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異世界の悪役令嬢に転生した俺は日本に戻って…  作者: はぴぴ
2章 悪役令嬢は日本へ
20/21

20 結婚生活

 結婚式のあと、やってきた三人はそれぞれは仕事に就いた。妊娠したばかりでまだ何も変化はないし、つわりなどの諸症状はお守りの指輪の魔法で抑えられるし。重労働でなければ仕事くらいできるのだ。

 コレミナたちは俺と同じ、日本の旅館勤務を希望した。だが、日本勤務は髪色がファンタジーな人は禁止なのだ。地球には赤や黄色の髪色は存在しない。そう言っても、コレミナたちはなぜ禁止なのか分からない。髪が赤いから○○という会話はできないのだ。そういうふうに仕組まれている。ちなみに逆は可能。炎属性だから髪が赤いというのは理解できるらしい。逆は一般的には常に成り立つわけではないとはいえ、この世界では基本的に成り立っているにもかかわらず、髪が赤いから炎属性とか、日本で怪しまれるとか、そういう論理を組み立てることはできない。

 顔を同じにしても異世界人であることがバレる要素を持っているということを三人に説明して、なんとか納得してもらった。


 それで、ヒスターニアに留まってコレミナとエリスが就いたのはポーション作成の仕事。ポーション作成には炎、雷、土、水、風の属性を持つ人材が必要。全部一人で持っている必要はなく、一つでもあればよい。なので、炎属性の強いコレミナと雷属性の強いエリスはポーション作成で活躍できることだろう。

 一方で、ミスリーは水と土と光の属性を持っているものの、それぞれがそこまで強くないこともあって、ポーション作成には向かない。そこでミスリー就いたのは聖子さんの衣装店。聖子さんが使っていた糸紡ぎの魔法は土魔法らしい。さらに、念動で服を編むこともできる。これらはそこまで大きな魔力はいらないので、ミスリーにぴったりだ。


 聖子さんの衣装店には、日本の秋葉原に支店があるらしい。日本での働き口は岩手の旅館だけだと思っていたのに…。なんで教えてくれなかったのかとあいかさんに聞いたら、旅館が日本と聞いた瞬間に俺が食い入るように質問してしまったので、話す機会を失ってそのまま忘れていたと。聖子さんの衣装店では闇魔法使いは体型のスタイリストとして重宝されるし、闇魔法使いはあまりいないらしい。先に衣装店の秋葉原支店のことを知っていたら絶対にそっちにしたと思う。でも、旅館にしなければ茜とは再会できなかった。だから旅館の存在には感謝だ。とはいえ、旅館の恵子さんには学費の借金があるから、その分だけは働かねば…。



 妊娠初期は、おなかは大きくならないし、つわりで気持ち悪くなるのも妊娠の諸症状でだるくなったりするのも常にお守りの指輪が治してしまうので、あまり妊婦である実感がなかった。

 ちなみに、生理の痛みやだるさも指輪が治してしまう。ヒスターニアに来る前もそれほど酷いわけじゃなかったが。


 そして、時が流れてくると、だいぶおなかが大きくなってきた。とはいえ、Tカップまで膨らましてある胸に遮られて、おなかは直接見えない。触ったり鏡で横から見たりすると、少し分かる程度。そもそも、この身体はボンっキュっボンっなので、ウェストが細すぎてとても妊婦には見えない。しかし、中では双子が育っているのだ。もともと細くて臓器を詰め込むスペースが小さかったところに双子を詰め込むのはかなり苦しい。この苦しさはお守りの指輪では治せないらしい。

 本来なら、胎盤のスペースをストレージで拡張して苦しさを和らげることもできるらしい。五人で異次元に置いた一つの大きな胎盤を共有するということをやっているのだから当然だ。だが、あいかさん曰く、この苦しみは味わった方がいいとのこと。これこそが、おなか痛めて子を産むということだと。



 こうして迎えた出産日。俺たち五人は同じ胎盤を抱えているから、同時に陣痛が起こった。五人で息張って双子を産もうとしている。

 これも本来なら、おなかの中でへその緒を切断して、赤ん坊を瞬間移動で取り出すことができるらしい。でも、産みの苦しみも味わうべきだという。これも、おなかを痛めて子供を産むということだ。


