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さて本番


ふかふかのお布団。

パリッとしっかりアイロンがかかったシーツ。豪華な調度品。

何より大きな大きなベッド。


私、控室で仮眠を取っていたハズだった。私どうしてここに?



眠ってたからチェンジがオフェーリアに戻ってる。


たぶんアトラス殿下の自室だ。


えっ、体を起こすと奥から殿下が出て来た。目が合った。恥ずかし過ぎる。死ぬ、死ねる。目が合わせられない。



「おはようオフェーリア。悪いと思ったんだが、他に部屋も空いて無かったからここへ運ばせて貰った。お腹空いてないか?適当に運ばせてある。」と軽食がいっぱい乗ったワゴンを指した。


あまり食欲は無かったがせっかくなので「サンドイッチとオレンジジュースを下さい。」と殿下に伝え取ってもらった。


お行儀悪いと思ったが、ベッドで食べた。

あまりジロジロ見ないで頂きたい。一応乙女なので。



食べ終わると「学校へ行きます。申し訳ありませんが送ってもらえますか?」と殿下に頼んだ。


「わかった、私も一緒に行こう。」

・・・えっ、いや辞めて。


「いえ、目立ってしまいます。私は近くで降ろして下さい。まだ婚約者もいないので、両親を悩ませる様な噂は困るんです。」と殿下の目を見てハッキリ言った。


「わかった。其方の言う通りにしよう。」

・・・ホッ。


アトラス殿下は2台馬車を用意してくれた。私が乗るのは街で良く乗られる辻馬車だ。殿下とコースを変え、違う場所で降りた。


急いで登校し教室へ入った。良かった間に合った。続けて殿下も入って来てた。


怒涛の学校が終わり殿下と急いで王宮へ向かう。


厨房で別れ、控室に入り着替える。厨房に出てシェフ達に「今日は宜しくお願いします。」と挨拶した。


真紀ちゃん、出番よ。


(へいへい、了解!)


チェンジ!!


真紀ちゃんモードだ!



さぁ、真紀子の闘いが始まる。血湧き肉躍る。


すでに晩餐会はスタートだ。


まず前菜を仕上げていく。既にスタッフが皿の用意と3品を乗せていたのでカラフルにセンス良く見て楽しくなる様に仕上げる。


今回のゲストも若い。楽しくやろう。



チーズの代わりに生ハムと桃とチーズサブレで。


この桃はゲストのエンデ国産の物を使用。

この辺りからゲストの食欲のエンジンをかけてもらう。



さぁさぁ次々行くよ!



魚のソースは果物を使った。単純に考えても魚にあまり果物のソースは合わせない。

そこをやるのがミソ。



肉は男どものメインだ!

当初は温かい肉、冷たい肉と考えていた。


それを今日のゲストの話を聞いて変えた。


部位を替えて楽しんで貰う。脂のところ、それとガッチリ食べた気がする赤身。


実はソースを2種類用意してあり単品でも美味しい、2種類混ぜるともっと美味しい。というソースだ。


片方のソースはゲストの国の特産のオレンジをベースに入れた。もう片方のソースはこの国特産の赤ワインをベースに作った。


【双方力を合わせて国民により良い生活を。未来永劫仲良く。】と意味を込めた。


付け合わせも飛び切り愉快に。

動物を可愛くかたどったポテトフライとたっぷりのお湯で米をさっと湯がした物を入れた野菜サラダを添えて。


仕上げにアーモンドスライスをローストして散らした。


カットフルーツは3種類を少しずつ。


デザートのプチケーキの出来が良いので中央に盛り、サイドにアイスとババロアを付け真っ赤なベリーのソースをかけたあと、

飴がけの鳥の巣をその上に被せ、スプーンで飴がけを割るとケーキやババロアが食べられる。と言うようにした。


デザート前のフルーツの時にコーヒーと紅茶を選んでもらい、デザートに入ってもらった。



後片付けを下働きに任せ、控室で上着を新品に変える。鏡で顔と髪型をチェックしてたら、アトラス王子から声がかかった。


(オフェーリア、チェンジだ)


「凄かったねご苦労様」


(あぁ、ちょっと休むよ。見てたよな?あとは頼む。)


うん、意識が切り換わりオフェーリアになった。アトラス殿下の後を着いて晩餐会の会場へ行く。



入室するとアトラス殿下に紹介された。



「今回の晩餐はこのオフェーリア嬢に作ってもらった物だ。」



「初めまして、オフェーリア=クローディと申します。」とカーテシーをした。


「本日は僭越ながらお料理を担当させていただきました。お気に召しましたでしょうか?」と周囲を見回し声をかけた。


1番奥の席に座っていた同じ歳ぐらいの男性から声をかけられた。


「私はアトラス王子と幼い頃から付き合いのある、エンデ国のマイケルと言います。本日の食事はとても気に入りました。特に我が国特産の桃を使った前菜は新鮮でした。


何よりシェフが私たちの事をもてなそうとする心意気を感じました。ありがとうございます。」

とお礼を言われた。



嬉しいがあまり顔には出さないでおこう。


「目に余る光栄です。喜んで頂けシェフ冥利に尽きます。」


「特にお伝えしたかったのは、メインの肉料理です。


手土産で戴いたオレンジをソースとして使いました。もう一種のソースは我が国特産の赤ワインをベースに作りました。単品でかけても美味しいのですが2種類のソースを合わせると更に美味しくなる。という形のソースにさせていただきました。」


「貴国と我が国の民が手と手を取り合って未来永劫栄えて行く。と言う意味を込めております。」


と話した途端、その場に居た全員から拍手を受けた。


「明日まで滞在されるとお聞きしています。どうかごゆっくりお過ごしください。本日はお目通り頂きありがとうございました。」と一礼し部屋を後にした。



廊下を歩いていると、殿下の側近の方が走ってこられ、「お疲れ様でした。とても良かったです。もう遅いので寮までお送りする様にとの仰せです。」と言われたのでお言葉に甘える。


寮に帰ったら風呂もそこそこにベッドに入ると(あんたもお疲れ様やったな)と真紀ちゃんの声を聞きながら眠りに落ちた。




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