第二話どうする…
「っと言うかここはどこだ?」
ヤバイ、どうしよう…転生術使ったせいで魔石の残りの数は、14個攻撃魔術使うのに最低1個必要…そしてここの魔物は……オーク…
オーク
豚の頭と人間よりも少しゴツい体を持っている、見た目どおりに高い攻撃力と高い防御力をもつ。生身の人間が、勝てるわけではないので、防具一式と最低でも鉄の剣を装備、また魔法も駆使しないとまともに戦うことが出来ない。
オークとは戦いたくはないので、すぐに逃げられるように、軽装備で来てしまった私が間違いだった。
「おい、聞いてるのか?」
いや、間違いではなかった。軍境まで走って逃げ、すぐにでも助けを求めれば、なんとかなるはず…そうと決まればまずは出口ルートの確認をしよ、
(ブォン!)
私自身存在を忘れていたおじいさんに鉄拳制裁をくらった、父にもぶたれたことないのに……
「話をきけぃ!ここはどこだ!」
「痛いですぅ…」
本当に痛い……
「これが痛い?何を抜かしておる!わしは子供のときから、これをされて育ってきたんだ!」
「ぎゃ、虐待じゃないですか!」
「変なことをぬかすな!たっく…最近の若いのは…」
そうだ、このおじいさんもつれて逃げないと…っと言うかこのおじいさんは走れるのか?
「おじいさんは走れますか?」
(ブォン)
二度もくらった、痛い…
「質問を質問で返すな!この状況をわしにもわかるように丁寧に説明しろ!」
「えっと…」
ふぅ、やっと説明終わった…でもちゃんと理解できたのかな…
「なるほど…だからさっき走れるかと聞いたのか…」
り、理解力高ー!普通ならパニックになると思うけど…
「ここの小屋誰か見たか!」
「見てないです!」
ヤバイ見つかる、どうしよう……
「なんだ、誰もいねぇじゃねえか」
「ふぅ、危なかったなぁ」
何とか裏口から逃げることができ、今草むらに隠れている。
「これからどうしよ…」
「でも、お前…親父を生き返らせたいんだろ?」
「ですけど、もう魔石が…」
「でも、あいつらのところにはたくさんあるんだな?」
「ありますけど、今から盗ってくるのは…」
「あのなぁ、盗むって言うことは最低だ、お前のように誠実で親思いのやつがやって良いことではない」
「で、でも!魔物だから…」
「魔物だからって、盗みは良くない、結局そういう考えのやつがいるから、争いが耐えないんだ」
「でも、魔物の方だって…私たちにひどいことをしてきました、現に私の父は魔物に殺されました」
「そりゃ、魔物の方だってにんげんにひどいことをされてきたんだろ?」
「そ、そうですね…」
「とにかくだ、生きとしいきるもの全てが手を取り合って、和解することが大事だな、お前がいま一番しなきゃいけないことはなんだ?」
「ま、魔石を勝手に使ったことを謝ることです」
「そして?」
「そして?って何ですか?」
「お前は魔石が必要なんだろ?だからくださいって頭下げれば良いじゃねぇか」
「無理ですよ!第一謝りに言ったら殺されますよ!?」
「殺されそうになったら、俺が助けちゃる安心しろ」
「でも、あなた見た目おじいさんじゃないですか!」
「見た目はよぼよぼでも、これでも武道は全て段位を持ってる、だから安心しろ」
「段位って何ですか!そもそも人間があのムキムキオークに素手で勝てるわけないじゃないですか!」
「信じてくれぬのなら、しゃあないわしが言ってくるわ」
「駄目です死んじゃいます!」
必死におじいさんの腕をつかんだとき感じた、「父と同じ感じがする」
「おーそうか、って死人と同じにするな!まだわしは生きておる!」
「いや、そうじゃなくて父と同じ、いやそれ以上に強さが感じられます」
「おぅそうか、ならあのオークにも勝てるな」
私のつかんでいた腕を優しく、ひもをほどくようにとり、一人でオークの元へと言ってしまった。
「お前が魔石を盗んだ野郎か!」
「あぁそうだが?」
「なら魔石を出せ!」
「そんなのもう食べてしまったわ」
「な!お前経験値にしやがったな…なら好都合だ、ボスに殺してもらえばボスは経験値が入るし、お前を殺すことでストレスも解消できる!よし!早く来い!」
「分かった」
ヤバイ、おじいさんさん連れていかれちゃった早くいかないと!でも、腰がすくんで、歩けない…どうしよ…
「リリア、お前ははまっすぐで優しい子、だから大丈夫だと思うが、友達や仲間が危険になったら、すぐにでも助けにいきなさい…分かったかい?」
「うん!私将来はパパのように強い勇者になるんだ!」
「はっはっは、それは嬉しいなでも、パパは勇者ではなくて、勇者の仲間だっただけだよ?」
「でも!パパは私の一番の勇者だよ!」
「ありがとう」
幼い頃の、父との会話を思い出したあの時はママもいて父もいて、毎日が楽しかった。でも、2人はもうこの世にはいない、だけどもう決意した、父とママの分まで生きると!そして、父との約束を果たそう、そう考えていたときには、既におじいさんの元へ走りだしていた。