手術と後始末
時間にして十数秒ほどであったが、2人は少し惜しむようにしながら離れると、再びマコトへと向き直った。
「・・・すまねーな、にーちゃん。
余計な時間を取らせちまった。」
「御免なさいね、マコトちゃん。
もう大丈夫だよ。」
2人の迷いが晴れた表情を見て、マコトは最終確認を行った。
「いや、気にしなくていい。
一応改めて確認するが、おっちゃん、不要部位の切除をする、ということで話を進めて構わないんだな?」
このマコトの確認に対して、おっちゃんは迷い無く答えた。
「おうっ!」
今度はおばちゃんも反対しなかったので、マコトは話を先に進めた。
「わかった。
では今度はその方法について説明しよう。
不要部位の切除は、俺、シルフィナ、エイリの3人で行う。
まずは俺が不要部位の正確な位置を確認し、続いてエイリがその情報を元に切除を行い、それをシルフィナが排除しつつ、最後に俺が神法で切断部分の治療を行う。
時間にして約1分ほどで手術は終了する予定だ。
血はほとんど流れないし、傷跡も一切残さないで完治させるから、手術後すぐに普段通りの生活が可能だ。
ここまではいいか?」
「細かいことは俺にはわかんねーよ。
だから俺は、にーちゃんたちを信じて全てを委ねるだけだぜ。」
「おっちゃんらしいな。」
「もう、とーちゃんたら・・・マコトちゃん、代わりにあたしから質問してもいいかい?」
「何だ、おばちゃん?」
「今の話だと、なんかあっという間に終わりそうだけど、肝心な成功率はどれくらいなんだい?
別にマコトちゃんたちを信じてないわけじゃないんだけど、一応聞いておきたくてね。」
「まぁおばちゃんが不安になる気持ちもわかるよ。
ちなみに今回の手術の成功率は・・・」
「成功率は?」
「・・・100%だ。
だから絶対に成功する。」
「・・・へっ?」
マコトの答えが予想外だったのか、おばちゃんは呆気に取られてしまい、思考が一時的に停止してしまった。
そんなおばちゃんに構わず、マコトはその根拠を説明した。
「俺たち3人の中で誰か1人だけなら80%、2人だけなら99.99%なんだが、3人揃えば絶対に成功させることができる。
これはほぼ同時に複数の処理を行う必要があるからで、人数が多ければそれだけ成功率も上がるというわけだ。
だから今回3人で行うから、成功率は100%になるんだ。」
いまだに思考が一時停止ているおばちゃんとは対照的に、おっちゃんは感心してはいるものの、あまり驚いた様子はないようだ。
「にーちゃんの方から今回の話を俺たちに持ちかけてきたから、絶対に失敗しない自信があるんだろうって思ってたけど、こうして実際に聞くとやっぱすげーよな。
そう思わねーか、かーちゃん?」
おっちゃんから同意を求められ、ようやく一時停止していたおばちゃんの思考が再び動き出した。
「・・・とーちゃん、もしかして最初からわかってたのかい?」
このおばちゃんの質問に対して、おっちゃんは自信満々に答えた。
「当然じゃねーか。
そもそもにーちゃんは、自分ができねーことは絶対に言わねーからな。
それに俺がかーちゃんを悲しませるようなことをするわけねーだろ。」
「あたしとしたことが、落ち着いて考えてみれば、確かにとーちゃんの言う通りだよ。
とーちゃんとマコトちゃんのことを最後まで信じられなかったなんて・・・あたしもまだまだだね。」
自分の未熟さに落ち込むおばちゃんへ、マコトとおっちゃんが慰めの声をかけた。
「まぁ内容が内容だったからな、今回は仕方ないさ。」
「だな。」
「それに今回の事でわかったことだが、おばちゃんはおっちゃんのことになると、意外と冷静さを失うみたいだからな。」
「確かに、そういったところがかーちゃんにはあるな。」
「そしてこれは逆に、おっちゃんにも言えることでもある。」
「はははっ、ちげーねぇ。」
「まぁこれは2人がそれだけお互いのことを大切に想い、愛し合っている証だ。
だから気にすることはないさ。」
「おうっ、にーちゃんの言う通りだぜ!」
2人で盛り上がっていたものの、その間おばちゃんが反応を返すことはなかった。
しかし2人の話が終わった頃に、ようやくおばちゃんが復帰してきた。
「・・・はぁー・・・よしっ、反省終わりっ!
