THE LAST STORY>RELOAD< 最終回 【 Ending B】
THE LAST STORY>RELOAD< 最終回 【 Ending A】 として先日投稿した方と
今回のTHE LAST STORY>RELOAD< 最終回 【 Ending B】
どちらにするか?に迷い、その結果 ある意味マルチエンディングということで【Ending B】も投稿することにしました。
【Ending A】と被る部分もありますが、台詞や描写を変えたり、省略し、【Ending B】は【Ending B】として独立した構成にして最終部分は【EndingA】とは別のエンディングになっております。
予めご理解とご了承をお願い申し上げます。
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<この【Ending B】は水澤が敵のミサイル発射基地に突入した場面から始まります。>
THE LAST STORY>RELOAD<
最終話 この汚れた世界に愛を注いで。【B】Ending
水澤はミサイル発射基地の施設内へと突入する
この施設に関する情報も施設内の造りの見取り図も何もない
発射場所は地下なら発射のための上空に向かう円筒状の筒みたいなデカイ穴が中央にあるはず
水澤はそう思い下へは向かわず、ひたすら中央部分へと向かう
その途中に施設に残っていた北韓軍兵士二人と遭遇し水澤は抜刀し二人まとめて切り伏せ走り続ける
通路の左右にある部屋に敵の気配を感じた水澤は敵が通路に飛び出して来る前に
ガウン!!ガウン!!ガウン!!と発砲し壁を突抜けた銃弾が敵を撃ち殺し
発砲音に気づいた複数の北韓軍兵士が前方から現れ通路を塞ぐようにして
先頭の敵兵二人は膝立ちで銃を構え、その後ろに居る兵士は立ったまま銃を構えて向かって来る水澤に銃撃を始める
水澤は敵が銃撃を始める少し前に飛び上がり天井がまるで地上かのように駆け抜け
敵兵は天井を駆け抜けた水澤の方にふりかえり銃撃しようとする
天井を駆け抜けた水澤は宙返りし床に着地すると同時に敵兵士の方へと突っ込み、ふりかえった敵兵士に片手平突きの一撃を加え、敵兵を串刺しにしたまま
そう言えば、伊藤が言ってたな、狭い場所で密集するのは自殺行為だと
『お前ら狭い場所でダマになるなと習わなかったのか?』と言って
突き刺した刀を引き抜くと同時に回転し敵兵士全員を腹部を中心に、真っ二つに斬り倒し
再び中央部分へと向かって走って行く
その途中に
ブーッブーッブーッ!とブザー音が鳴り
通路の途中に設置してある赤いパイロットランプが回転し始める
ヤバい!と水澤が思ったとたんに自分が思っている以上のスピードが出て足が勝手に動き吹き抜ける風のように通路を駆け抜けて行く
水澤の視界に吹き抜け状になっている場所が見えてくる
ぐるりと円形の通路の途中に上と下に向かう階段があり
水澤は円形に張り巡らされた手すりのある場所から下を覗く
円錐形のミサイルの上部が見え
その更に下から白煙が上がっているのが見える
水澤は手すりを飛び越え下に向かってダイブする
ミサイルの上部から中部に差しかかった瞬間にAKRを発射し
ミサイル中部に着弾しドカァァァァン!!と大きな音を立て爆発し
ミサイルの上部は左に傾き円形の通路に衝突し
中部から下は、その逆方向に倒れ、推進ロケットの噴射に押され壁が崩壊して行く
水澤は自身が放ったAKRの着弾の爆風に飛ばされ、ミサイル中部より下の方のミサイル下部が倒れた反対側の円筒の通路の手すりを掴みぶら下がっていた。
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その頃、キムウンジョンを護送していた榊達はキムウンジョンを縛り特殊装甲車の床に転がして、タバコを吸いながらキムウンジョンを黙って見ていた。
突然、キムウンジョンは笑い出し
思いしるがいいチョッパリ共、あの核ミサイルは不発を防ぐ為に時限式になっている
