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無双するご主人様のハーレム事情  作者: 不利位打夢
第16章 幻と夢の狭間
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出産準備1

その後マコトは、順番待ちをしていた全員を可愛がった。


そして温泉から上がり、朝食を食べて一休みしてから、マコトたちはある場所へとやってきていた。


それは話に出ていた、ミーナとネーナのところだ。


シェイラの予想通り、先日逢ったときとは違って、そのお腹は大きく膨らんでいた。


しかしそれでも2人はいつも通り政務の仕事を行っていたため、慌てたサラとケイが2人を止めに入った。


「何やってるんですか、ネーナ母様!」


「ミーナ様もです!」


その声で皆が来たことに気づいた2人だったが、ネーナは仕事の手を休めることは無かった。


「何って、見ての通り代表の仕事よ。」


「そんなことは見ればわかります!

私が言ってるのは、大事な時期に何をやっているんですか、ってことです!」


「別に大丈夫よ。

それに少し動いていた方が、お腹の赤ちゃんのためにもいいのよ。」


「それの何処が、少し、なんですか!

むしろいつもより多いじゃないですか!」


サラの指摘通り、ネーナの机の周りには、大量の書類の山がいくつもできていた。


それはサラが執務補佐をしていたときの、軽く3倍以上はあった。


「明日から出産の準備とかで忙しくなるから、その前に数日分を片付けてしまおうと思ったのよ。

大丈夫、これくらいいつものことだし、よくあることよ。

だから何も問題無いわ。」


平気な顔でそんなこと言っているネーナだったが、その隣にいるミーナは激しく首を横に振っていた。


それを見たサラは、すぐにネーナを注意した。


「ネーナ母様・・・それは普段の体調のときの話です。

今は出産間近なのですから、過度な仕事は控えてください!」


「でもこれを終わらせておかないと、連合の皆に迷惑がかかってしまうわ。」


「だったら私がやりますから、ネーナ母様はおとなしくしていてください!」


「でもサラも忙しいでしょう?」


「なら皆にも手伝ってもらいます!

ネーナ母様は1人で仕事を抱えすぎです!

もっと周りを使って仕事を分散させてくださいと、以前から私が言っていたのに、まだやってなかったんですか!」


「もっ、もちろん覚えてるし、やってるわよ。

ほらっ、その証拠にミーナ姉様にも仕事を手伝ってもらってるでしょ?」


「ミーナさんだって出産を控えているのですから、無理をさせていいわけがないじゃないですか!」


「でもぉ・・・」


「でもぉ、じゃありません!

