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THE LAST STORY> Taiju_Sawada Story<

挿絵(By みてみん)



202X年...



数日前、必死に掘り作り上げた小さな陣地。


装備に統一性のない俺達訓練兵が、注意深く陣地の外を見張っている。


俺も、その一人だ。


隣にいる奴も、少し離れた位置にいる奴もその一員だ。


俺らの見張っている即席の塹壕には前の戦闘で穴だらけになった仲間の亡骸が放置されたまま

砲撃の痕跡だらけの陣地を守っているが、その陣地を守っている兵士のほとんどは訓練を終えた兵士ではない。


ほんの2ヶ月前、俺らはまだ訓練所の学生だった。

全ての訓練を終える前に最前線に連れて来られ

ここ脊振山に陣地構築をさせられ

俺らの指揮官は、訓練所で教官だった人だ。


山頂陣地の指揮官は参謀部の秘書官らしいが名前も顔も知らねぇ



>>>>>>



韓半島で戦争が始まり、当時はまだ自衛隊だった俺達の国を守る部隊は釜山で壊滅的な打撃を受け敗退


その後、北韓軍によって街はミサイル攻撃や爆撃に遭い、名古屋に核兵器が使われ


そして突如侵攻してきた北韓軍、それに対抗する為に日本本土で戦い

その戦闘に巻き込まれて逃げ惑ううちに、俺は銃を手にしていた。


俺は躊躇なく銃爪を引き北韓軍を殺した。


人を手にかけることに戸惑いはなかった

何故なら俺はすでに人を手にかけていた過去がある。


ちょいと絡まれただけだったが俺は自分がプロボクサーだと言うことを酔った勢いで忘れて

目の前の奴をボコボコに殴り倒し野郎は俺の拳の勢いに吹っ飛ばされ壁に激突し打ち所が悪かったのか二度と立ち上がることはなかった。

そうして俺はボクサーの資格を失い、懲役は免れたものの執行猶予と保護観察付きでシャバに出た。


だから人を殺すことに戸惑いも躊躇もなかった

俺は自業自得とはいえ自分で自分の夢も未来も失くした。



>>>>>>>



いきなり侵攻して来た北韓軍と日本との間で発生した戦闘に巻き込まれた俺は、生き残るため、もしくは死ぬ気で銃を手にした。


隣にいた見知らぬ誰かが頭から血を流し口から血を吐き出しながら壁にもたれ息を引き取った。


だからと言って怖かったわけじゃねぇ。


自分の死に価値があるのか?ねぇのか?を確かめたかっただけだ。


>>>>>>


国は志願を募り数は多くはないが志願者が現れ俺も志願し戦うことを選んだ。









新たに現れた敵との戦闘が始まった。




最初の攻撃で、俺らの陣地に爆発があった。




ちょうど奥の方に移動していた俺は無傷だった。




身体を起こして周りを見渡すと多くが傷を負っていた。


無事な何人かが必死に抵抗を始めたが、もはや抵抗にならなかった。




俺は必死に銃爪を引いたフルオートにしていた為にすぐに弾がなくなった。



俺は銃を棄て銃火の飛び交うなか、自分がの拳で敵を殴り倒し敵から銃を奪い戦った



だが、その銃弾も尽き



敵の銃口が、俺に向けられる。




バン!!




ドサッと敵兵が倒れる





俺は銃声の鳴った方を見る





訓練所で、俺達の教官を務めていた



菅野康貴(かんのこうき)教官がいた。



教官は負傷した訓練兵を背負い


そして俺もまた負傷した仲間を背負って



脊振山陣地から脱出した。










それから数ヵ月の月日が流れ


俺を含め生き残った訓練兵士は正規の軍人となり


幾多の苦難を乗り越え。


15金獅子、黒き疾風、金糸髪の迅雷と呼ばれる男と共に。


俺は今、韓半島に居る。





ーーおわりーー




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