表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
どうでもいい関係でぐちゃぐちゃしてる  作者: ゴルゴンゾーラ
兄との対決ー両親との再開と別れー豆次郎の決断
178/218

第178話_【葵】様子がおかしい


「電話、光一からだったのね?なんて言ってた?」

山口先輩が、スマホを呆然と眺めるあたしに声を掛ける。


「急用で......来れないって......」

「えっ?なによそれ」

山口先輩が目を丸くする。


「あいつ......なんだか様子がおかしかった。

もう一度、電話をかけ直してみる」


光一のスマホに電話をかけたが、電源が切られているようでかからなかった。


「でない。どうしたんだろう」

「光一が葵からの電話に出ないなんて、おかしいわね」

山口先輩は首を傾げている。


「心配なのね。

葵は光一の住むジムに行って」

山口先輩はあたしの背中を叩いた。


「でも」

「あたしはまめくんに電話して呼び出してみる。

彼ときちんと話したいの。

彼がどこから来たのか。本気で暗黒の分岐を狙っていたのか」


「......うん。

山口先輩、油断はしないで。

豆治郎くんは、悪いやつじゃないってあたしだって思いたい。

だけど......」


「まめくんは、悪くないんだよ。

絶対に」

山口先輩は震える声でそう言った。


「さぁ、葵は光一を探しに行って」

「わかった。でもその前に松井を呼ぶ。

山口先輩のこと、松井や護衛の人間に守ってもらわないと」


--------------------------


【光一】親友を助けに


今朝、ジムの自室で二度寝しているとスマホが鳴った。


「ん......。電話?

葵じゃないよな?」

ねぼけて、目をこすりながらスマホをタップする。


「もしもし?」

「光一か?おはよう。お兄ちゃんだよ」


一気に目がさめた。


「圭一!?」

ベッドからガバっと起き上がる。


「ど、どうして俺の番号を」

「そんなのはすぐに分かる。

お前は兄ちゃんからは逃げられないんだよ」


「......もう切る」

圭一の声を聞いていると、吐き気がしてきた。


「ハハハ。お前は変わらないなぁ。

単純で頭が悪い。

俺のことを思い出したんだな。

それなのに、そうやって平常心を保てるのは、お前の神経が図太いからだろうな。

言い換えれば、頭が悪いからだ」


「これ以上、俺を苦しめないでほしい」

それだけやっとの思いで言う。


「馬鹿言うな。楽しいのはこれからだ。

今から送るメールの動画を見るんだな。

そのあと、俺たちの育ったアパートに来い。

そこに、お前の親友がいるからな。

誰にも言わず一人で来るんだぞ。

誰かに言えば、すぐ分かる。その時点で、お前の親友を殺す」


「親友?」

聞き返すと通話はプツッと切れた。


やがてメールが届いた。

震える手で、メールの中にあるリンクを押す。


動画へのリンクだった。


「豆次郎!?」


動画の中では豆次郎が椅子に縛り付けられ、男たちに殴られていた。

「クソっ!豆次郎が。

あぁっ、やめろ」

俺はスマホを強く握りしめた。


「アパート。俺が育ったアパート......何県のどこだっけ

そうだ......たしか」


行けば、俺は圭一に殺されるだろう。

でも行かないと。

俺の大事な友だちが痛めつけられているんだ。


ワームとか、暗黒の分岐とかどうでもいい。

豆次郎は俺の親友だ。

大切な友だちだ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