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第18話 Turning the tables
作戦地域にて、影平大佐は水澤を自らの夜営に招き明日の作戦について尋ねていた。
水澤は『敵は小規模な夜襲を幾度か仕掛けて、こちらを寝かせないように妨害して来ると思います
ですが、ナイトホークの熱源探知ショートミサイルで敵を足止めさせ
兵員は交代で仮眠を取らせ一夜を過ごし翌早朝に総攻撃をかければ
敵を追い落とし俺達は勝利することが出来ると思います。』
影平大佐は水澤の案に同意しナイトホークの警戒監視を要請し
水澤の予想通りに小規模な夜襲をかけようとする敵を夜営地に近づけずに撃破し
翌早朝、影平、森岡大隊を主力とする作戦軍は総攻撃の態勢を整え
その先陣を水澤の率いる黒装部隊が務めることになる
前日のブロークンアローで、そこかしこに爆発で出来たクレーターに身を潜め
総攻撃の時を待つ
桜井満里奈のDシスが敵の出す微弱な電波をキャッチ
「敵に動きあり!」と水澤の率いる黒装部隊の専属通信員の赤坂安莉が水澤に伝える
水澤は『総員着剣!』と号令を出し
各隊員が銃に着剣する
「ブラックホーク、レッドホークは?」
「20分程前に離陸し作戦地域へ向かって居ます!」
「そうか、了解した。」
攻撃ヘリの離陸を少し遅らせたのは、こちらの作戦意図を悟らせない為だった
先にヘリが攻撃を始めたら敵は身を隠し掃討する為に時間を費やさなければならなくなる
攻撃ヘリより先に突撃し攻撃ヘリが上空に到着したらヘリのドアガンとミサイルで敵を叩き混乱させる狙いがある
20分前に離陸したなら、あと10分ほどでこちらに到着すると思い
水澤はゆっくりと右手を上げ勢い良く振り下ろす
その合図と共に水澤を含め黒装部隊が突撃を開始
得意の高機動戦闘を駆使して敵を薙ぎ倒し進んで行く
『金獅子に負けるな!我らも行くぞ!』と梶原隊長が号令し15本隊も敵中へ向かって突撃を開始
これに呼応するように各部隊も突撃
榊らは敵を撃ちながら進み、水澤は抜刀し一直線に切り結び敵を斬り倒し道を開けて行く
パタパタパタパタパタパタとヘリのローター音が聞こえて
ビューッと空を切り裂く音と共にミサイルが敵陣へと次々と着弾し敵兵は四散しながら血を撒き散らし宙に舞う
ヘリの到着に『総員扇状展開し待機!』と水澤は号令し
黒装部隊は、いったん足を止め扇状展開し防御線を張る
タンタンタンタンッとヘリのドアガンの発砲音と共にバタバタと敵兵が倒れて行く
中央山脈にドカンドカンドカンドカン!!と集中砲撃が開始され
中央山脈の中腹あたりに連続して着弾し続ける
155ミリカノン砲に代わり、射程の長い22式が前日のブロークンアローを聞き駆けつけていた。
22式の大口径から発射される砲弾は着弾した山体を崩壊させる程の威力を発揮し
敵軍な中央からの攻撃は完全に沈黙し左右からの攻撃のみしか出来ない状況に陥る
地上の掃射を終えた攻撃ヘリが引き返して行く
扇状展開していた水澤達は再び突撃を再開し残敵の掃討を開始
22式の砲撃が左右に振り分けられ敵は退くことが困難になり
眼前に向かってくる派遣軍との戦いに臨む
山体が崩壊する程の砲撃を受けた北韓軍は前面に兵力を送る道を断たれ
裏から回り道をしてしか部隊を送れない状態になり
ユシン、ソンミン、ヤンジヌらは作戦地域の放棄を決定し作戦地域に残った味方を放置し撤退を開始する
その動きを捉えた警戒監視中のナイトホークから大邱航空部隊に再出撃要請が通達され
神州ステルス攻撃戦闘機が最大速度で戦地上空に達し
撤退して行くユシン、ソンミン、ヤンジヌ隊に機銃掃討を幾度も繰り返し短SAMミサイルを撃ち込みユシン、ソンミン、ヤンジヌ隊に壊滅的な打撃を与えた。
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指揮官が逃走し統率を欠いた北韓軍は銃を捨て投降し
作戦期間2日で派遣軍の圧倒的な勝利に終わり
岡村田の企みを粉砕した。
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『閣下!!我が軍が敵を打ち破り勝利しました!!』
『勝ったのか?』
『我が軍の圧倒的勝利です!!』
『そうか、勝ってくれたんだな。』
『やりましたね、山口参謀総長閣下!!』
『作戦に勝利したということは岡村田の作戦が..いや、作戦の主導は参謀部だったな。』
『岡村田は自ら墓穴を掘ったということになります閣下。』
『愉快な話だ。』
参謀部は作戦の勝利に沸き立ち
一方、作戦の勝利の報告を聞いた岡村田はバン!と机を叩き苦虫を噛み潰したような表情で悔しがったという。
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作戦に勝利した半島派遣軍の活躍を、ナユン、ツユ、サヤ達は我がことのように喜び
次は自分たちの番だとカン大尉に言い
カン大尉は頷き
派遣軍のがもたらした勝利は形勢を逆転させ
派遣軍にとっても、祖国統一義勇軍にとっても追い風となる勝利だった。
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作戦地域では敵兵士の亡骸を集め手厚く葬り
そしてその塚の上に半島統一旗が翻っていた。
作戦地域から引き上げるヘリのローターの風にひらひらと揺れる半島統一旗を見ながら
水澤達は作戦地域を離れ帰路へ着く。
派遣軍が引き上げたあと、自分たちが置き去りにした兵士を探しソンミンは作戦地域に戻っていた。
ソンミンは台形の塚の上の統一旗を見て
こう言ったという『日の丸ではなく半島統一とはな。我々は、今だかつてない強敵と戦っているのかもしれんな。』
ソンミンは無線を開き北韓軍全軍に「今次作戦に黒装部隊がいた。この部隊を侮れば我々が潰されることになるだろう。」と戒めの言葉を全軍に出した。
それはソンミンの胸の中の本音が漏れ出た瞬間でもあった。
その無線を傍受した15通信隊は水澤に内容を伝えた。
水澤は『侮り惰気を見せてくれた方が楽で良いんだがなぁ...むやみやたらに構えられたら面倒くせぇだけだ。』と言い
わざとこちらが傍受できる様に旧式の無線を使いやがってと水澤は思っていた。
このソンミンの発信は祖国統一義勇軍も傍受しており
オッパ達はソンミンも、ユシンも、ヤンジヌも、そしてキムウンジョンも必ず倒してくれる!
そう言いナユンらは喜んだという。
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ーーつづくーー
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