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THE LAST STORY>Youji_Itou Story<


THE LAST STORY>Youji_Itou Story<


兵隊は所詮は消耗品とはいえ、そう簡単に消耗という名の戦死を僕は、するわけにはいかない。


自分は大宰府の訓練所で血の滲む努力をしてトップの成績を残したんですから。


卒業間近に脊振山の戦いに送られ、僕を含め訓練兵達は実戦の本当の意味を知ることになった。



絶対に生き延びてみせる。



ここで死んだら志願した意味も、なんの罪もない(ゆき)を殺したこの戦争を...終わらせるまで僕は、まだ死ねない。



>>>>>>>>



あの日、いつも僕のそばで笑顔を絶やさずにいた幸は僕と共に逃げる途中で北韓軍か日本軍かどっちが発砲したかわからない流れ弾を全身に浴び、血を噴き出しながら僕に腕の中に倒れ込んだ。




僕は、幸の身体から血と内臓が飛び出したのを見て呆然とし銃弾の飛び交う中で幸の名を何度となく呼んだ


だけど返事が返ってくることはなかった。

だんだんと熱がなくなり動かなくなった幸を僕は抱え


必死で飛び込んだ地下街で武器を持たない大勢の人たちが怯えた表情で震えていた。


地上では北韓軍と日本軍との市街戦が続き地下街以外、安全な場所はなかった。



魂ひとつ分だけ軽くなった幸を抱きしめたまま僕は心の中に今まで感じたことのない感情が渦巻いているのを感じた。



地上で炸裂した砲弾か何かの爆発で地下街の天井から小さな小石や大きな天井のコンクリートが落下してくる。


だけど僕は不思議なことに怖さも感じずに幸を庇うように抱きしめた。


天井の崩れる様は、ただ普通に生きて、ささやかな幸せを送って来た日々が壊れて行くように見えた。



悲鳴を上げ気を失う人、正常な判断を失った人々が地下街の崩壊を逃れようと銃砲弾の飛び交う地上へ飛び出して行く。


生き延びるために逃げ出し次々と命を落として行く。


幸を失った哀しみ、北韓軍への怒り、それだけでは無く民間人さえ守れない国家や軍への怒り



僕はその怒りとい衝動に動かされ志願した。


(かたき)を討ちたいとか、憎いからとかじゃなく


ただただ、自分と同じような目に合う人々を守りたかった。



九州での戦いの最中(さなか)、僕は金髪に黒服を(まと)った人物に出逢った。



そして、その彼とその仲間達と共に僕は今、韓半島に居る。




黒き疾風、金糸髪の迅雷、15の金獅子と呼ばれる9彼の熱意と理想は僕の理想でもある。



いつの日か〝光り輝く未来〟を人々の手に渡す為に




僕は戦う道を選んだ。


挿絵(By みてみん)


ーーおわりーー




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