じゃぁマコトちゃん、ちゃっちゃとやっちゃっておくれ。」
おばちゃんは2人の話を聞いていなかったのか、すぐにおっちゃんの体質改善を急かしてきた。
マコトとおっちゃんは、そんなおばちゃんに何も言わず、そのまま話の流れに乗っかった。
「ああ、任せてくれ。
必ず成功させると約束する。」
「頼んだよ、マコトちゃん。」
「それじゃぁおっちゃん、そこのベッドに仰向けで寝てくれ。」
「おうっ。」
おっちゃんはマコトに言われた通り、ベッドに横になった。
「シルフィナ、エイリ、準備はいいか?」
「はい、マコト様。(×2)」
マコトに呼ばれ、シルフィナとエイリがベッドに横になるおっちゃんの頭を横から挟むように、左右に立った。
そしてマコトもおっちゃんの頭の上側に立つと、まずはおっちゃんに指示を出した。
「おっちゃん、できるだけ緊張せずに、全身の力を抜いていてくれ。」
「おうっ、わかったぜ。」
若干の緊張は見られるものの、おっちゃんは何とか全身の力を抜いた。
それを確認してから、マコトから手術の開始が宣言された。
「よし・・・それでは、これより術式を開始する。」
マコトはおっちゃんの状態を、時間をかけてゆっくりと視た。
時間にして50秒ほどが過ぎると、マコトは視線をおっちゃんからエイリに移した。
それが合図だったようで、エイリがおっちゃんの頭に手をかざした。
続いてシルフィナも僅かに遅れて、エイリの手の上へ重ねるように自分の手をかざした。
最後にマコトがシルフィナの手の上へ重ねるように自分の手をかざすと、3人が気合と共に手へと一瞬だけ力を込めたのだ。
「はっ!(×3)」
静寂の中、突然発せられた気合に、その場が緊迫した雰囲気に包まれたが、それは一瞬で終わってしまった。
すぐに3人が緊張を解いて脱力すると、おっちゃんの頭の上から手を退かした。
「・・・術式を終了・・・成功だ。
おっちゃん、もう起きていいぞ。」
あまりにもあっけなかったからなのか、おっちゃんは本当に手術が終わったのか半信半疑のようだ。
「おっ、おうっ・・・にーちゃんの言った通り、あっという間だったな。
本当にその不要部位ってやつを取っちまったのか?」
おっちゃんはゆっくりと身体を起こしながら、3人が手をかざしていた辺りの頭を恐る恐る触っていた。
それほど全く何も感じなかったのだろう。
「ああ、間違いなく切除したぞ。
何か痛みや、身体に違和感などはあるか?」
マコトに言われて、おっちゃんは確かめるように、最初はゆっくりと、徐々に早く全身を動かし、身体の状態を確認していった。
「・・・大丈夫だ、さっきまでと何も変わんねーよ。」
そこでようやくおばちゃんが動いた。
緊張した面持ちで、おっちゃんに身体の状態を聞いてきたのだ。
「とーちゃん・・・本当に、どこもおかしくないんだね?」
「おうっ、この通り、いつもと変わんねーよ!」
おっちゃんは今度は最初からキビキビとした動きで、おばちゃんに自分の無事をアピールしてみせた。
そんなおっちゃんの姿を見て、おばちゃんの緊張が一気に解けたようだ。
「はぁー・・・よかったぁ・・・」
おっちゃんの無事が確認でき、おばちゃんは張ってた気が抜けたのか、その場に崩れ落ちてしまった。
「おいおいかーちゃん、にーちゃんたちのこと信じてたんじゃねーのかよ。」
「もちろん信じてたに決まってるだろ!