つまり、発射を阻止したところで無駄だと言うことだ。
そう言ってキムウンジョン高笑いする
『時限式だと?』そう言って榊は胸騒ぎを感じ15本隊に連絡を取る
そして、核ミサイルの時限式の有無を確かめた榊は
『このブタ野郎!早く時限爆弾のスイッチをよこしやがれ!!』
お前達が押した、お前達が壊したと言って
フッハハハハハハハ!とキムウンジョンは高笑いする
キムウンジョンを捕縛した時にもキムウンジョンは同じことを言っていた。
車列を止める為に先頭車両を止め玉突き事故が起きた際、キムウンジョンの乗っていた車両が横転した際に
核ミサイルの発射スイッチが入り、横転し転がりあちこちにぶつかりスイッチごと壊れてしまっていたのだ
水澤さん!絶対に生きて帰って来てくれ!と榊達は心の中で言い
『この糞ブタ野郎!もしも水澤さんが死ぬようなことがあったら、てめぇも生きてられると思うんじゃねぇぞ!ぜってぇ殺してやるからな!』
運転している森村はそう言ってアクセルを踏み込み最高速度で15本隊へと急ぐ
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15中隊の戦闘部隊の使っている通信機は互いの距離が10㎞以上離れると通信出来なくなる。
西野副長は緊急を要する事態と判断し15通信隊に連絡をとるが、通信隊も水澤と連絡がとれず
敵ミサイル基地からの水澤の識別信号だけしか確認出来ず
水澤が敵のミサイル基地から脱出してくれることを祈るしかできなかった。
赤坂安莉は自身の通信機のレシーバを握りしめ「水澤さん!水澤さん!応答して!水澤!!」と悲鳴にも似た悲痛な叫び声で発信を繰り返す
だが、水澤からの応答はなかった。
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その頃、水澤は自身が放ったAKRの着弾の爆風に飛ばされ手すりを乗り越え通路の壁に激突し水澤の通信機は爆風で飛ばされた時、壁に激突した際に壊れてしまっていた
水澤自身は奇跡的に負傷ず通路から上を見上げ
もしもの場合に備えて天井を塞がなければと思い
AKRを上に向け構え
残弾2発を天井を塞ぐ為に発射しミサイルサイロの出口のやや下あたりに着弾爆発し
瓦礫が散らばり降り注ぎ
壁が崩壊し
あたりが真っ暗になる。
発射の警告音もパイロットランプも止まり
傾いていたミサイルの推進ブースターがミサイルを押し上げようとパワーが上がるが、傾いたままのミサイルを打ち上げられずに圧力だけがかかり
下の方で大きな爆発が起き爆風が上へ突き抜けて行き
その爆風は塞いだ天井に達して跳ね返り下に向かって振動するように圧力がかかって円形の通路を上から順番に破壊しながら
水澤の方へと向かって圧力と振動と瓦礫が降り注ぐ
水澤はその圧力からなんとか逃れ身体を転がし横の通路に入り
『まさか、北の糞ミサイルと心中するはめになるとはな...』
そう独り言を言って
水澤の脳裏に、安莉やまりあ、ナユン、サヤ、ツユ達
榊達の顔が浮かぶ
『このまま、死ぬわけにゃいかねぇんだよ...。』
水澤は壁にもたれかかりながら立ち上がり、どこかに出口はないか探す
胸元からペンライトを取り出し辺りを照らすと
少しだが穴が空いているのか光りが漏れている場所を見つけて
刀の鞘でその部分を力強く叩き壊して行く
なんとか人が通れるぐらいの穴が空き水澤はそこから這い出し
なんとか地上に戻ると
パタパタパタパタとタイミングよくナイトホークのローター音が聞こえる
補給を終え、15中隊から水澤捜索の要請を受けていたナイトホークは再びミサイル基地上空に戻って来ていた。
水澤はペンライトを投げ捨てて、大きく手を振り自分の居場所をおしえる
水澤の姿を確認し、ナイトホークはホバリングしながら地上に降りて来る
水澤は走ってナイトホークに乗り込み
自分が出て来た穴を塞ぐように言い
ナイトホークからミサイルが発射され穴が潰れ完全に埋まったことを確認し