ミーナさんも、何でもっと早く言ってくれなかったんですか!」


自分にもサラの注意が飛び火してきたため、ミーナは慌てて言い訳を口にした。


「わっ、私はネーナに言ったのよ。

マコトたちに助けを求めよう、って。

そうしたらネーナが、マコトたちに迷惑をかけたくない、とか、これくらいなら問題無い、とか言って、結局自分でやろうとするんだもん。

でもアリアさんに助けを求めたんじゃ、それはそれで駄目だと思ったから、しょうがなく私が手伝うしかなかったんだもん。」


さすがにそれ以上強く言っては、いじめているみたいになってしまうので、サラは注意するのをそこまでにして、根本的な解決をすることを優先した。


「はぁ・・・とにかくお2人は安静にしていてください。

後は私が片付けます。

マコト様、皆さんの中から何人か手伝っていただいてもよろしいでしょうか?」


「ああ、構わないぞ。

とりあえずケイは決まりだとして、後は・・・」


マコトが誰に手伝ってもらおうかと考えていると、そこへキラとラミが名乗りを上げた。


「マコトさん、私たちでよければ手伝いますよ。」


「これくらいの量だったら、わたしたち4人ならすぐに終わっちゃうよ。」


「そうだな、それじゃぁ2人とも頼めるか?」


「はい、任せてください。」


「うん、任せて!」


「ではキラさんは私の補助を、ラミさんはケイさんの補助をお願いします。

ケイさん、まずは半分ずつ処理していき、先に終わった方が残りを手伝うということでいいですか?」


「はい、お任せください。」


「それではさっさと終わらせちゃいましょう!」


「はいっ!(×3)」


こうして4人は、山積みになっている書類を片っ端から処理しはじめた。


一方、ようやく仕事から解放されたミーナは、近くにあったソファーに座って一息ついていた。


「はぁー・・・やっと休めるわ。」


その右隣へネーナも座り、ミーナへと申し訳なさそうに謝罪してきた。


「すみませんでした、ミーナ姉様。

私の我儘に突き合わせてしまって。」


「別にいいわよ。

ネーナはやると決めたら最後までやんなきゃ気が済まない性質だもんね。

私もそれを知ってて付き合ってたんだから、気にしなくていいわよ。

ただ、昔っからサラには弱いみたいだけどね。」


「サラは正論を理詰めしてくるので、何も言い返せないのですよ。

本当はサラに連合の代表になってほしいんですけどね。」


「まぁそれは無理でしょ。

サラも望んでないだろうし、マコトも駄目って言いそうだしね。」


「わかってますよ、ミーナ姉様。

何となく言ってみただけです。

まだまだしばらくは、私が連合代表として頑張りますよ。」


「でもそんなこと言ってられないわよ。

そろそろ次の世代を育てていかないと、仕事も減らないし、いつまでも連合代表のままよ。」


「そうなんですが、サラ以上に優秀な人材となると、全くいないんですよ。」


「ネーナ、娘が可愛いのはわかるけど・・・贔屓目に見過ぎるのもどうかと思うわよ。」


「それは否定しませんが、そのことを抜きにしてもサラは優秀すぎるんですよ。」


「まぁ確かにね。

でもサラを基準に考えちゃ駄目よ。

今いる人材の中で、どうするのが連合にとって一番いいのかを考えないと。」


「そうですね。

ゆっくりできる今だからこそ、真剣にそのことを考えないといけませんね。」


「そういうことよ。

私も相談に乗るし、他にも相談に乗ってくれそうな人たちがたくさんいるんだから、上手く利用しなくっちゃ。」


「ふふふっ、そうします、ミーナ姉様。」


2人が楽しそうにそんなことを話していると、そこへ2人組がやってきた。


「母様、今大丈夫?」


「ネーナさんもいい?」


ミザリィとナタリィがそう言って近づいてくると、ミーナもネーナも快く歓迎してくれた。


「もちろんよ。」


「さぁ2人とも、こっちに座りなさい。」


「うんっ。」


「うん。」


2人の許可を得て、ミザリィはミーナの左隣りに、ナタリィはミーナの右隣りにネーナと挟まれる形で、それぞれソファーに座った。


そして大きくなっている2人のお腹を、興味深そうに見ていた。


「ここに赤ちゃんが・・・私たちの妹がいるんだよね?」


「そうよ。

マコトとの子供だから、2人にとっては、娘でもあるわね。」


「触ってもいい?」


「もちろんよ。

でも優しくね。」


ナタリィはミーナのお腹に手を乗せて優しく撫でたのだが、突然驚いた声を上げた。


「うん・・・ここに赤ちゃんが・・・あっ!?」


「どうしたの、ナタリィ?」


「・・・動いた。」


どうやらお腹の中の赤ちゃんが動いたのがわかったようで、それを聞いたミザリィもミーナに許可を求めてきた。


「本当!母様、私も触っていい?」


「いいわよ。」


「やったぁーっ!

・・・うわぁ・・・本当だぁ・・・動いてる、動いてるよ!」


「きっとお姉ちゃんたちが近くにいることが、この娘たちにもわかってるのね。

だから嬉しくて元気に動いてるのよ。」


「そっかぁ・・・ねぇ、母様、いつ生まれるの?」


「たぶん、あと2~3日くらいで生まれるはずよ。」


「2~3日かぁ・・・早く生まれないかなぁ・・・」


「私は初めての妹だから、今から楽しみ。」


「そういえばそうだったよね。

双子だからあまり気にしなかったけど、ナタリィにとっては初の妹だもんね。」


「うん。」


いつもはあまり表情に変化がないナタリィだが、今は誰が見てもその表情から、とても楽しみにしているのがわかるのだった。

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