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どうでもいい関係でぐちゃぐちゃしてる  作者: ゴルゴンゾーラ
終章_7人の羅針盤と運命の冬ーその後のふたり
208/218

第208話_ハッピーエンド?


12月に入った。

優香と運命の相手が出会う冬。

いわゆる「運命の冬」がやってきたのだ。


優香と豆次郎......あの二人がどのような結末を迎えるのか。


優香と豆次郎の恋路を守るためなら、世界がめちゃくちゃになったっていい。


......そんなふうには、やっぱり思えなかった。

二人のことは大事だし、幸せになってほしい。

強くそう思うけど。


俺はどうすればいいのか。

どうすることが最善の道なのか。

いくら考えても、情けないことに分からなかった。


「羅針盤」に言われた通り、然るべき時と場所に6つのポータルを開ける。

それしかできることは無いように思えた。


---------------------


「光一、元気がないな」

葵が俺の顔をのぞき込む。


その日、レポートを仕上げるためにふたりで公共の図書館に来ていた。

近くにあるカフェテリアで昼食を摂っていた。


「葵は考えない?優香と豆次郎のこと。

俺はこのあいだ豆次郎に言ったんだ。

豆次郎は故郷に帰って妹と過ごすべきだって」


葵はだまりこんだ。


「豆治郎くんの故郷のことなら聞いた。

そして暗黒の分岐を目指した理由も」


葵はオムライスをスプーンですくった。

そしてモグモグと食べている。


「あたしは、ワームは腐ったウジ虫野郎としか思ってなかった。

だけど、ワームだって生きるのに必死で......。

自分の故郷をより良くしたくて。

大切な人を平和な世界に招き入れたくて必死なんだと分かった」


葵はためいきをついた。

「あたしは視野が狭かった。反省してる」


「葵はマンダラに思想をうえつけられていたんだ。仕方ないよ」


俺はうどんをすすった。

肉が一切れしか入っていなくてガッカリした。


「あー、そう言えばさ......

豆次郎に会ったあと、悠人が来たんだ」


「えっ?」


-------------------------


俺は葵に「7人の羅針盤」の話をした。


葵は俺の話を聞くと目を丸くした。

「なぜそんな大事な話を今までしない。

津江さんが亡くなったというのは、有名な話だけど。

羅針盤から司令を受けただなんて、なぜ今まで黙っていた?」


「葵の顔を見ると、そういうの、忘れるんだよな。

葵は...可愛いから。すごい好きだって気持ちでいっぱいになる。

それしか考えられなくなる」


「それ以上、恥ずかしいことを平気で言うな」

葵は、下を向いて麦茶をすすった。

「なにが恥ずかしいんだよ」

俺は首を傾げながら白湯を飲む。


「暗黒の分岐が進むのか......ということは、山口先輩と豆治郎くんは別れないってことか」

「えっ?そうなるのかな?

よく分からないなぁ」

うどんの汁を最後まで飲み干すと、丼をテーブルに置いた。


葵は、宙を見つめたまま黙り込む。

なにかを懸命に考えているようだった。


「二人は別れない。

山口先輩は、運命の相手とは結ばれない。

ゆえに、暗黒の分岐が進む」

葵はテーブルの上の水滴でなにか図を書きながら、ブツブツ言っている。


「その暗黒の分岐が進むのを、7人の羅針盤が止めるんだ。

それでハッピーエンドなんじゃない?」


「七人の羅針盤が......暗黒の分岐を......止めつづける?

一時的ならまだしも、永遠に止め続けるなんて、一体どうやって......」

葵はちいさくつぶやいた。


「悠人は......羅針盤は何を考えているんだろう。

いくら大勢の羅針盤があつまったところで、永遠に暗黒の分岐を止め続けるのは不可能なはず」

「悠人は詳しく教えてくれない。

知ってるだろ。

未来はいくつもの分岐に別れてる。

悠人にも予測がつかないのかもしれない」


葵はちいさくため息を付いた。

「なんだか不安だ」

「大丈夫だよ。俺がついてる」


テーブルに置かれた葵の手を握った。

葵は俺を睨みつける。

「今後、羅針盤から何か命令を受けたら即座にあたしに電話するんだ」

「分かったよ。ごめんって」



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