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あとがきは相変わらずです!!
お気を付けを。
兄貴の声は優しい。何時もと変わらぬ甘さを含んでいる。でも以前と違うことが一つ。前まであたしを褒める時、少しだけ劣等感を感じさせた。でも今は誇るような、嬉しそうな声色だ。あたしが不在の間にこなした任務が彼を吹っ切れさせたらしい。
喜ばしい事には変わりないのだが、相談せずに突っ込んだ事には腹が立つ。もっと頼って欲しい。
「兄貴だって優秀じゃん。任意に目を変えられるの、羨ましい」
「他の子も皆出来るよ」
「そうなんだけどね」
特段凄いことでは無いというように髪を撫でた。その仕草が嬉しくて、ますます細い体に抱き着く。もっと撫でて欲しい。それに応えるように兄貴は幾度となく髪を梳く。
あたしが異常なだけ。皆自分の力を使いこなしている。制御下に置けている。それだけの事。もう少し上手くなりたい。霊力の使い方。
「ほら、もうおやすみ。優秀な妹を持てて兄は幸せです」
兄貴に体を包まれながら、眠りに落ちた。
力があるだけじゃ駄目なんです。
使いこなしてこそ、真の強さなのだと思います。
でも、こうやって持て余している所をみると、とっても可愛いと思ってしまいます。(性格悪い)
どうやら私は『完全無欠』という言葉が嫌いなようです。