でもあたしがとーちゃんのことを心配しちまうのは仕方ないじゃないか。
だからとーちゃんの無事な姿を見たら、一気に力が抜けちまったんだよ。」
「はははっ、しょうがねーなぁ、かーちゃんは。
だが心配かけちまってすまねぇな、かーちゃん。
この通り俺はピンピンしてるから、もう大丈夫だ。」
「もうっ、とーちゃんたら・・・でも、本当に無事で良かったよ。」
「おうっ!」
「マコトちゃん、約束を守ってくれてありがとう。
それにシルフィナちゃんとエイリちゃんも、あたしたちのためにありがとう。」
「ああ。」
「お2人のお力になれたのでしたら幸いです。」
「これから頑張ってくださいませ。」
この最後のエイリの言葉が、おばちゃんに火を付けたようだ。
「そうだね。
後はあたしととーちゃんの頑張り次第だから、皆の想いは無駄にしないよ!
ところでマコトちゃん、あたしは今日できやすい日なんだけど、すぐにとーちゃんと子作りしても大丈夫かい?」
おばちゃんは早速やる気になっているようで、何とか理性で興奮を抑えているみたいだが、質問の内容はあからさまだ。
マコトの答え次第では、すぐにでもおっちゃんに襲い掛かりそうな勢いである。
そしてマコトがおばちゃんの望む答えを口にした。
「問題は無い。」
「じゃぁ!」
目を輝かせるおばちゃんだったが、まだマコトの言葉には続きがあった。
「だが一応大事を取って、少し間を開けた方がいいだろう。」
それを聞いて途端におばちゃんは落ち込んでしまった。
そのため少し冷静になったおばちゃんは、マコトにいつから子作りできるのか聞いてきた。
「そんなぁ・・・ちなみにどれくらいの期間開ければいいんだい?」
何となく聞いてみただけだったのだが、次のマコトの答えを聞いて、再びおばちゃんに元気が戻ることになる。
「そんなに開ける必要は無いさ。
晩飯を食べた後なら、いつでも大丈夫だ。」
「本当かい!」
「ああ、本当だ。」
「よしっ!
とーちゃん、今晩頑張るよ!」
「おうっ、わかってるぜ、かーちゃん!
今夜は寝かせねーから、覚悟しておけよ!」
「望むところだよ、とーちゃん!
あっ、でも明日の仕込みは遅れんじゃないよ。」
「それは・・・努力するぜ。」
2人は早速今晩に向けて、やる気をみなぎらせている。
そんな2人にマコトがある提案をしてきた。
「2人とも、ちょっといいか?」
「何だい、マコトちゃん?」
「何だ、にーちゃん?」
「2人が逸る気持ちもわかるが、今は焦ってもしょうがない。
それは2人ともわかっているだろう?」
「まぁ時間ばっかりはどうしようもないからねぇ。」
「かーちゃんの言う通りだな。」
「そこでなんだが、それまで時間があるから、少し俺の娘たちと遊んでやってくれないか?
フィマもエマも、おばちゃんとおっちゃんのことが気に入ったみたいなんでな。」
「今日は時間があるから、それくらい全然構わないよ。
むしろこちらからお願いしたいくらいだよ。
とーちゃんもいいよね?」
「おうっ、俺もいいぜ!」
「ありがとう、おばちゃん、おっちゃん。
・・・それと実は、こんな話があるんだ。」
「どんな話だい?」
「医術のとある研究データなんだが、子供と触れ合うと、女性は母性が、男性は父性が刺激されるみたいなんだ。
すると、その後の子作りで子供ができやすくなるという研究結果が出た、らしい。
しかも子供と触れ合わなかった場合と比べて、その差は約10倍も違ったそうだ。
ちなみにこの効果は、半日ほど続く、ということだ。」
このマコトの話を聞いた瞬間、おばちゃんは反射的に動いていた。
「よしっ、善は急げだよ!