 そういうわけで、俺は男では味わえない痛みに耐えながら、二人の子を産んだ。


 なぜここまでこだわったのか聞いてみたら、楽をして出産した親の中には、母性が薄れてしまった人がいたらしい。まるで、突然現れた子供に接する父親ような。そう言われてみればたしかに、大変な思いをして産んだ子には愛情が湧いた。


 俺たちの子は、五かける四わる二で十人。五人がみんな双子を生んだが、誰がどの子を産んだかは分からないようにしてもらっている。俺たちは五人で十つ子を産んだのだ。

 ところが、俺たちは全員香または茜の顔をしているものの、それは魔法で作った顔である。子供の顔は元から持っていた顔の面影があるのだ。なんとなくだが、自分の血を引いた四人は分かる。

 とくに分かりやすいのは茜の子。茜は一人だけ日本人だから、茜の子は分かりやすい。そもそも、茜の子は髪色が全体的に暗くて、一方で若干の光沢があるのだ。

 異世界人の髪色は遺伝しない。持っている魔法の属性も遺伝しない。髪色は持っている魔法の属性の種類を表している。色の濃さは適性の強さを表している。また、絵の具をべたっと塗ったような色であり、光沢が全くない。

 このことから、光沢のある暗めの色の髪は茜の子であることがわかる。他は、髪色が遺伝しないからいまいち分からない。

 やはり、髪色で子供を区別することはコレミナとエリスとミスリーにはできないようだ。それどころか、今の自分たちの顔に似ている茜の子が可愛く見えているらしい…。俺のことが好きで集まった三人だが、平等に結婚したんだから、そろそろ俺至上主義をやめてほしい。髪飾りを外して、誰が誰だか分からないようにしてしまおうか…。


 まあ、十人の子はみんなの子なのだ。誰が産んだかなどどうでもいいのだ。



 この農園には保育園がある。農園に元から住んでいた人々は全員、なぜか二十年おきに合わせて出産するという習慣があり、その子らは五歳と六歳になって保育園を卒業してしまっていた。そして、俺以外の転生者や召喚者も誰も子供を作っていなかったので、保育園は閉鎖していた。そこに俺たちの子が生まれて保育園は再開した。おかげで、平日は仕事に出ることができる。

 保育園には先生が二人、乳母が二人いる。粉ミルクとかではなくて本物の母乳をもらえるのだ。乳母の一人は、茜にマナを授けてくれた美奈子さんだった。ピンク色の何メートルもの髪の毛が部屋の一部を埋め尽くしている。

 もちろん仕事が終わって子供を連れて帰ってからは自分の母乳を与える。ところが、胸の前に子供を抱くにはTカップの胸は大きすぎる…。いや、魔法で大きくした胸だから魔法を解けばいいのだが…。

 実は、無重力ブラにはもう一つ、着痩せという機能があった。大きな胸をストレージ空間に格納して小さく見せるというものだ。これによって、質量感はTカップのままなのに、Gカップの大きさを持つ胸というのを再現できた。Gカップだと普通はたっぷんたっぷんとしか揺れないが、Tカップのたっっっぷんたっっっぷんという低周波の揺れを楽しむことができるのだ。

 まあ、これで子供を抱いて母乳をあげられる。男の俺が子供に母乳をあげているというのは感慨深い…。



 昼間は仕事に行き、帰ったら家族の待っている幸せな生活。ここに来るまで波瀾万丈だったな。


 交通事故で親を亡くして茜と二人暮らしになった。

 交通事故で自分も死んだ。

 目覚めたら異世界で転生していた。それも女に。

 学園で王子を巡って熾烈な弁当バトルや色仕掛けを…したのはコレミナとエリスであって、自分は料理や服装の指導しただけだったな…。

 冤罪をかけられて、この世界がゲームのような世界だと分かって、辛くて死のうと思ったら、楽園の管理者に拾われた。

 日本旅館で働けることになって行ってみたら、茜と再開した。茜は女になった俺をすんなり受け入れて、まるで俺が男だったなんて忘れてしまったようだった。

 茜と二人で高校に通った。

 コレミナとエリスとミスリーが冤罪で処刑されると聞いて助けにいった。

 コレミナとエリスとミスリーと茜と俺の五人で結婚した。

 十人の子供を授かった。


 日本で茜と二人で暮らしていたときは想像も付かなかったなぁ。 

 十人の子供と四人の妻に囲まれた幸せな生活は続いていく。

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