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無双するご主人様のハーレム事情  作者: 不利位打夢
第16章 幻と夢の狭間
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エイリの秘密

ゲートを出た先は、初めて訪れる少し広めの部屋だった。


部屋の中央には大きな丸いテーブルと、人数分の椅子が用意されている。


それ以外は出入口の扉が1つあるだけで、窓は1つも無い。


陰の一族の拠点がある場所と同じような雰囲気からして、おそらく異空間に作られた場所なのだろう。


するとマコトが全員に席を勧めた。


「立ったまま話すのもなんだから、とりあえず座ってくれ。」


そう言って最初にマコトが椅子に座ると、その両隣にシルフィナとエイリが座った。


メイドの皆もマコトの言葉に従って、それぞれ適当な席に座った。


全員が座ったのを確認してから、まずはマコトが口を開いた。


「・・・さて、エイリ、皆にわかるように自己紹介をしてくれ。」


マコトにそう促されてエイリがその場で立つと、軽く頭を下げながら改めて自己紹介をはじめた。


「かしこまりました、マコト様。

・・・皆さん改めまして、エイリです。

あの日、何人かの方とは挨拶させていただきましたが、レイリの妹です。」


このエイリの言葉に真っ先に反応したのが、シーノとミィだ。


「やはり、あのときレイリと一緒に挨拶にきたエイリだったのですね!」


「どうして今まで無事だったことを隠していたのよ!」


2人は今にもエイリを問い詰めようとする勢いで立ち上がったが、それをトウカが制止した。


「落ちつけ、2人とも!」


すぐに2人は、自分たちが冷静さを失っていたことに気づき、すぐに謝罪して席に座った。


「・・・申し訳ありません、トウカさん。」


「・・・申し訳なかったのよ、トウカお姉様。」


だがトウカはその謝罪を受け入れなかった。


「はぁ・・・2人とも、謝罪する相手を間違っているぞ。

今の私たちが誰にお仕えしているのか、それをお前たちは忘れたのか?」


このトウカの言葉で、2人は自分たちの立場を思い出した。


「申し訳ございませんでした、マコト様。(×2)」


すぐに2人は再び立ち上がって、自分たちの主であるマコトへと謝罪した。


しかしマコトが2人を咎めることはなかった。


「いや、気にすることはない。

2人が驚くのも無理はないからな。」


「ありがとうございます。(×2)」


2人はそう言ってマコトに頭を下げると、そのままおとなしく座った。


こうしてとりあえずは場が落ちついたものの、たった今冷静さを失った手前、2人は口を開くのをためらってしまった。


そこでトウカへと視線を送った。


そんな2人の意図を理解してトウカが無言で頷くと、マコトへと質問をはじめた。


「・・・マコト様、私はレイリからその存在と名前を聞いたことがあるだけで、直接の面識はない。

だから一応確認させてもらうが、本当にレイリの妹のエイリ本人で間違いないんだな?」


「ああ、間違いない。

それは俺が保証する。」


「そうか・・・いろいろと聞きたいことはあるが、まずは教えほしい。

どうして今までエイリの存在を隠していたんだ?」


「まぁ当然の疑問だな。

これにはいくつか理由がある。

まず1つ目の理由だが、エイリに与えていた役目のためだ。

エイリにはフィマとエマ、2人の存在を隠し、護ってもらっていたんだ。

理由は、2人が持つ力が原因だ。

2人は俺の血を濃く受け継いでいる。

そのため、まだ1歳前後だというのに、既に強力な力をいくつか使いはじめているんだ。

さっき少しだけ実際に見たからわかるだろう?」


「確かに・・・あの歳で結界を打ち破るほどの力を持ち、ゲートを使いこなし、更には神眼まで持っているとなれば、よからぬ輩に狙われてもおかしくないな。

マコト様が2人を危険から遠ざけるために、その存在を隠したのも頷ける。」


「そういうことだ。

そして2つ目の理由だが、エイリ自身を護るためだ。

俺とシルフィナがエイリと出逢ったのは、今から10年ほど前だ。

当時エイリは、身体の時間を止められた状態で、ある場所に封印されていた。

それを俺が助け出し、更にエイリがまだその場所へ封印されているように偽装した。

