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彼女がいなくなる頃に  作者: 春と芒
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End

 拝啓 


 寒冬から抜け始め卒業式も桜色に染め上げた時分。元気にお過ごしでしょうか。

 こちらはまだ寒々とした日々を過ごしつつも、毎日を粛々と生活しております。

 これを書くにあたって、これだけはあなたに言っておかなければならないと思い、今日このようなアナログな形にはなりますが、一筆仕上げることにしました。

 何、あなたは私のことなど気にせずに、思うがままに大学生活を謳歌してくださいとだけ付けてしておきます。

 では、すべての事の顛末。この手紙に記します。

 あなた方は四十川宅に向かわれたかは知りませんが、私は約束通り彼女の家を訪ねることにしました。

 そして、迎えてくださった彼女のお父さんとともに、遺品処理をするのを立ち会わせていただきました。

と、言うのも私と四十川家とは旧知の関係でして、隣家がちょうど私の家にあたります。

 ですから、彼女とは俗にいます幼馴染という間柄ということです。

 最初は彼女のあの件、他人事のようであり、まるで自分事のようにという矛盾しておりますが、中学以来疎遠でしたのでどこか歯切りが悪く、彼女の死去に対して殺伐とした気持ちを胸にしていたのです。

 そこで西原さんが狼煙を上げたものですから、それに感化されて周りには多分な迷惑を施してしまったわけです。

 その後の流れはあなたもご承知でありましょう。説明した通りでございます。

 そして、月がながれ夏休みを目前とした頃に私は彼女のお宅を訪ねたのです。そして、知った彼女の交友関係は私の知らないものでした。そのことに対してお父さんも驚きの様子でした。

 では、何を知ったのかと申しますに、彼女の学校外の交友関係でございます。

 あの性格でしたから、交流関係を持つなどということは造作もなくないでしょう。

 そして、私は学校内に要因がなったのならば、外にあるのではないかと。

 故に私は学外の交友を不躾ながらあさらせていただきました。

 えぇ、本当に驚きの連続でした。皆、年上ばかりでしたから当時二年の私が調査をするのは実に立つ瀬がないとまでは言いませんが、億劫であったことは間違いではございませんでした。

 その繋がりというのは高校時代に限らず、小中とまで古くからの繋がりも見受けられました。

 当然、同級生などや下級生も含まれており、彼女の出会いも三者三様で、まさに彼女は一期一会を重んじるよう人間であったことを語っております。そのために私は彼女のその朋友の多さに嫉妬さえ覚えました。

 そして、私は彼女の素顔をようやく知り得たのかも知れません。

 高校のときに見せる彼女の顔とはまた別にあった。彼女が女としていた場所をついに知ったのです。

 そう、彼女に彼氏がいたことを知りました。

 不可解なことはございませんでしょ。なんせそんな噂は五万とあったような人間ですから、嘘の中に一つでも真実があたっておかしくはございません。

 そして、私は当然に会いました。

 一つ年上でのスタイリッシュで、優等生気質の怜悧な大学生でございます。俗に言う大学生デビューで垢抜けたと言ったような感じではなく、地がそのような人間のようでタバコが良く似合う人でございました。

 暗さの中にさらに深い闇を持つような風貌ですが、喋ってみれば何も苦も無く軽快な口調で彼女のことを話してくれました。

 可愛い彼女だったとか、聡明な人間であったとかと主観的な内容ではありましたが、しかしながら話している内容は私の知らない面でありました。

 甘える彼女の姿は想像できませんでしたし、彼女のちょっとした失敗をするようなことも驚きです。

 常に最善、最高の人間というイメージでしたから、彼女の印象に人間味というものがようやく表れたように思えます。

 なんせ12年間も同じ場所にいたような仲であったにもかかわらず、彼女は常にある種異様でしたから、そういった人間性は私にとってはどこか喜ばしいものと同時に、私の独占欲から彼を憎みを覚えたのかも知れません。

 そして、彼女の周辺を調べていくことに違和感を覚えました。それはたぶん他のみなさんも覚えていたことだったと思いますが、みなさんはどこか霞のように朧気であったために強くは関心しなかったようですが、私はその違和について考えてみたのです。

 そして、そこから考えていく内に親密な人間が黒黒としたような何かが、彼女たちの裏にあるのではないのかと考えに至りました。

 そして、最後に彼に殺傷仕掛けたのです。

 元凶であった彼を今で言うデートDVなるものでした。あられもないことを言葉責めにし、多少の暴力行為もあったようです。

 私はそれを看過なりません。裁かれなければならない人間が裁かれないの実に道理に欠くことでしょう。

 ですから、私の行為は正当なものではなくとも、自信の正義を貫いてやった結末です。

 どうでしょう、これであなたの協力の返しになったでしょうか。

 あなたの存在は彼女がいない間に心強いものでしたよ。ありがとう。

 それとどうか。このことは彼女に伝えないでやってください。これをもって縁の切れ目にふさわしいものですから、滅多なことはせず彼女の思うままにさせてあげてくだい。

 

 敬具

 

 僕は届いた手紙を三つ折りに折りたたんで、机の中へと隠した。

「バカなやつだ」と思った。

 話に関してはここにあるように、岸峰は単独で四十川さんを死へと追い詰めた存在を突き止め夜道を襲ったという。しかし、彼、手紙には詳しいことが書かれなかったが、四十川の彼氏のようで、その彼にとっては幸いのことに近隣の人が通りかかったとかで軽い傷で済んだそうだ。

 そして、彼の証言によって岸峰が特定され傷害事件の犯人として禁固刑で、少年院へと送られた。

 岸峰のいう西原はこの件に関しては黙している。あれ以降僕たちは会っていない。それもそのはず、本件に判決が降ったの昇級後のことであり、僕たちにとっては他所のことなど気にしていられるほどの猶予はなかった。本格的に受験シーズンへと入った。西原はどうやら面接受験方面で行くらしく、三年になると同時に動き始めていた。無理もないことだろう、もはや今の彼女にとってはまさに他人でしかないのだから、一年前のことなどはもはや空白のようなものだろう。

 今の僕は彼女に訊くほどでもない。四十川も、西原も岸峰もあの教室にはいない。めいめいあの出来事はあの場所に置いていってしまったように過去の事象になった。今頃は事件を知らない新2年生で跡形もないことだろう。

ここにはよくよくある巻尾にある。ようなことを書こうと思います。

まず、一ヶ月近く付き合ってくださた方には内容が薄い割には長くかかってしまったことに申し訳ない気持ちであります。また、完読された全読者にはこのようなお目汚しに付き合ってくれたことに感謝します。それにしても、今作は人生始めての徹頭徹尾仕上げることが出来た作品です。10万文字というのはあからさまに少ないですが、構想としていた大概は自己満足ながら作れたと思っています。

 ここまで書いて常々思うことは会話文ばっかで心理描写に欠けること、文章が定型文化していることが挙げられます。単に私が読書の量が少ないだけなのですが、ここまでの想像を描いたことは自負に値します。

 これを踏み台に新しい何かをまた何か書けたらいいなと思います。

 二度目はくどいようですが、44回まで読んでくださった皆様には感謝ありがとうございます。それと初めての評価を得た自分の作品が評価されたことは客観性があっていいものですね。この評価を上回るほどの作品を作り出せるよう研鑽してまいりたいところです。

 では、またこのネットの小説のどこかでお会いしましょう。(`∀ ´)ノシ

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