひえっ)

 ぶつかったからか物凄く睨まれている。髪色も黒色で、瞳は紫色。それに鋭い目つき、なんだか悪役令嬢と言う名に相応しそうな令嬢だ。

 

 「あ…えっと。すみません…」


 なんとなく目線を合わせるのが怖く、そっと視線を逸らす。

 (だって目を合わせたら地獄へ連れてかれそうな雰囲気してるんだもん!!)

 

 「あなた…確かビルディー公爵令嬢…」

 「へっ。そそそそそ、そうですが」

 「へぇ‥あなたが魔術令嬢なのね。…覚えておくわ」


 黒髪の令嬢はそう言うと私をもう一度睨めつけた後去っていった。


 「な、なんだったんだろう‥‥?」


 私は黒髪の令嬢が去った後をじっと見つめるのだった。


 * * * *


 「~だから‥あ!フローレ!ーったく遅いぞ!」

 「ごめん、シルディアル、ルリアン!」


 私は走って部室にいるシルディアルとルリアンに声をかける。走りすぎたせいか呼吸が乱れている。

 (あの令嬢のせいで。待ち合せに遅れてしまった‥)

 まぁ別にあの令嬢のせいではないのだが…。


 「‥‥フロッ…サ・・・・がお、遅れるなんてめず、めずめず、らしいですね。なんなにかありました…かっ?」(フローレ様が遅れるなんて珍しいですね。何かありましたか?)

 「あー。まぁね。黒髪の令嬢とぶつかっちゃって‥」


 「それで遅れちゃったんだよね~」とシルディアルとフローレに軽い気持ちで話すと、なぜか二人は固まった。

 (えっ?何か禁句ワードでも私言った?そんな変なことは言ってないはずなんだけど‥)

 うんうんと頭を悩ませていると、珍しく焦った表情のシルディアルが私を見てこういった。


 「本当に黒髪の令嬢だったか?身長は?160中盤くらいだったか?髪はストレートで瞳の色は紫だったか!?」

 「えっ!?そんな一気に質問されても…。そうだよ。髪は黒髪で、瞳の色は紫、あ、アメジストみたいだった‥。身長は分からないけど、私より頭一つ分は大きかったかも‥」


 そう言えば、シルディアルとルリアンは食らい顔をして下を向いてしまった。

 もう、ちゃんと私にも分かるように説明してほしいのに…。


 「ねぇ。私にも分かるように説明してほしいんだけど?」

 「あぁ悪い。ちょっとヤバいことになるかもと思っただけで。そのフローレとぶつかった令嬢はセルフィア公爵令嬢。今の国王陛下の実妹が母親の令嬢だ。

 同じ俺達公爵家の中でも一番権力を持っている家と言ってもいい」


 セルフィア公爵令嬢。そう言えば聞いたことだけはある気がする。だってその家は私の兄との婚約話が出ていた家だったし。

 でも兄には心に決めた人がいるからって断ってたはずだ。

 あれ?ではなんでヤバいのだろうか。そりゃぶつかったことは悪いとは思うが。


 「そのセルフィア公爵令嬢は魔術嫌いの筆頭と言っていい。俺の母は以上に魔術が嫌いだ。魔術という言葉を発しようものなら徹底的に潰してくる。だから魔術令嬢と呼ばれたフローレのことは多分。その‥」


 (あぁ狙ってくると‥)

 え、では先程ぶつかったのは物凄くまずかったのでは?土下座くらいする勢いで誤った方が良かったのでは?

 私は冷汗がダラダラと垂れてくる。

 

 「ま、まぁ過ぎてしまったものは仕方ないし‥な。フローレ、気にすんなって」

 「そそそ、そう。ですよ!」


 そうシルディアルとルリアンが励ましてくれるが私の脳はそれどころではない。だって師匠からは『魔術を悪に仕立てている人物を見つけ出せ』って言われているし、それに加え今回は『魔術嫌いの令嬢から潰される危険性』という物までもがプラスされてしまった。

 (というかそもそも、私の目的は魔術を広めることなの!!なんでこうも厄介ごとが増えていくの!??)


 そう心の中で叫ぶフローレなのであった。

 

 



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