水澤を乗せ15中隊本隊へと向かって飛んで行く
水澤の帰還に15中隊は歓喜の渦に包まれ
榊達は水澤を胴上げして喜ぶ
キムウンジョンの核ミサイルは時限式ではあったが水澤の放ったAKRで二分されたショックで時限式の歯車が欠損し爆発することなく地下に埋まったままになった。
水澤達のキムウンジョン捕縛と水澤ミサイル阻止が北韓軍の抵抗力を弱め
先に捕縛されていた義兄のキムチョルジョンがキムウンジョンに代わり
日韓との戦争の無条件降伏文書に調印し
日本を巻き込んだ第二次朝鮮戦争は終結し
水澤らは希望の春を迎える
安莉との約束を守り、まりあ、ナユン、サヤ、ツユ、榊達と大邱に咲き誇る桜を眺めながら花見をし
皆と酒を酌み交わしている最中に水澤の体に激痛が走り倒れた。
そして..目を開くとミサイルサイロの中に居た。
ブースター爆発の時に起きた爆風と共に散らばった破片が水澤が身体に突き刺さり
水澤は爆風に飛ばされ横の通路の壁に激突し気を失っていただけだった。
ブースターの爆発で火災が生じてミサイルサイロが真っ赤に燃えているのが薄れ行く意識の中で揺らめく
意識を繋ごうとタバコに火を付けて口元に運ぶ。。。
〝別に怖いとか寂しいとか感じない。そうか..やっぱり俺は死にたかったんだな〟
水澤の脳裏に産まれた時のことや胸の奥底に閉じ込めていた暗い過去
そして安莉達との出逢いや詩音や榊達、そしてナユン、サヤ、ツユ達との日々が映画を観ているように浮かんで流れて逝く。。。
〝俺は失うのが怖かった〟なのに失う怖さ寂しさを...遺してしまって...
...安莉ちゃん、まりあちゃん、ナユン、ツユ、サヤ、榊、川中、黒木、森村、沢田、三上...みんな...ごめんな。。。
杉本、今すぐ行くから待ってろ....。
水澤の口元からタバコが落ちて水澤の血でジュッと音をたて〝火が消える〟
そして目もくらむような閃光と高温の熱が発生し
水澤の身体が閃光と共に熔けて消えてゆく。
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Dシステムに今までにない高エネルギーの反応が現れ
その反応に『嘘でしょ...』と桜井満里奈が呟くように言うのと同時に
「シグナルロスト」の文字が安莉の通信機の画面に映し出される。
安莉は泣きながら「水澤さん水澤さん水澤さん!応答して..お願いだから...。」
「敵、ミサイル基地地下にて高エネルギーの発生を確認、核の爆発と推測..推測....され...ます。。。」
桜井は涙声で15本隊へと報告する。
「水澤少尉は?」と梶原隊長が聞く
「敵の...ミサ..イル基地の....地下にて...シグナル...ロストです。」
「.....間違いないのか?」
「......。」
「しっかり返答せよ!本当に敵ミサイル基地でシグナルロストしたのか!」
黙ったまま泣いている安莉に代わり
「間違いありません。」と奈月が答えるが、奈月の声も涙声になっている。
その報告に梶原隊長は西野副長の方を見て首を横にふり椅子に倒れ込むように座る
『隊長殿。。。』西野副長はそれ以上言葉にならず
梶原隊長と同じように椅子に座りうつむく
「こちら佐脇、敵の掃討を完了!これより帰投する。」と佐脇和馬隊長補佐からの無線
「...佐脇か、掃討ご苦労..すぐに帰還せよ。」
梶原隊長の声が、いつもと違っていることに気づき「梶さん?何かあったのか?」と聞く
「帰還しだい皆に話す。以上だ。」
佐脇隊、藤井隊、伊藤隊ら15の各隊と、キムウンジョンを護送して来た榊達が15中隊の戦闘指揮所に集合する。
戦闘指揮所にキムウンジョンを担いだ榊が入り
『隊長殿、糞ブタ野郎の捕縛を完了しました!』
そう言って物を投げ捨てるようにキムウンジョンを投げ
ドスンとキムウンジョンは戦闘指揮所の床に落ちる
『榊准尉、ご苦労。』と目を真っ赤にした梶原隊長が答える
