世界を構成するもの
この世は塵で構成されてる。無数の芥が目を遮って、元の形なんざ見えやしない。気が触れそう。
幼い頃からそうだった。人には見えない霧のようなものが度々目に入る。兄に対してその事を話すと、僅かに憂いを帯びた目で「お前は優秀だね」と頭を撫でられた。
「きっとね。慧には見えていないんだ。君にだけ見えている。感度が良い証拠だね」
あたしが仕えている神様にも伝えると、同じように頭を撫でられた。違っていたのは、目。兄と違って心から喜んでいる目だった。
なんだかとっても複雑な気持ちだった。私はこんな目、要らない。他の人はもっと綺麗に世界が見えているのに、不公平だ。そう、この世を呪って早数十年。この世界の認識は大して変わらない。幼少期よりはマシになった程度で。
タイトルと物語を読んでいくと、『視力の悪い人を馬鹿にしているのか?』という質問があると思います。
決してそのような考えで書いてはおりません。
私も、目はそれ程よくありません。
きっと彼女にとってもそれは同じだと考え、付けさせていただきました。
(また近くなったら、書くと思います.......。忘れないようにしないと.......)
皮肉にも、見えすぎているが故に何も見えない。そういった考えも間違いなくある。そう思って書いてます。