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どうでもいい関係でぐちゃぐちゃしてる  作者: ゴルゴンゾーラ
兄との対決ー両親との再開と別れー豆次郎の決断
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第189話_優香と運命の相手


「もうケツが痛すぎて死ぬ......」


4時間以上自転車を漕ぎ続けて、葵も悠人も、そして俺も.......グッタリだった。

途中、泣き叫ぶ子どもの母親を探したり、喧嘩の仲裁に入ったりして体力を削られた。


道路には裂け目や隆起があって、非常に走りにくく危険を伴った。


気づけば最後のほうは、3人とも無言になっていた。


俺は自転車を漕ぎながら、母さんのことばかり考えていた。

母さんが、別荘まで俺に会いに来てくれたとき、ちゃんと話を聞いてあげなかったこと、冷たく追い返したことを心底、後悔していた。

母さんは、俺を守るために、圭一を殺した......。

もちろん圭一を愛していたんだろうけど、俺を守るために......。

どんなに辛かっただろう。

警察に捕まって、牢屋に入れられたって、きっと会いに行けるよな。

面会とか......。

もう一生、会えないわけじゃない。

きっとまた会える。


「葵の屋敷だ......着いたぁ......」

なんとか葵の屋敷にたどり着いた。

屋敷の前には松井さんがいて、葵を見るとすっ飛んできた。

葵の帰りをずっと門の前で待っていたのだろう。


「お嬢さま!!!ご無事で」

「うん。松井も無事だったか」

葵は自転車から降りると松井さんに笑顔を向けた。


「桜沢家には、非常用の物資も豊富にございます。

お二人もどうぞ、いったん桜沢家でお休みになられては?」


「うん!そうする!」

悠人は急に子どもらしい声をだすと、葵の手をギュッと握った。

(くそっ。悠人のやつ、まだ葵のこと狙ってんのか。

悠人と葵を二人きりにするわけには、いかない)


「俺も少し休みたい。いいかな、葵?」

葵はコクリとうなずいた。


-------------------------


「家宝の壺が割れました......。それに先代の遺した彫刻も.....」

松井さんが屋敷の廊下で葵に報告していた。


「ものはいつか壊れる」

葵は平然としている。

「家宝の壺」ってお宝じゃないのかな。


俺たちは新しい畳の香りがする広々とした和室に通された。


「山口先輩大丈夫かな......」

太い柱により掛かるようにして座った葵が、ポツリとつぶやいた。


「優香があの地震や雷を起こしたのか?」

「違うよ。山口先輩は悪くないんだ。

山口先輩の気持ちが......愛情が、豆次郎君に100%向かってしまった。

そのことで、世界が悪い方向へと進み始めたんだ。

地震は氷山の一角だと思う、

目に見えないところで、暗黒の分岐が少しずつ進行していたんだ」


「うーん。よく分からないな。

どうして、優香が豆次郎を好きになるとダメなんだよ」


「前に説明しなかったか。

山口先輩には運命の相手がいるって。

その人と結ばれないと、この世界が崩壊するんだ。」


「どうしてだよ」

「どうしてって」

葵は困ったような顔をして悠人の方に視線を送った。


「光一には理解が難しいかもしれないね」

悠人は俺の方を見て、「フッ」とすかした笑いを浮かべた。


くそっ、なんだよ。

めちゃくちゃ悔しい。


「山口優香は、運命の相手と結ばれる。

のちに運命の相手はこの国を救う重要人物となる」


「重要人物?」

「そうだ。優香は運命の相手を支え、励まし、力を与える役目となる」


「ふぅん......。そいつは優香がいないと、ダメ男なんだな?」

「そうだ。優香がいないと、何も始まらないんだ」


「はぁ~。なんか、ひどいよな。

優香はあんなに豆次郎が好きなのにさ。

なんとかならないのかよ?悠人」


必死に豆次郎の傷の出血を止めようとしていた優香。

彼女の手は血まみれで、顔にもたくさん血がついていた。

そんなことにはおかまいなしに、優香は必死だった。


般若にも必死に頼んでいた。

(どうかまめくんを、たすけて。お願いします)......って。

俺は末梢のトリガーが発動しないように布で顔を隠していたからよく見えなかったんだけど、優香の声から必死な様子が伝わってきた。


「葵ならどうする?もしも俺と別れないと、世界が崩壊するって言われたら」

葵がこちらをじっとみている。


「どうするか.......正直言って、分かんない。

そんなの想像もできないよ」

困ったような声でそう言った。

めちゃくちゃかわいい。


なんかいい雰囲気だった。

「葵......」

葵の側に近づこうとしたそのとき。


「葵~。一緒にお風呂に入りたいんだけど」

悠人が甘えた声でそんなことを言いだした。

「だめだ。悠人は俺と入るんだ。

混浴禁止」

やつの首根っこをつかまえて、葵に抱きつくのを阻止した。


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