『水澤さんは?』と榊は梶原隊長に聞くと、西野副長が『そのことについては、のちほど隊長よりお話がある。』と答えて榊と共に
戦闘指揮所の外に出て
整列させたあと部隊員に後方部隊と合流することを命令し
各隊員は装備をまとめ、それぞれの装甲車へ乗り込む
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GPSと連携している自身の居場所をシグナル出すマイクロチップは兵士の体内に埋め込まれていて心臓が止まったらシグナルロストを発信するように出来ている
要するにシグナルロストは戦死を意味する
森下まりあもシグナルロストの表示を見た時から、ずっと泣き続けている
誰ひとりとして言葉を発しない時間が続き
聞きなれた15中隊の装甲車のエンジン音が聞こえて来る
『...総員、整列し戦闘部隊を出迎えよ。』と通信主任の小山が命令を出す
安莉とまりあは奈月に付き添われ整列しに向かう
そして梶原隊長から水澤の戦死が伝えられる。
榊は激昂しキムウンジョンを刺し殺そうとして飛び出しキムウンジョンの胸元にナイフを突きつける。
それを梶原隊長は制止して榊を諭し止めさせる。
水澤の戦死という事実は、その日の内に派遣軍、祖国統一義勇軍に広まり
派遣軍も祖国統一義勇軍も残敵掃討という形で水澤の仇討ちを始める。
キムウンジョンを抑えられ、ピョンヤンを失陥している北韓軍の抵抗は弱く白頭山の戦いを経て
キムウンジョンに代わり義兄のキムチョルジョンが降伏勧告に応じ
北韓は無条件降伏をし、戦争は終結。
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水澤の戦死という哀しみが癒えぬまま、ナユン、サヤ、ツユ達は水澤の終焉の地に慰霊碑を立て
その地に安莉、まりあ、榊達が訪れ桜の苗を植樹し
『この桜が見事に咲き誇る時、水澤さん、一緒にお花見しようね。』と安莉は言い
皆で慰霊碑を囲むように座り
もう二度と、こんな哀しいことが世界中のどこであっても起きないようにと願い。
日本、韓国、台湾、産まれは違っても同じ人間
水澤の理想と理念の象徴のような、サヤ、ナユン、ツユの存在と安莉、まりあ、榊、川中、黒木、森村、沢田、三上、同じ時代を生きる同じ人間として
あの悲劇を繰り返さない為に語り継ぎ、〝未来へ紡ぐ〟ことを互いに約束し
水澤が命を懸けて、渡してくれた、それぞれの未来へと向かって歩き出す。
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anri_daily
いつだったかしら、稲葉軍医が言ってたこと
水澤さんは戦う為だけに産まれて来たような人で時代が必要とした英雄
一時代を築いた英雄は最期には悲惨な末路をたどると言ってた。
源義経にしても、織田信長にしても、坂本龍馬にしても
彼らは一時代を築き、その仕事を終えたら、新しい世の中を見ることなく消えて逝く
水澤さんも同じようになるかも知れないと
だけど、私はそんな風に思いたくない
そんなの哀しすぎる。
確かに水澤さんは戦争という時代に産まれ、そして戦い
核ミサイルの発射を阻止し核と共に消えて逝ったけど
それだけが水澤さんの人生だったと思いたくないし
水澤さんは今でも私やまりあちゃん達の中で今も生きてる。
私達は決して忘れないし、忘れてはいけないと思う。
水澤さんが教えてくれたこと、水澤さんが遺してくれたモノを大切に大事にして
これからの人生を歩んで行きたい。
いつか再び水澤さんに逢える日まで。。。
最終話 この汚れた世界に愛を注いで。【B】Ending
ーーおわりーー
THE LAST STORY>RELOAD<特別編 15中隊最期の戦い へと
ーーつづくーー
いいね、ブクマ、感想、評価等
お待ちしております。
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このあと特別編を更新し
両エンディングと特別編共通エピローグを更新いたします。