マコトちゃん、フィマちゃんとエマちゃんのところに案内して!」
おばちゃんが急かしてくるので、マコトはエイリに指示を出した。
「エイリ、2人を案内してやってくれ。」
「かしこまりました、マコト様。」
すぐにエイリが2人を案内しようとしたが、その前におばちゃんがマコトの言葉に違和感を感じたようで質問してきた。
「あれっ?
マコトちゃんとシルフィナちゃんは一緒に行かないのかい?」
「俺とシルフィナはここの後片付けとか、ちょっとやることがあるんだ。
おばちゃんとおっちゃんは、エイリと先に行っててくれ。
俺たちもすぐに後から行くから。」
このマコトの答えを聞き、おばちゃんは何か裏があるのではと感じて、とても気になった。
しかしこれ以上ジッとしていることが我慢できなくなっていたおばちゃんは、素直にマコトの言葉を受け入れた。
「そうかい?
じゃぁお言葉に甘えようかね。」
「ではお2人とも、ご案内します。
こちらです。」
「あいよ。
行くよ、とーちゃん!」
「おうよ、かーちゃん!」
そのままエイリの案内で、おばちゃんとおっちゃんは第1診察室から出て、フィマとエマの許へと行ってしまった。
そして2人の気配が病院から出たのを確認すると、マコトが真剣な表情でシルフィナに指示を出した。
「・・・シルフィナ、出してくれ。」
「かしこまりました、マコト様。」
するとシルフィナは時空間魔法で小さなゲートを開き、そこから漆黒の網目状をした肉片を取り出した。
それは何重にも張った結界で厳重に封印されているものの、肉片はまだ脈打っている。
マコトは一瞬肉片を睨みつけてから、シルフィナにある確認を行った。
「・・・シルフィナ、できるか?」
短い言葉だったものの、シルフィナは正確にその意味を理解して答えた。
「できないとは言いませんが、正直なところ今の私の状態では、全てを完璧に、というのは厳しいですね。
かといってこれを今のマコト様にお任せするわけにもいきませんので、このまま封印したままにしておくのが最善かと。
これをすぐに処理することは、今は最優先事項ではありませんので。」
どうやら肉片の処理方法について確認をしているようだが、互いに手を出せないようだ。
「まぁそれしかないか。
本当はさっさと処分したいところだが、不確実な状況で無理をする必要は無い。
失敗しては元も子もないからな。
そいつはとりあえず俺の方で預かっておく。
念のため結界を重ね掛けしてな。」
「はい、お願いします、マコト様。」
シルフィナは肉片を、自分が張った結界ごとマコトに渡した。
マコトはそれを受け取ると、そこへ更に結界を追加して封印を強化し、無造作に小さなゲートの中へと放り込んだ。
「とりあえずこれで大丈夫だ、今のところはな。」
「ですね。
問題を先送りするのは問題ですが、こればっかりは今は仕方ありません。」
「・・・ああ、そうだな。」
そう素っ気なく答えたマコトは、少し不機嫌そうだ。
自分の不甲斐なさに対してというところがマコトらしいのだが、その雰囲気を嫌ってなのか、シルフィナが話題を変えてきた。
「しかしマコト様、小母様の方はともかく、何故小父様にアレが潜んでいたのでしょうか?」
そんなシルフィナの思惑に乗っかって、マコトが質問に答えた。
「理由は2つだ。
1つは、おっちゃんが例の血統でありながら何も受け継がなかったから。
もう1つは、そんなおっちゃんの子供に女の子が生まれると都合が悪いから、だ。
だから保険として潜んでいたアレが発現したんだ。」
「迷惑な話です。」
「まったくだ。」
「ですがマコト様に見つかったのが運の尽きでした。
これでお2人が子宝を授かればいいのですが。」
「そればっかりは、おっちゃんとおばちゃんの頑張り次第だな。
だがまぁ、それは大丈夫だろ、2人とも張り切ってたし。
意外とすぐかもしれないぞ。」
「そうですね。
では私は、そうなることを願うとしましょう。」
シルフィナにしては珍しいことを言ったので、マコトは気になって何となく聞いてみた。
「シルフィナがそんなことを言うとはな。
ちなみに願うとは誰にだ?
