表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
どうでもいい関係でぐちゃぐちゃしてる  作者: ゴルゴンゾーラ
消えた彼女を見つけだして連れ帰るまで
82/218

第82話_悪夢


俺はもう一人の俺と戦っていた。

そいつは、すばしっこくて力も強かった。

俺はそいつに、思い切り殴られる。

それから指をつかまれて捻り上げられた。

指に鋭い痛みがはしる。


あちこち殴られて体中が悲鳴を上げる。

だが俺も負けてない。

俺も、そいつの顔面に思い切りパンチを入れた。

クリーンヒットだ。


そいつは血を吐きながら吹き飛び地面に崩れ落ちた。


そのとき、葵がどこからか急に現れた。

「光一!光一!」

そう叫ぶと、地面に倒れているもう一人の俺に駆け寄る。


「葵......ちがうよ!俺がホンモノの光一だ」

葵にむかって叫ぶ。


だが葵は

「こっちに来るな!下級生物のウジ虫め」

と言って俺をにらみつけた。


「光一、大好きだよ」

葵はそう言うと、倒れているニセモノの俺を優しく抱き寄せた。

ニセモノの俺は、葵の頬に手をあてて、葵にキスをしようとする。


「葵!そいつはニセモノだって!俺がホンモノの光一だってば」


二人は俺のことは無視し続ける。

二人のくちびるが触れあう。


俺の目の前で、ニセモノの俺と葵は激しくキスをしはじめた。

ニセモノは、俺の方に視線をよこすと、ニヤリと笑った。


「くそ!やめろ......。葵は俺のものなのに......」



-----------------


「......ハッ」

俺は目を覚ました。

(夢だったのか。嫌な夢だった)


(ここは......どこだ)

身体を動かそうとしたけど、何かで固定されていて、動けない。

(たしか......般若に連れてこられて......葵!?葵は無事なのか!?)


ぼんやりとしていた視界がクリアになってくる。

視界に飛び込んできたものに、俺は息を呑んだ。


「なんだっ!?変なものが張り付いてる!」


俺の周囲を覆う透明のプラスチックの上に、女の顔が張り付いていた。

ほっぺたが、ビヨーンと伸びていて、変な顔になってる。


よく見ると......

「えっ!?葵!?」

プラスチックに張り付いているのは、葵の顔だったのだ。


俺は透明のプラスチックをコンコンとそっと叩いた。

体は動かないけど、手だけは自由に動かせるのだ。


「あっ!?指が治ってる」

失ったはずの指が元通りになっていた。

曲げ伸ばししてみても普通に動いた。

(スゲーな。般若の世界の技術は)


コンコンとまたプラスチックを叩くと、葵の目が開いた。

あわてて、顔をあげると、口についたよだれを拭いている。


「アハハ。葵。かわいいな」


---------------------


やがて真っ白なロボットがやってきて、俺を覆っているプラスチックを開けてくれた。

ロボットは、

「驚くべき回復力です」

とかなんとか言っている。


「光一のこと見てたら、いつの間に眠ってた」

葵は恥ずかしそうに笑った。


「葵」

俺は自分が素っ裸なのに気づいたけど、そんなこと気にしてはいられなかった。

「葵!!良かった。背中の傷は?剣で切られた......」


「あたしの傷は、かすり傷だったよ!

光一はバカだよ。あたしのことなんか放って逃げればよかったんだ」

葵は俺をにらんだ。


「かすり傷?だって血が出てたよ!?葵は顔が真っ白だったし」

「栄養不足だったから、顔色は元々悪かったんだ。

それに貧血気味だったみたい」


「とにかくよかった。葵!!抱きしめさせて」

俺は立ち上がると葵に向かって両手を広げた。

俺の腹の上に乗っていた薄い布がハラリと床に落ちる。


「光一!そのまえに服を着て欲しい......」

葵が顔を赤くして目をそらした。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