そのため万が一エイリが既に封印を抜け出していることが知られると、いろいろと面倒ごとに巻き込まれる可能性があり、そうなると今後に支障が出てしまう。

だからエイリの存在を知る者を最小限に止めて隠したんだ。」


「なるほど・・・余計なちょっかいを受けないようにするため、ということだな。

厄介ごとを回避できるなら、それに越したことはないからな。」


「その通りだ。

最後に3つ目の理由だが、レイリの身の安全を護るためだ。」


「それはどういうことだ?」


「そもそもエイリが封印されていたのは、人質にしてレイリに言う事を聞かせるためだ。

だからこそレイリは、表立って逆らうことができず、おとなしく従っている。」


「そうだったのか・・・レイリは私たちのことだけでなく、妹のエイリのことも護るために、これまで1人で頑張ってきたんだな。

しかしわからないな。

どうしてエイリが無事なことを隠すのが、レイリの身の安全を護ることにつながるんだ?

レイリの気持ちを考えれば、早くエイリの無事を伝えてやった方がいいと私は思うぞ。」


「確かにな。

だがもし今レイリが、エイリが既に助け出されていると知ったらどうすると思う?」


「・・・おそらく私たちのことがまだ残っているから、現状を維持すると思う。

それにエイリが無事な姿と、確実に安全だと確証が持てない限りは、表立って組織に逆らうようなことはしないだろうからな。」


「そうだな。

だがもし間違った情報がレイリの耳に入ったらどうだ?

例えばエイリが、封印と共に消滅したとか、実は既に処分されてしまっていたとか、だ。」


「・・・おそらく・・・いや、間違いなくレイリは、組織へ反旗を翻すだろうな。」


「どうしてそう思う?」


「たぶんレイリは、エイリに戦う力が無いから、巻き込まないようにおとなしく従っているのだと思う。

だがその枷が無くなった場合、レイリは私たちに真実を打ち明け、戦力として引き込むだろう。

上手くいけば組織に打撃を与え、更には逃げ出すこともできると考えるはずだ。

その後は組織を壊滅するために、ゲリラ的な活動を続けるのではないだろうか。」


「まぁ大体そんな感じのことを考えるだろうな。

しかしその考えは確実に破綻する。」


「何故だ?

打撃を与えることは難しいかもしれないが、逃げるくらいならそう難しくはないと思うが?」


「問題となる点は2つ。

1つは現在レイリがいる場所、そしてもう1つは、その場所にいる戦力だ。」


「マコト様は、今レイリがどこにいるかわかっているのか?」


「ああ。

その場所は、浮遊大陸の天空城、だ。

つまり協力を得られたとしても、逃げる際の手段や戦力が足りない。

あそこには、最上位を含めた大勢の天使たちがいる。

そして浮遊大陸は空の孤島だ。

ある特定条件を満たした場合を除いて、空を飛べる天使以外が地上を行き来するには、かなりのリスクが伴う。」


「それはマコト様でも、ということか?」


「俺の場合は、翼力などを使って天使と同じルートが使えるが、それだと間違いなく天使たちに気づかれてしまう。

俺が浮遊大陸へ行く場合、潜入時は気づかれないようにしないといけない。

そのためには、どうしても時期を見極める必要がある。

それにまだ準備ができていない。

時期と準備、この両方が揃って、ようやく浮遊大陸の天空城へと行き、レイリを助け出すことができるんだ。」


「・・・マコト様がそこまで言うのだから、その時期と準備というのは、とても重要なことなのだろう。

だがこれだけは教えてくれ。

その時期と準備が揃うのは、いつ頃になりそうなんだ?」


「今のところ、詳細な日程は何とも言えないな。」


「そうか・・・」


「だが少なくとも半年以内には実行できる予定だ。」


「長くて半年か・・・わかった。

詳細が決まったら、私たちにも教えてもらえると考えていていいんだな?」


「もちろんだ。

そのときには皆にも、いろいろと協力してもらうつもりだからな。」


「当然レイリを助けるためだ、私たちも協力は惜しまない。

遠慮なく何でも言ってくれ。」


「ああ、頼んだぞ。」


こうしてマコトからエイリの事情を聞いたメイドたちは、その理由に全員が納得していた。


そしてレイリを助けるという新たな目的に向かって、メイドたちは更に結束を強めたのだった。

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