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無双するご主人様のハーレム事情  作者: 不利位打夢
第16章 幻と夢の狭間
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出産準備3

話が一段落して落ち着くと、サラはネーナに何かを言いたそうにしていた。


「あっ、あの、ネーナ母様・・・」


しかし最後まで言葉が出てこなかったため、さすがに気になったネーナが、逆にサラへ声をかけた。


「どうしたの、サラ?」


「じっ、実はですね・・・」


それでもサラは最後まで言葉が出てこない。


だが今度はサラの視線がある一点を遠慮しがちに見ていたので、ネーナも何を言いたいのか気づいたようだ。


「・・・ああ、そういうことね。

サラ、遠慮することないわ。

ほらっ、こっちにいらっしゃい。」


そう言ってネーナは、自分の左隣を軽く叩いて、サラに座るよう伝えてきた。


「はっ、はいっ!」


サラは嬉しそうに座ると、先程の様に隠すことなく、ネーナのお腹を不思議そうに凝視していた。


そんなサラに、ネーナから提案してあげた。


「サラ、見てるだけだとわからないでしょ?

よかったら触ってみる?」


それを聞いて、サラは目を輝かせながらその提案に乗ってきた。


「いいんですか!

ぜひ触ってみたいです!」


そんなサラの姿を微笑ましく思いながら、ネーナは笑顔で答えた。


「もちろんよ。

この娘もきっと喜んでくれるはずよ。」


ネーナの許可が出たので、サラは恐る恐るお腹へと手を伸ばした。


「でっ、では、失礼します・・・ふわぁ・・・ここに赤ちゃんがいるんですね・・・なんかすごいです・・・」


ネーナのお腹をゆっくりと優しく触りながら、サラは感動と興奮が入り混じっているようだ。


「ふふふっ、そうよ。

マコトと私の赤ちゃん、そしてサラの妹よ。」


「妹・・・こんにちは、サラお姉ちゃんですよぉ・・・あっ!?」


ふとサラがお腹に向かって挨拶を口にすると、突然お腹の中の赤ちゃんが動いた。


「あら、珍しいわね。

この娘ずいぶんおとなしくて、あまり動かないのよね。

きっとサラの声が聞こえたから、反応してくれたのよ。

もしかしたら、もうサラのことをお姉ちゃんってわかってるのかもしれないわ。」


それを聞いて、サラはより一層興奮していた。


「本当ですか!」


「だってマコトと私の赤ちゃんだもの。

この娘もサラのことが大好きなはずよ。」


「そうだったら嬉しいです!」


「ええ、きっとそうよ。

だから仲良くしてあげてね、サラお姉ちゃん。」


「はいっ!」


このときサラは、早く妹が生まれてこないかと、心の底から楽しみにしていたのであった。


そんな和やかな雰囲気の中、お昼ご飯の前に、マコトがミーナとネーナへあることを頼んできた。


「ミーナ、ネーナ、これから出産まで、神魔樹で過ごしてくれないか?」


「神魔樹で?」


ミーナはそのマコトの意図がわからなかったようだが、ネーナには伝わったようだ。


「ああ、そういうことね。

あっちでも大勢出産を控えているから、どうせなら一緒にってことね?」


「そうだ。

一ヶ所にいてくれれば、万が一のときでも対応できるからな。」


「そういうことならいいわよ。

幸い仕事も片付けてもらったしね。

ネーナもいいでしょ?」


「はい、サラたちのおかげで、仕事は問題ありませんからね。」


「決まりだな。

早速移動して、昼飯は神魔樹でアリアたちと一緒に食べよう。」


「わかったわ。」


「そうね。」


こうしてマコトたちはミーナとネーナを連れ、神魔樹へとゲートを使って向かったのだった。




マコトたちがゲートから出て神魔樹へ着くと、そこには先に来て昼食の準備をしていた、シーノ、ノルン、フィーアが出迎えてくれた。


「お待ちしていました、マコト様、皆さん。(×3)」


「3人ともすまないな、準備を任せてしまって。」


「いいえ、たいしたことではありません。」


「そうです、何も問題ありません。」


「既に準備はできていますので、どうぞこちらへ。」


マコトたちは3人の案内で、神魔樹内にある食堂へと案内された。


そこには既にアリアたちダークエルフ族が全員集まっており、マコトたちの到着を待っていたようだ。


すると皆を代表して、アリアがマコトを出迎えてくれた。


「お待ちしておりました、マコト様。

それに皆さんも。

立ち話もなんですので、まずはお昼にしましょう。

さぁマコト様はこちらへ。

皆さんも空いている席に座ってくださいね。」


そう言ってアリアはマコトの腕に抱きつくと、そのまま席へと案内した。


すぐに全員が席に着くと、アリアがマコトへ食事の挨拶を頼んできた。


「それではマコト様、お願いします。」


「ああ、では、いただきます。」


「いただきます。(×皆)」


こうして昼食がはじまったのだが、そこからはマコトの許へダークエルフ族の皆が、それぞれ料理を持って順番にやってきた。


どうやらマコト用に1品ずつ料理を作っていたようで、5人ずつ料理をマコトの前に置くと、それを食べるマコトの姿を嬉しそうに見ていた。


当然マコトが残すわけも無く、全ての料理を奇麗に平らげていた。


全員の料理を食べ終えるとそこで終わりではなく、次はあらかじめ用意されていた料理へと移っていた。


これはシーノとフィーアの合作で、他の皆も同じものを食べているのだが、マコトの前に置かれた料理だけは、その量がとんでもなかった。


しかしマコトはそれをものともせず、こちらもあっという間に奇麗に平らげてしまった。


そして食事を終えると、皆で食後のお茶を飲みながら歓談がはじまった。


そんな中、アリアが何かを思い出したようで、マコトにあることを伝えてきた。


「そういえばマコト様、以前頼まれていましたアレですが、先日ようやく見つかりました。」


「頼んでいたアレ?まさか・・・アレか!」


「そのアレです。

ただ問題がありまして・・・」


困った表情でアリアがそう言ってきたので、マコトも気になって理由を尋ねた。


「どういうことだ?」


「口で説明するよりも、まずはマコト様に直接視ていただいたほうが早いかと。

今すぐアレを持ってきてください。」


アリアは近くに控えていた侍女に指示を出すと、すぐに布で包まれた何かを持ってきた。


アリアがそれを受け取って、マコトの前に差し出した。


「こちらなのですが、まずはご覧ください。」


そう言ってアリアが包んでいた布を取ると、そこから現れたのは鎖の塊だった。


しかもただの鎖ではないらしく、その色は真っ黒で、得体の知れない不気味な雰囲気が漂っていた。


「これはまたなんというか・・・厳重だな。

どうしてこんなことになってるんだ?」


「わかりません。

ですが、これが保管されたいた場所へ、一緒に手記も保管されていました。

どうやら私の祖母のものらしいのですが、そこにはこう書かれていました。

『これ以上こんな使えないものに振り回されるのは二度と御免だ。

子孫たちに私と同じ思いをさせないためにも、これは厳重に封印する。』、と。

詳しいことは何も書かれていなかったため、私にもどういう意味なのかさっぱりわかりませんでした。

マコト様、これはいったいどういうことなでしょうか?」


「ああ・・・なるほどな。

確かにそう勘違いしてもしょうがないだろうな。」


「どういうことですか?」


「まぁそれを説明する前に、まずはこいつをどうにかするのが先だ。」


そう言ってマコトは、右手をその黒い鎖の塊へと向けたのだった。

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