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第六話これから2

1時間後

うぇっスゴく気持ちが悪い、海のなかに魔物なんていたっけ…そんなことを考えているとおじいさんはワタシノスガタを見て笑った。

「ハッハッハッ船酔いだな!」

「ふ、船酔い?って何ですか?」

気持ち悪いのを抑えて、おじいさんに質問した。

「船酔いは…船に乗ったら、リリアの状況みたいに、気持ち悪くなっちまうことだ。」

「お、覚えておきます。」

「なぁリリア、船酔いを抑える魔法はないのか?」

「た、多分あります、この本を見てみてください」

そう言って、おじいさんに本を渡した。

「うーんっと、あ、あった!船酔いよーよくナレー」

「そんなので魔法は使えませんよ?」

と言いながら奥の方から、ゴークがやって来きた。

「じゃあ、どうやって使うんだ?」

「まずは、足を両肩の感覚に開いて脇をギュット閉めて、手の指先まで力が溢れてきます、分かりますか?」

「おう、分かったぞ」

「そして、目を閉じて、唱えたい呪文を頭のなかで三回くらい、想像します、そして、なにかびび!っと来たら、目を開けて一気に放ちます」

「こ、こうか!」

段々と気持ちが悪いのが抑まってきて、気付いたら吐き気はなくなっていた。

「お、おじいさん!なくなってます!気持ち悪くなるやつ」

そういうと、おじいさんは笑いながらいった。

「おぅ、それはよかった!」

「あ、あの、リリア様は魔術師ですか?」

とゴークが尋ねた。

「は、はい!そうですよ!」

「あの、申し訳ないのですがうちの奴らにもさっきの魔法を唱えてやってくれませんか?」

「はい!良いですよ!」

そう言い、ゴークと一緒にオークのもとへと行くと、全員ぐったりしていた…

「おいおい!強そうな見た目が台無しじゃねえか!」

すると、一人のオークが話した。

「あの~こ、これは疫病かなにかです、助けてください…!」

「大丈夫だ、疫病じゃない、ただの船酔いだ。リリア!頼むぞ!」

「はい!」

そう言い、オーク全員にさっきの魔法をかけるとみんないつも通りに、元気になった。

「では、今から漁場とやらに移動します、はっ!」

ゴークが船ごと、漁場まで一気に移動させた。

「やっぱ!魔法ってすげえな!よし、じゃあ漁のやり方、教えるから順番にこい!」

そう言い一人一人丁寧に教えていった。そして大きな網を海のなかにいれて、日常魔法を屈指して、大量の魚を手に入れた。

「どれも、これも新鮮だ!」

おじいさんがスゴく嬉しそうにしていた。

そのあと、ゴークの魔法で出発したところまで帰ってきた。たくさんの魚を持ち帰ると村は、フィーバー状態になった。

「す、すごいぞ!お前ら!」

「この村も安泰ね!」

「今宵は宴だな!」

………………

宴が終わった後はまた昨日のように、ゴークの部屋にいき、三人で話した。

「何で、おじいさんは漁を教えたのですか?」

「うん?あー、この村を故郷と考えたらなんか、失くならないようにしてぇなぁって思って…」

そして、ゴークは補足した。

「泰蔵殿はこの村の資源であり、唯一の村の財源である、魔石がいつか失くなるのではないか、というのが心配でこの漁を教えてくれたのです。」

「へぇー、そうだったんですね!」

「まぁ、この村で召喚されたから生まれ故郷のようなものなんだ…そういえば、昼に話そうとしたんだけどよ、」

「はい、どうしましたか?急に改まって…」

「なぁ、俺って元の世界には帰れるんだよな?」

「あ…」

昨日のことを思い出した、禁術の本の転生術にかかれていたことを…

少し、黙っていると何か察してか、ゴークが話を続けてくれた。

「帰れますよ!多分、リリア様の夢とか叶えることができたら…」

そしておじいさんは少し、不思議そうな顔をしながら

「あぁそうか?」

「そ、そうですよ!大丈夫です!」

ゴークが本当のことか、嘘のことか分からないが、話しているのが嫌になってとうとう、口が開いてしまった。

「おじいさんは、死んでるかもしれないんです。」

言ってから後悔した。なぜ、私は嘘を突き通せなかったのだろう。

でも、やっぱり死に関係することは、嘘がつけない。大切な人をもう2人もなくしているのだから。

おじいさんの反応を見てみると、意外なものだった。

「そうか、ならいいや!」

「え?」

「いやなんか、俺死んでるんだったらリリアのために何かを死ぬ気でやれるなぁって思ったし、リリアの言い分じゃあ、かもしれない、だから生きてる可能性もあるんだよな?」

「はい、そうですけど…」

「なら大丈夫だ、あぁースッキリしたやっぱり、悩みはなくした方が良いよな!じゃあ、リリア!寝床に先に行ってるからな!」

「は、はい」


おじいさんが行ったあと、ゴークが話し始めた。

「この事は秘密なんですけど、何やら、この世界に召喚された人はもう一人、いるらしいです。」

「え!?そうなんですか!?」

「はい、その人が僕の知り合いのゴークの村にいたらしいんですよ。」

「分かりました!じゃあ、おじいさんに伝えてきます!」

「はい、分かりました」

お別れの挨拶をして、ゴークの部屋から寝床へと行った。

すると、誰かが話している声が聞こえた。

「あぁ、もう少しで、ひ孫も見れたのになぁ。くっそ!男が涙なんか流すなよ…」

おじいさんが泣いていた…


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