表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/32

砂嵐

あとがきに着いていけない読者様が、間違いなく増えると踏んでます。

でも楽しいので辞められない。悪循環.......。

「............................」

「凛。目付きが吊り上がってるよ」

あたしは兄貴と色季と共に休暇を過ごしていた。兄貴が一人で問題を解決し、その労いとして連れ出した。あたしの上司のような存在である神様も、この時ばかりは笑って送り出してくれた。

此処は色季の家から少し離れたところにある街中。平日なのもあって、人が少ない。ショーウィンドウに飾られたマネキン達が、フリルを重ねたヒラヒラした衣類を纏っていた。

他の人が見たらきっと洒落た街並みだと思うのだろう。でもあたしにはそう見えなかった。この街中を穢すように、無数の塵が目に入る。元の風景がどんな色をして、形をしているのか、よく分からない。.......なんというか、砂嵐の中を歩いているような。薄ぼんやりとしか形状、色を識別出来ない。

「ねぇ、兄貴、焼き殺して良い?」

「無益な殺生は嫌いだなぁ」

眉間に皺を寄せ、目の前の視界にガンを飛ばす。少しだけ視界が開け、目の合ったもの達が、慌てて首を捻るのが目に入った。それを見て、小さく溜息を着いた。

なんだか今日は何時もよりも数が多い。兄貴の穢れを祓い落として連れてきたのだから、何も問題は無いはずなのに。そう思って眼鏡を外した。もしかすると、これにガタが来ているのかも知れない。.......結果、より多くの塵が目に入っただけだった。今度こそ芥で覆われて何も見えない。

再度眼鏡をかけ直し、不機嫌極まりない表情で兄貴を見た。霞んではいるが、兄貴は苦笑いしているようだった。

「あたしにとっては有益な殺生なんだけど」

「せっかくの休日なんだから、眉間に皺を寄せないの」

隣を歩く色季から背を軽く小突かれた。問題を起こさないように、という牽制も含んでいるのだろう。だから体内にある霊圧を上げることにした。体温が上がる。力が湧き上がる。比喩でもなんでもなく。そうして生成された火力が問答無用で解き放たれた。

一瞬にして世界が綺麗になる。目を覆っていた塵クズ共が彼方に飛んでいき、小洒落た街並みが並んでいた。やはり世界はこうでなくては。

「圧で吹き飛ばしたの?」

「そ。殺してないよ。これで満足?」

「うん。及第点」

二人の笑顔を横目にあたし達は街を歩く。

砂嵐の中を裸眼で歩いたこと、そうそうないので、モロに想像です。

でも校庭に舞い上がる砂の中を歩いていたら、なんだか凛もそんな気分なんじゃないかなって。

ぼやっとしか色形を見られないのは、可哀想だなって。


読者様

Q

凛は強い??


作者

A

強いです!! 肉弾戦ではなかなか。

でも死神の王に喧嘩売るほど強くは無いです。

あいつらは次元が違います。ほんと好き。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