↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Last One Years  作者: あおぶた
PR
1/1

~この意味も無い世界で~

第一話


「起立、気をつけ、礼。」


高校に入学して、早くも1ヶ月が立った。俺、酒井和人は、数学の教師の無機質な声を聴きながらぼんやりと窓の外を眺める。


「・・・・・・でーこれがこうなるからー」


校門の前に生えている桜の木もすっかり緑になる今日、5月8日、青い空には昼間の白い月と、


黒々とした大きな星がうかんでいる。


いや、実際にはうかんでいるのではなく近づいてきているのだ。


地球に隕石が、接近しているのが分かったのは今から10年前のことだ。直径15km程の大きさでこれが地球にぶつかると、地球は3000℃の炎に包まれ、海は干上がり地面には灰が降り積もる。地球は隕石衝突から1ヶ月で死の星になってしまうそうだ。


当然各国政府は衝突を止めようとした。しかし、努力もむなしく隕石は止まらず、約1年後の5月1日に地球に衝突することになっている。


余命1年になった人達がわざわざ学校に来るはずもなく、入学から1週間で席の3分の2が空いてしまっている。


キーンコーンカーンコーン


授業が終わり、俺はかばんをもってたちあがる。やることも無いので屋上に上がる。


ぼんやりと遠くに見える黒々とした星を眺めながら考える。


自分の人生はなんだったのだろう・・・・・・


生まれてこの方、いいも悪いもなく普通の生活をしてきた。それがあと1年後には終わる。


それを意識してもなんとも思っていないことが悲しい。


そう思うと、今死んでも、1年後に死んでもどうでもいいような気がしてきた。


屋上の柵を乗り越える。


下を見下ろしてふと考える。


自分が死んだら、誰が悲しむだろうかと・・・・・・

家族は悲しむかもしれない、でも、その家族でさえ、1年後にはしんでいるのだ。


そう、こんな世界は無意味なのだ


屋上の縁に立ち、深呼吸をして、空中に向かって身を投げ出・・・・・・


「ねえ、なにしてるの?」


後ろから澄んだ声が聞こえた。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。