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どうでもいい関係でぐちゃぐちゃしてる  作者: ゴルゴンゾーラ
兄との対決ー両親との再開と別れー豆次郎の決断
175/218

第175話_豆次郎との会話


葵と駅で別れた。

ホームの向こう側。

葵の電車が先に来た。


俺は電車の中の葵にむかって、ずっと手を振り続けた。

彼女も小さく手を振っていた。


やがて葵の乗った電車が走り去る。

思わず、はぁ~っとため息がでた。

(今日も葵は、めちゃくちゃ可愛かった)


でもすこし元気がなかった気がする。


(葵は優香のことを心配してるんだ。

豆次郎がワームだから......)

葵の話を聞いても、豆次郎がワームだなんてピンとこなかった。

ワームってことは、この世界線の人間じゃないってことだよな。


豆次郎は俺の大事な友だちだ。


あいつは頭が良いから、相談すれば良い答えがいつももらえた。

レポートだって書いてもらったことがある。


うちのジムに来て、うどんを一緒に食べたこともあった。

筋トレを教えたこともあった。


やつは俺にとって大事な友だちなんだ。

あいつは嫌がるけど俺は親友だと思ってる。


もしも本当にワームなのだとしたら、きっと何か事情があるんだろう。



----------------------------------


「こんな遅くに呼び出して何だよ?」

豆次郎はメッセージを送ると、わりとすぐにジムに来てくれた。


「悪い。バイト終わって、帰ってきたのが今さっきなんだよ」

「明日じゃダメだったのか?」


「ダメなんだよ。早く解決しないと」


俺は、ベンチシートから立ち上がると豆次郎の肩をガシッとつかんだ。

「豆次郎は、ワームなのか?」

「.....っ」

豆次郎は目を見開いた。


「ちが......いや......。

それ誰に聞いた?」


一旦は、否定しそうだったけど豆次郎は首を横に振った。


「違うんだな」

「......くそ。いや、違わない」

「違わない?違うってこと?」

「違う。違わない」


「......って、おい!!どっちだよ」

俺はワケがわからなくなって叫んだ。


「俺はワームだ!!くそっ」

豆次郎が大声で叫んだ。


「くそっ。そうなのか」

俺も応じた。


「いつからバレてた?桜沢さんも知ってるのか?」

豆次郎が上目づかいで俺を見た。


「今日の夕方、葵から聞いたばっかだよ」

俺は白湯を飲んで気持ちを落ち着かせた。

豆次郎の口から聞いても、なんだか受け入れ難い。


「豆次郎は......この世界の人間じゃないのか。

大学生でもない?」

「俺は大学生じゃない。

あの大学には優香や光一に接触するために潜り込んだ。

出欠を取る授業や、座席指定のある授業には、俺はいなかっただろう」


「んー?そうだっけ」

俺は首を傾げた。

うかつにも、あまり気にしてなかった。


「俺はワームだ。

優香にもバレたし桜沢さんにも、光一にもバレた」

豆次郎は寂しそうな顔をした。

「姿を消さないとな」


「えっ、なんでだよ」

豆次郎の言葉にびっくりして聞き返す。


「だって、ワームだぞ。俺は、お前らの敵だ」

「待てよ。そもそも、どうして暗黒の分岐を目指したんだよ?

なんか理由があんだろ?」


俺が豆次郎の肩をもう一度、ガシッと掴むと豆次郎は目をそらした。


そして俺の腕を乱暴に振り払った。

「俺に構うな。俺は薄汚いワームなんだ」


「なんか......厨二病っぽいセリフだな。ちょっとかっこいいぞ」


「お前のそういうところ、いつも好きだったし癒やされたけど。

もう笑って済まされることじゃない。

俺は、この世界を壊そうとしてたんだよ?許せないだろ」


「うーん。まだ壊してないんだし......」


「とにかく!俺は消える!!」


豆次郎はそう叫ぶと、ジムからでて行ってしまった。


「あっ、豆次郎」

そのとき俺のスマホが鳴った。


「も、もしもし」

「......おそいぞ。なんで電話してこない」

葵の声だった。

「ごめん!いま、豆次郎と話してたんだけどさ」


スマホを耳に当てながら、ジムの外に出て、エレベータを見る。

豆次郎はもう、1階に降りて外に出てしまったようだった。

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