試験
なんだかんだで、とうとう中間考査の時期だ。
あれからアトラス殿下とは良い距離感の#友人__・__#だ。
あの事がきっかけで今の友人が出来たので、ちょっとだけ、ほんのちょっとだけ感謝している。絶対本人に言わないけど。
今日も放課後集まって勉強会をしていた。
私を入れて4人だ。シイナ嬢、エマ嬢、セリカ嬢だ。大体この4人で行動する事が増えた。みんなすごく良い子だ。優しい。
真紀ちゃんに(やっと春が来たじゃん。ボッチ卒業おめでとう)と訳がわからないお祝いされた。
そうそう皆んなに伝えたい事があったんだった。
「ねぇ皆んな。試験終わったらちょっと王宮まで行きませんか?」と声をかけた。
「えっ?どうして?」とエマ嬢が聞いて来た。
「実は以前お兄様に、友人を紹介したいと話していたのです。」と話すとセリカ嬢が
「オフェーリア様、覚えててくれたんですね。ありがとうございます。」
とお礼を言われた。
「それで昨日お兄様から連絡が来たのですが、王宮の図書館がこの度リニューアルされる事になったらしくて、そのこけら落としに皆さんいかがですか?とご招待を受けたのです。」
と皆んなを見ながら話すと3人の頬が薔薇色になった。
(かわゆいな。私にもかつてそんな時が。。)
んもう、真紀ちゃんおばちゃんみたいよ。
ゴホンと咳払いし「それでお兄様に皆様のご都合を聞いてとお願いされているのです。」
3人とも口を揃えて「ぜひお願いします。」と元気の良いお返事頂きました。
ふと、「皆さん当日差し入れをしてみませんか?」と提案してみた。
「良いですね。」という人、「作るのが苦手で。」という人とまちまちでした。
「内容は私に任せて貰えますか?
なるべく簡単で見栄えの良い物を考えておきますね。」とその話を終えた。
その夜、お兄様宛ての手紙に3人の名前と全員行く。という返事を書いた。
とても試験が終わるのが楽しみになって来た。
勉強もがんばろう。次はアトラス殿下を抜けると良いな。(良いな。じゃないんやで抜くんやで)と真紀ちゃんに発破掛けられました。トホホ。
あっという間に時間がすぎ、オフェーリアは寝ずに勉強していた。
まぁ仮眠は適当に取っていたが。
苦手を集めた必勝テキストを作り追い込んでいた。
テストの前の晩は、さっと間違えやすい所をチェックするだけにして早めに休んだ。
少し緊張しながら学校へ登校し中間考査を受けた。
手応えは感じた。調子は絶好調だからだ。と言うか図書館が楽しみすぎる。
中間考査が終わった次の日、図書館のこけら落としの前日、寮の食堂に4人が集まっていた。
この時の為に真紀ちゃんがしっかり仕込んでおいてくれました。
ありがとう真紀ちゃん。
「じゃじゃーん、今日はプチケーキを作るよ。」とオフェーリアが今日の内容を紹介し始めた。
「このスポンジシートをこの型で取れるだけ抜き取って下さい。」と皆んなに頼んだ。
きゃあきゃあ言いながら全部のシートを抜き終わった。
合計30枚か。まぁまぁかな?
「ここに、クリームやフルーツやジャムがあります。まずクリームを塗ってから好きなフルーツを乗せてもう一枚被せ、周りをまたクリームで塗りつぶします。」
と手本を見せた。
そこには直径10センチほどの外見は生クリームだけのケーキができていた。
「そして、この土台をキャンバスに見立てて飾ります。飾り方は人それぞれあっても良いんだと思います。」
とシンプルに中央にいちごをスライスした物を少しだけ乗せた。
「あんまり載せると崩れるからね。」
30分もすると色とりどりの小さなケーキがいっぱい出来上がってきた。
これを箱に詰めていった。
詰め終わると皆んなに見せてみた。
「うわぁ、綺麗ね。食べるの勿体無い。」と口々に感動していた。
「明日は王宮から馬車が迎えに来るから、私が預かっとくね。」と伝えてこの日は解散した。
次の日、朝からみんなで馬車を待っていた。9時過ぎに来ると聞いている。
そうすると1台の馬車が来た。
寮の前で止まると、御者さんが前まできた。「失礼ですがオフェーリア様ですか?」と聞かれたので
「はい、私がオフェーリアです。」と答えると「どうぞ皆様お乗り下さい。」と乗車を促された。
お兄様は馬車が着く場所で待っててくれた。1人では無かった。以前領地に来てくれた方だ。名前は何だっけ、忘れてしまった。
「お久しぶりですオフェーリア嬢。本日は皆さまもよくお越しくださいました。」と茶目っ気たっぷりで挨拶してくれた。
「こちらこそお招き頂きありがとうございます。いつも兄がお世話になっております。これ皆んなで作ったプチケーキです。お休憩の時にでもお召し上がり下さい。」と言いながら渡した。
彼はにっこり笑いながら
「甘い物は意外と皆んな好きなんですよ。ありがとうございます。」と言ってもう一度にっこり笑った。