シルフィナのことだから、神頼み、なんてことはないだろ?」
するとこのマコトの質問を待ってましたとばかりに、シルフィナが得意げに答えた。
「決まっています。
子宝といえば、マコト様に決まっているではありませんか!」
突然自分の名前が出たので、マコトは非難を込めた視線をシルフィナに向けながら、理由を問いただした。
「何故そうなる?」
しかしシルフィナは、そんなマコトの視線を軽く受け流し、理由について話しはじめた。
「いずれマコト様が表に出れば、少なくとも一部の方たちからは、そのような対象に見られると思うからですよ。」
「わけがわからん。
そもそも俺としては、自分がそんな対象に見られるのは嫌だぞ。」
「ですがマコト様がどれだけ嫌がったとしても、世間は放っておいてはくれませんよ。」
「だから何でそうなる?」
「はぁ・・・マコト様はご自分のなされたことについて、もっと自覚されるべきかと思います。
特に数日前の、ダークエルフ族の皆さんの出産については尚更です。」
「全く意味がわからないんだが?」
ここまで言ってもマコトはシルフィナが何を言いたいのかわかっていないようなので、仕方なく具体的な内容を説明することにした。
「考えてもみてください。
マコト様は1年に1日しか受精のチャンスがない、ダークエルフ族の皆さんほぼ全員との間に子を成したのですよ。
つまり100発100中だったわけですから、これが世間に知られれば、あやかりたいと考える者は大勢います。
まぁ同時に世界の約半数からは、恨みや妬みを向けられそうですが。」
ようやくシルフィナが何を言いたいのか理解したが、マコトの考えは違うようだ。
「いや、確かにシルフィナの言う通り事実だが、いくら何でも全員が全員そう考えることはないんじゃないか?
さすがにそこまで短絡的に考えるような奴は、そうそういないと思うぞ。
それに子供たちのことは、いずれ俺が表に出たとしても世間に公表するつもりは無い。」
このマコトの考えに対して、シルフィナは問題点を指摘し、現実を突きつけてきた。
「子供たちのことはともかく、ハーレムの皆さんのことを公表することは、避けては通れないはずです。
それだけでも世間の興味を大いに引くことになります。
となればその先に何があるのか、誰もが同じことを想像すると思います。」
マコトは反論できず、最後の悪あがきをしようとした。
「それは・・・だがな、シルフィナ・・・」
だがその前にシルフィナがマコトの言葉をバッサリ切り捨てた。
「しかしそれが事実で現実です。
マコト様に近しい方たちはともかく、その他の有象無象は見聞きしたままを事実として受け入れるしかありませんから、世間がそう反応するのは当然かと。
違いますか、マコト様?」
ここまでシルフィナに言われて、これ以上は分が悪いと悟り、マコトは潔く白旗を上げた。
「・・・はぁ・・・わかった、俺の負けだ。
もう勘弁してくれ。」
「ご理解いただけて何よりです。
ですがマコト様の名誉は私たちがお守りしますので、どうかご安心ください。
それに世間からどう思われようと、私たちのマコト様への想いが永遠に変わることはありません。
マコト様は何も気にせず、どっしりと構えていてくださればいいのです。」
「それもそうだな。
そもそも他人に陰で何を言われようと、俺が気にする必要なんてないからな。」
「はい、その通りです。」
「だが逆の場合は、俺が対処する、徹底的にな。
そこを譲るつもりは無いぞ。」
「それについては止める気は全くありません。
全てマコト様にお任せしますので、ご存分にどうぞ。」
「ああ、そうさせてもらう。
・・・さて、そろそろ頃合いか?」
「はい、ちょうどいい頃合いかと。」
「では皆のところに戻るぞ。」
「かしこまりました、マコト様。」
マコトとシルフィナは第1診察室から出ると、病院の入り口で控えていたフィーアと合流し、皆の許へと向かったのだった。




