表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
どうでもいい関係でぐちゃぐちゃしてる  作者: ゴルゴンゾーラ
彼女との出会いと彼女が消えてしまうまで
39/218

第39話_飢えた女の餌食に

ホテル・別世界の一室。


俺は真っ赤なベッドの上に押し倒された。

女が俺の上に、またがる。


葵が眉をしかめて、こっちを見ていた。


俺の上にまたがった女が葵にむかって叫ぶ。

「あんた、ずっとそうやって見てるつもりかい?

見られながらするのも興奮するけど。

アハハハ!」


ドアから出ていこうとする葵に向かって、俺は言った。

「......葵は、これでいいと思ってる?」


彼女は、俺から目をそらした。


「俺は優香のためでも、世界のためでもない。葵のために犠牲になる。

葵のことが好きだから。......だけど、なんでだろう。悲しい」

「なにをグチグチ言ってんだ。その口をふさいでやる」

女はそう言うと、俺の口にキスをした。


葵はバタンとドアを強く閉めて出ていった。

(葵......。ほんとに俺がこんなことされても良いって思ってるんだ......。

俺のこと、やっぱり、べつに好きじゃないってことなのかな)


俺は女に服を脱がされながら、本格的に悲しくなって目をつぶった。


----------------------


話を少し前に戻す。


俺と葵は、ホテル・別世界の内部に入り込んだ。

内部はラブホテルそのもので、部屋を選ぶパネルまであった。

だがパネルの電気は、全室消えていて、まったく機能してないようだった。


葵は迷うこと無く、エレベーターに乗り込み、5階のボタンを押した。

「ここを仕切ってるやつが、5階に住んでるんだ。

ちなみに地下では、この世界で暮らすための偽造書類をつくってる」

「へえ~。とてもそんな施設には見えないけど......」


エレベーターが到着。

薄暗く長い廊下を歩いて、505号室のドアをノックする。


「モニターであんたが来たの見てたよ。葵」

部屋から、でっぷりと太ったヒゲの男が出てきた。

40代くらいだろうか。


室内の丸テーブルには、ヒゲの男のほかに3人の男女が集まっていて、ポーカーをしていた。


「朝っぱらからゲームかよ。邪魔したね。

手短に話すよ。あたしのドッペルゲンガーがここに来てる。しかもワームだ。

そいつを探してるんだ......。見なかったかい?」

葵は、懐から四角い小さなビニール袋を取り出すと男に見せた。


「通過袋、Sサイズか......。レアアイテムじゃねえか。

欲しいところだけど。葵のドッペルゲンガーは、見てねえ」

ヒゲをいじりながら、男がうなる。


「あたし、見たわ!」

ポーカーをやっていた女の一人が、俺たちの方に近づいてきた。


「あんたのドッペルゲンガー。

だけど目つきが鋭くて、あんたよりエキセントリックな女だったけど」

女はなぜか俺のことをジロジロと見ながらそう言った。


「あんたの分身、ドッペルゲンガーの居場所、教えてやるよ」

女は、葵の手にしている「通過袋」とやらに手を伸ばす。

葵は、サッと、女から通過袋を遠ざけた。

「アイテムを渡すのは、あたしの分身の居場所を話したあとだ!」


「ふん。通過袋だけじゃ、満足できないね。

その男とイチャイチャしたい」

女は俺のほうにアゴをむけた。

「......なんだと」

葵が顔をしかめる。


「おまえ、野蛮な女の一人だな!?」

俺は、ゾッとして女を見た。

女は俺を見て、舌なめずりをしている。

40代後半か50代の女で、残忍そうな目が怖かった。


この女はたぶん、蛭間さんの故郷と同じ世界からきた女だ。

ワクチンの副作用で性欲が異様に増強されている女......。


「おまえ、ガセネタだったらどうなるか分かってるんだろうな?

......あぁ?」

葵は女の首をしめあげると、顔をものすごい近距離に近づけた。

「分かってるよ。あんたの恐ろしい噂なら聞いてる」


葵は俺のほうをじっと見た。

「あの~、葵......?もしかして......?

えっ?無理だよ!!ムリムリ!

あの~。俺、ちょっと調子悪くて。うまく機能しないと思います!」

俺は女に向かって、言ってみた。


「いいさ。機能しない男には、慣れてんだよ。

それにあたしのテクニックでどうにかしてやるし」

「いや~。どうでしょうね~」


葵は俺の肩にポンと手をおいた。

「山口先輩をどうしても見つけなくてはいけない。

光一......山口先輩のため、そしてこの世界の平和を守るためなんだ」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