表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
どうでもいい関係でぐちゃぐちゃしてる  作者: ゴルゴンゾーラ
消えた彼女を見つけだして連れ帰るまで
100/218

第100話_【葵】ずっとこのままで


「ふ......ははは!やめろ......葵」

松井とべったりくっついて眠っていた光一が、急に笑い出した。


「やっと抜け出せた」

やつれた顔の松井が、光一の腕から抜け出してため息を付いている。


「松井。どうやって光一の抱擁から逃れたんだ?」

「くすぐったところ、力がゆるんだんです。

樫谷さんの弱点は、わきの下です」

「へえ」


「お嬢さま、わたくし、そろそろ自室へ引き上げさせていただきます」

松井は、光一にふんわりと毛布をかけると、逃げるように部屋から出ていった。


時刻はもう12時を回っていた。

山口先輩と豆治郎くんは少し前に、二人仲良く帰っていった。


シーンと静まり返った和室に、光一の寝息だけが聞こえる。


幸せそうな寝顔だ。

光一はまつ毛が長くて......それに色が白い。

(かわいい顔してるんだよなぁ)


あたしは光一の前髪にそっと触れた。

光一は薄く目を開けると、前髪に触れたあたしの手首を素早くつかんだ。

(しまった!)


光一につかまってしまった。

「葵~。離さないぞぅ」


光一はそういうと、パッと起き上がってあたしに抱きついた。

「やわらかい......。さっきはゴツゴツだったのに」


「みんなもう、帰ったぞ。

今日は泊まっていけ。あたしは、自分の部屋で寝るし」


「好きだ~」

光一はあたしをぎゅっと抱きしめると、畳に押し倒した。

(山口先輩も、こんな感じで光一に抱きしめられて一晩過ごしたのか)

(けっきょく、何もなかったって言ってたけど)


光一の熱い息が首筋にかかってくすぐったい。

わきの下をくすぐれば、逃げ出せるかも知れない。

だけど、光一に抱きしめられると妙に安心する。

安心して幸せな気分になる。


「あおい~。すきだ~」


あたしが抹消のトリガーで消えた夜。

あの夜も光一はずっとあたしを抱きしめてくれたんだよね。

やさしく頭をなでてくれて「大丈夫だよ」って言ってくれた。

あのとき、どんなに安心したか。


このまま、光一に抱きしめられたままでいたい。

ずっと......。

だってとても幸せな気分だから。


あたしはいつの間にか眠っていた。


---------------


「お嬢さま、起きてください。客人がお見えです」

「ん......。なに?松井?」


松井に肩をゆすられる。


目をうっすら開けると、あたしはまだ、光一に抱きしめられて横になっていた。


「あたし、このまま寝ちゃってたんだ。歯も磨いてない」

目をこすりながら松井の顔を見上げる。

光一がぎゅっと抱きついているのであたしは身体を動かせない。


「樫谷さんのことも、くすぐることで起こしましょう。

客人が来てるんです。向こうに敵意はないようですが、

我々にとっては非常に危険な客人です」


「えっ?......客人って、一体誰なの」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