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どうでもいい関係でぐちゃぐちゃしてる  作者: ゴルゴンゾーラ
兄との対決ー両親との再開と別れー豆次郎の決断
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第180話_【葵】光一を探す方法


松井に山口先輩の護衛を任せると、あたしは光一の住むジムへと急いだ。


(えっ?鍵があいてる)

ジムの出入り口の鍵は開けっ放しだった。


室内に入る。


「光一......?」

呼びかけてみたが返事はなかった。


光一が寝起きしている小部屋に入る。


(ここにもいない......よな......)

ベッドが乱れていて、光一が慌ただしく出ていったのが分かった。


(まるで、さっきまで光一が寝ていたみたいだ)


あたしはベッドの隅っこに腰掛けた。

無造作においてあるタオルケットにそっと手を触れる。

そしてギュッと抱きしめた。

タオルケットから彼の使っている石鹸の匂いがした。


(光一......。どこへ行っちゃんたんだよ。

会いたいよ)


護衛の連中は、ビルから出ていく光一を見てないと言う。

たぶん、裏の非常口から出ていったんだろう。


護衛に見つからないように、裏口から出ていった......。

なぜ光一は、護衛たちに見つからないように、出ていったのか。


思い当たる理由はひとつ。


圭一に呼び出されたにちがいない。

光一は、あたしに危険が及ばないように、こっそり圭一のところへ向かったんだ。


光一になにかあったら、圭一、あいつを許さない。

殺してやる。

ぜったいに。


握りしめた拳がふるえた。


光一を見つける方法は、ただひとつ。

あたしはもう一度タオルケットを抱きしめたあと、急ぎ足でジムの外へ出た。


----------------------------


【光一】_生まれ育ったアパート


俺の育ったアパートに着いた。


そのアパートは東京から電車で一時間ほどの郊外。

駅からバスを乗り継いだ住宅街に建っていた。


アパートを見ると胸が締め付けられた。

俺はここで......。

あぁ、嫌な思い出ばかりが浮かんでくる。


チャイムを鳴らすと、玄関のドアが勢いよく開いた。

強面の男が俺の腕を乱暴に引っ張り部屋の中へと引き入れた。


「さわるな」

俺は男の手を振り払う。


「おっと。暴れるなよ。

暴れればこいつの指を切り落とす」


奥の部屋から圭一の声がした。


狭いアパートだ。

カーテンが締め切られていて薄暗い。


キッチンとその奥に6畳くらいの部屋がふたつ。

左側の部屋は、ふすまが締め切られていた。


豆次郎は右側の部屋にいた。

椅子に縛り付けられて顔がぼろぼろだった。


「豆次郎!!」

俺は豆次郎の側へと駆け寄ろうとしたが、男に取り押さえられた。


「光一、うごくな。こいつの指を切り落とされても良いのか」

圭一は鋭いナイフを豆次郎の指に当てていた。


「豆次郎は関係ない。俺を痛めつけろ」

くやしいことに声が震えてしまった。

圭一は俺が怯えていることをすでに見透かしているだろう。


「頼む。豆次郎は何も悪くない。

俺は大人しくするから、豆次郎は逃がすんだ」


「こ.....光一......。

俺はワームだ。俺のことなんかほっとけばいいのに......」

豆次郎が苦しそうに声を出した。


「ほっとけるかよ!

ワームとか、そんなの関係ない。

豆次郎は俺の親友だ」


「光一......」

豆次郎が俺の目をじっと見つめた。


アハハハと圭一が笑う。

「感動的な場面だな。

親友だと。笑わせる。

豆次郎。

いいか、お前は光一のせいで俺に殺されるんだ。

無惨にな。

光一という疫病神に関わったからだ。

光一さえいなければ、お前はもっと生き延びられたのにな」


「黙れ......

光一と出会ったこと。一緒に過ごせたことに俺は後悔してない」

豆次郎はゴホゴホと咳をしながらそういった。


圭一は豆次郎の頬をなぐった。

「うっ」


「もうやめろ。こんなことして何が楽しいんだ」

「楽しいよ。最高にね。人生で今が一番楽しいかも」


圭一はナイフをぺろりと舐めた。



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