世界を殺す目
あの子が殺すのは人じゃない。世界だ。世界さえ射殺す目をしてる。
僕の腕の中で丸まって、愛くるしい寝顔を浮かべているのは妹の凛だ。普段の気性は少々荒く、戦闘時には勇ましい姿を見せるが、こうやって眠っていると普通の女性に見える。何か夢を見ているのだろう。怪訝な、不思議そうな表情を浮かべている。
「どんな夢を見ているのかな?」
ここは時説邸、言わば色季ちゃんの自宅なのだが、そんな事もお構い無しに兄妹仲良く添い寝中。こんな姿を見られたら、また彼女にフリーズされてしまう。そんな彼女の姿を思い浮かべて思わず肩を震わせた。
前は僕よりも格段に優秀な妹に嫉妬していた。特異な目、潤沢な霊力。殴り合いにおいて、非の打ち所の無いような子だ。でも今はそんな気持ちは持っていない。僕には僕の長所を活かせば良い。そう思って頬を撫でた。早く起きないかな? また色季ちゃんに驚かれるよ?
しばらく寝顔を眺めていると、不意に目が開いた。覚醒と同時に眼力が増す。視線で殺されそうな程強い。
「ん?」
それでも脳はまだ覚醒していないようで、寝ぼけた声が聞こえて来た。今ある事態が飲み込めて居ないのか、酷く怪訝な表情を浮かべた。凛、添い寝を所望してきたんだよ? 覚えてない?
「あら、起きた。この前みたく色季ちゃんに見つかると驚かれちゃうから、今日はちゃんと起きようね?」
そう言って頭を小突くと、さも不機嫌そうな表情で睨んで来た。人なんて生温い、世界さえ射殺す目。兄である僕には少し控えて欲しい。
「睨んでも駄目だからね? ほら、準備する」
不貞腐れたまま、凛は渋々布団から這い上がる。特異な力さえなければ、彼女だって普通の女性なのだ。ただ皮肉にもその力が彼女をたらしめているのだが。
「..............休暇中じゃん.......」
「此処、人様の家だからね」
そう言うとぶすくれた様子で持ってきた衣類を出す。着替えることを察して、僕は部屋を出た。
相も変わらず、兄離れ出来ない妹ですが
を読了の方は間違いなくご存知。フリーズさせてます。色季のこと。
追伸
ご評価ガン無視、とはよく言ってますが、直訳すると『メジャージャンル書けません。ご評価0でも好き勝手書きます』という意味です。
星1でもつけて下さればそれはそれで嬉しいヾ(^。^)ノ
という生き方をしてます。
故に『良くないな.......』と思ってつけて下さった方に申し訳なく思ってます。
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