THE LAST STORY>Four-leaf clover<
THE LAST STORY>Four-leaf clover<
The beginning of the end
この肥溜めのような月日に魘されて五年...人が腐るには充分過ぎる時間だ
だが、奴のおかげで全てが変わった
奴が誰かって?そんなモン決まってんだろ
キム・ウンジョンとか言う北のお偉いさんさ
ソイツが何を思ったか戦争なんざ始めやがった
そのせいで役立たずの俺は、アナタさえ守る力すら持ち合わせてなく
せっかく...形は何であれ "言葉を交わせた "のに
やっと...逢えたのに...
今の俺は、アナタを守ることすら出来ずに
無様に地面に倒れてる...
始まりには必ず終わりがある
人の命も同じように...
普通に生きてても苦しかった
誰に理解されるわけでもなく
まるで腫れ物扱い
同じ人なのに...だけど『同じじゃない』そう言われているような気がした。
だけどアナタだけは、俺を同じ人として見てくれた
隔てる距離があろうとも同じ人として扱ってくれた
そんな優しい人さえ俺は...
その時、酷く汚れた音がした
その音は、たぶん俺の骨の折れる音
薄れゆく意識の中で...アナタは酷く怯えた顔で泣きながら俺を見ていた...
2 months ago ̄瓦礫の街_
頭上を駆けるモノレールが特徴的な街にアナタは住んでて某テレビ局ニュースキャスター
そんなアナタと幾つか交わした紙飛行機は俺の宝物であり
アナタという人からいただいた "俺の存在証明書"
アナタは、いつも明るく優しい笑みで存在してくれてた
その人の名は赤坂安莉さん
彼女はとても頑張り屋で自身の役割を、その職責を全うしようと頑張り続けてる
そんな彼女の頑張りは他人には計り知れるモノではないと思う
だからってわけじゃないけど俺もまた頑張らなければとさえ思わずにはいられない程に勇気を与えてくれていた
そんな強く優しい彼女は自身を応援している多数の中の "ひとり" に過ぎない俺に
優しい言葉を幾度となく紙飛行機に乗せて伝えてくれた
その紙飛行機の翼を奴は引き裂き奪い去ったのは
あの祭典が終えて間もなくだった
運命とは残酷だ
楽しみも生き甲斐も簡単に奪う
" 俺は失うのが怖かった.."
ある人にとってはその他大勢の1人かも知れない
だけど、俺には大勢の中から見つけた...大切に思える存在だった
The beginning of the end...
赤坂安莉さんは、その翼が焼き堕ちるまで、ギリギリまで想いの羽を広げ続けてくれた唯一無二の人
そんな人を守ってやれない自身の弱さが..逆にアナタを傷つけてしまう
景色が歪み..音がなくなる..感触が消え..やがては...温もりさえ消えるのだろう....
ガウン!
銃声が鳴って、そして誰かが争う音と声がしたような気がした...
俺の瞳には何も映らない.耳さえ聞こえてない...
だけれど何故だろう...『どうか神様...彼に慈悲を..』聞き覚えのある綺麗な優しい声が聞こえた気がした。
The beginning of the end...
次話 Metamorphosis へ
ーつづくー