表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
どうでもいい関係でぐちゃぐちゃしてる  作者: ゴルゴンゾーラ
消えた彼女を見つけだして連れ帰るまで
89/218

第89話_軍服ヤロウに葵を奪われる

俺たちは、エレベータをつかって地上に出た。

地上の古本屋では、スキンヘッドの親父が無表情で本を読みふけっている。


「俺みたいな顔のやつが、下から上がってこなかったか?」

俺は親父に詰め寄った。

親父は読んでいる本から視線をチラリと俺の方に向けた。

だがすぐに視線を本に戻す。


「聞いてもムダだ。番人は合言葉を管理してるだけだから」

般若がそう言うので、俺たちは店の外に出た。


「探すって言ってもどこを探せば良いんだよ」

古本屋の前の大通りをキョロキョロと見回す。


車や人がせわしなく行き交う、いつもどおりの街だった。


「クソッ。どこ行ったんだ。自分の分身なのに、ヤツの考えが分かんねーな」

俺がそう言ったときだった。


古本屋と隣のビルとの狭い隙間から、人影が素早く飛び出してきた。


「うわ!」

葵が叫ぶ。


「どうした!?」

キョロキョロと通りを見回していた俺と般若は、声をそろえて葵のほうを見る。

葵は軍服ヤロウに羽交い締めにされ、首にナイフを当てられていた。


「軍服ヤロウ!やめろ!葵を離せ」

「光一!だめだ、軍服ヤロウと目を合わせて話すな」

葵が慌てている。


「そんなこと言ってられない」

俺は軍服ヤロウにジリジリと近づいた。


「クソッ!建物の外で俺たちを待ち伏せしてたんだな。

こいつの狙いは葵だよ」

般若が言う。


「葵は俺のものだ」

軍服ヤロウが葵をギュッと抱きしめながら言う。


「葵は俺のだ」

俺は軍服ヤロウに近づいた。

だが葵が人質に取られている。

無茶はできなかった。


「お前はどうして俺にそんなに似てるんだ?」

軍服ヤロウが俺をじっと見て目を見開く。

俺もヤツの顔にひきこまれる。


(俺と同じだ......まったく お な じ)


「光一。抹消のトリガーが発動した。間違いない」

般若がボソッと呟いた。


そのとき、背後がざわざわとし始めた。

いつの間に人だかりができていた。


「お巡りさん!あの男です。うちの店でカネを払わずに食い逃げした!

それに厨房のナイフを勝手に持ってっちゃったんです」

後ろからそんな声が聞こえた。


俺は3人の警察官に囲まれていた。


「ちょっ!なんですか!?」

「お前、無銭飲食したそうだな?それに刃物を持ち出しただと?

銃刀法違反だ」


「葵!葵が」

俺は葵の方に視線を向けた。

だが、軍服ヤロウと葵はすでに姿を消していた。


「葵!!」

俺は警察官を突き飛ばした。

「公務執行妨害だ!」

警察官は、柔道の技で俺を投げ飛ばした。

キレイに投げられて、俺は地面に組み伏せられる。


俺は馬鹿力を発揮して、警官の固め技から逃げ出した。

そしてまた警官を突き飛ばす。

警官はとうとう拳銃を抜いた。

「動くな」

冷静な声で俺に告げる。


俺は両手を上げて動きを止めた。

拳銃を出されたら、もうどうしようもない。


視界の隅に般若の顔が見えた。

般若は警官たちに怪しまれないように、ビルの影に隠れているようだ。

俺は警官に地面に引き倒され、頭をなぐられた。


視界が暗くなる。気を失うんだろう。

「は、般若......頼む、葵を」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