第十三話憤怒
「なんでタクトが…」
バルガは痛みを抑えて必死に考えた。
「なぜだ!なぜ、貴様は弱いのだ!」
そう言うと、竜人はおじいさんに蹴りを入れた。すると、その衝撃によりおじいさんは岩にぶつかった。
「くそが…」
この防御魔法から出たら、あの竜人に殺されてしまう。誰しもがそう思い、出ることは出来なかった。
「うらぁ!!」
おじいさんは必死に突撃するが、全て竜人に受け流されてしまっている。
「もっと!楽しませてくれないか!」
竜人はだんだんと興奮状態になるにつれて、魔力量も増えていく…このままではおじいさんは死ぬ。
「なにか打つ手は…」
必死に探していると、シルがなにか閃いた。
「今のように、ちまちまと攻撃しても意味がありません。なので、一撃で決めなければならないです。この中で一番パワーがある泰蔵さんの攻撃力を極限まで上げて、一発で終わらせましょう」
「ですが、その一発を打つまでに結構な時間かかっしまいます…」
シルは羽織っていたマントを脱ぎ出した。
「3分あれば足りますか?」
「え…もしかしてシルさんが相手をするんですか!?」
シルは自分のステータスを上げていた。
「えぇ、それしか方法はないでしょう。
今から、泰蔵さんと私のいる場所を交換します
リリア様、あなたに全てを託します。
この中村の未来も、そして、ここにいるものたちの未来も…」
失敗したら終わる。
ここが正念場。
やらなければ死、成功しなければ死。
もう考えている暇はない
もうやるしかない…
「交換します…リリア様、」
最後の言葉は聞こえなかったが、ファイトと口の動きで判断できた。
「?先程の人間は?」
竜人はおじいさんを探していた。
「残念ながら、私しかいませんがお相手させてもらっても構いませんでしょうか?」
シルがそう言うと、竜人は不意討ちをした。
「骸骨の魔物風情がでしゃばるで…」
竜人は の腕は宙を待って地面に墜ちた。
「すみませんが、手加減はしませんよ?」
竜人は自分のうでを蘇生した。
「楽しめそうだ…」
「わかりましたか?おじいさん」
おじいさんの攻撃力を極限まで上昇させていった。
「おぅ」
おじいさんも正座をして極限まで集中力を高めていた。
「なかなか手強いが…我を越えることは出来なかったな?」
竜人の目の前で膝をついたまま、シルは気を失っていた。
「くそ…にしてもこの呪いは面倒だな」
シルは呪いをかけて、竜人を鈍足状態にし動きを鈍らせた。
「シルさん!!!」
まだ、おじいさんの攻撃力は極限まで行かない。シルがやられたら竜人の相手をする者がいなくなってしまった…
「ここまで…なの…?」
諦めかていたその時、1人の男が突撃した。
「うおおお!!!」
そう、バルガだ。
「貴様は重症ではなかったのか!?」
竜人は咄嗟の判断で防御したが、もうバルガの手中にはいってしまっていた。
かのように思えた。
「バルガぁぁぁぁ!!!」
「そんな…」
バルガの一撃を避けた竜人はすぐに魔法を発動しバルガを串刺しにした。
「危ない危ない…」
「!?間に合った!いつでも行けます!!!おじいさん!!」
「おらぁああああああ!!!!」
おじいさんは咆哮をあげて、すぐに竜人の目の前に行った。
「行けえええ!!」
おじいさんの一撃は竜人に当たった。