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無双するご主人様のハーレム事情  作者: 不利位打夢
第16章 幻と夢の狭間
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ルフェの秘密15

しばらくして、ようやくルフェが泣き止んで落ちつきを取り戻すと、少し恥ずかしそうにしながらアイから離れた。


「・・・あの・・・ありがとう、アイ姉。

恥ずかしい姿を見せちゃってゴメンね。」


「いいえ、気にしないでください、ベルフェゴールさん。」


「ダメだよアイ姉、ルフェ、だよ。

昔みたいにそう呼んでもらえないかな?」


「いいのですか?」


「うん、その方が嬉しいから。」


「わかりました、ルフェさん。」


「ルフェ。」


「しかし・・・」


「ルフェ。」


全く引く気が無いルフェの姿に、とうとうアイの方が折れた。


「・・・わかりました、ルフェ。

これでいいですか?」


「うんっ、アイ姉!」


今のアイを受け入れたルフェは、嬉しそうにしていた。


そんなルフェの姿を、アイも優しい笑顔を浮かべながら見つめていた。


そこへ少し申し訳なさそうにしながらも、ベルが2人に話しかけてきた。


「最初はどうなるかと思ったが、ルフェも大丈夫そうだな。

それにしても先程のアイの姿を見る限り、以前マコトが言っていた仮説が正しいという信憑性が、かなり増してきたぞ。」


「仮説ってどういうことなの、ベル姉?」


「私たち姉妹が全員集まれば、アイの記憶が戻るのではないかというものだ。

先程ルフェを抱きしめていたアイの姿は、雰囲気も昔に戻ったようであった。

おそらくルフェと再会したことで、無意識に身体が当時を思い出したのではないかと思うがな。」


「じゃぁ他の皆のことも見つけてアイ姉に逢せれば・・・」


「うむ、アイの記憶が戻って、昔と変わらぬ姿を見せてくれるかもしれぬ。」


この話を聞いて、ルフェがすぐに行動しようとした。


「だったら早く皆を探しに行こう、ベル姉!」


今にもこの場を飛び出して行きそうなルフェだったが、それをベルが冷静に引き止めた。


「慌てるでない。

先程マコトが言っていたように、1人は近い内に向こうからやってくるのだ。

残る2人はいまだに行方がわからぬが、私たちが闇雲に探しても簡単には見つからぬであろう。

しかしマコトやアイが探してくれておるのだから、そちらは任せておけばよい。

私たちは私たちのできることをする、それが最善なのだと私は思うぞ。」


「私たちのできること?」


「そうだ。

まずはひよっこ共を鍛えることだ。

それはマコトの手伝いにもつながる。

つまり少しでもマコトに余裕が出来れば、その分皆の捜索がはかどるというもの。

そうは思わぬか?」


ベルの説明にルフェは少し考えたものの、すぐに納得した。


「なるほど・・・よーしっ、私も頑張るよ、ベル姉!」


「その意気だ、ルフェよ。」


「というわけで、これからは私もベル姉と一緒に、皆のことをガンガン鍛えちゃうからね!

アイ姉、私頑張るよ!

そしてアイ姉の記憶を、絶対に取り戻して見せるからね!」


張り切るルフェの姿に、アイは更にやる気が増す答えを返した。


「ええ、お願いね、ルフェ。」


「うんっ!」


そんな気合いの入ったルフェの姿を確認してから、アイはその場を離れることにした。


「・・・さてと、それじゃぁ私はマコト様にフィマちゃんを頼まれているから、そろそろあっちに戻るわね。」


「えーっ、まだいいじゃん!」


文句を口にするルフェの頭を撫でながら、アイは優しく諭した。


「大丈夫よ、これからはいつでもすぐに逢えるのだから、慌てる必要はないわ。

だから今はお互いにできることをしましょう。」


「・・・わかったよ、アイ姉。」


渋々ではあるが、ルフェが納得したのを確認してから、アイはマコトへと許可を求めた。


「ではマコト様、私は戻りたいと思いますが、よろしいでしょうか?」


「ああ、途中で呼び出して悪かったな。」


「お気になさらないでください。

マコト様にお声がけしていただけるだけで、私は幸せなのですから。」


「そうか。

引き続きフィマのことを頼んだぞ。」


「はい、お任せください、マコト様。

ベル、ルフェのこと助けてあげてね。」


「うむ、こちらは任せてくれ。」


「お願いね。

ルフェも頑張ってね。

それと後で時間を作るから、またそのときにゆっくり話しましょう。」


「本当!約束だよ!」


「ええ、必ず。

約束するわ。」


「うんっ、私頑張るよ、アイ姉!」


アイは元気いっぱいに応えたルフェの姿を楽しそうに見ながら、その場から離れていった。


その後ろ姿を見届けてから、ルフェはやる気に満ちた顔で、これからのことをマコトに尋ねてきた。


「・・・よーしっ、マコト、私は何をすればいいの!

何でも言ってよ!」


「とりあえず当面の間は、ベルと共に皆の訓練の手伝いを頼む。」


「任せてよ!

どうする、この後すぐに訓練はじめちゃう?」


完全にやる気になっているルフェであったが、それは叶わなかった。


「いや、さすがに今日はもう遅いからな。

それは明日の早朝訓練からだ。」


出鼻を挫かれたルフェであったが、特に気にした様子は無いようだ。


「残念だけど、まぁしょうがないね。

じゃぁ明日から頑張っちゃうよ!」


「ああ、頼む。

だがその前に、ルフェには他にやることが待っているぞ。」


「やること?何かあったっけ?」


「忘れているようだが、さっき一通り説明してから、質問の途中だっただろ?

皆知りたいことがいろいろあるみたいだから、早く次の質問がしたくてうずうずしているぞ。」


「あっ・・・忘れてた。

よーしっ、皆の質問に答えちゃうよ!

ただ、答えられる範囲でだけどね!」


このルフェの言葉を聞き、待ってましたと皆からの質問が殺到した。


まずは武人族の4人だ。


「ルフェは神だったのですね。」


「道理で桁外れに強いはずだ。」


「しかし今は神としての身体ではなく、人としての身体なのですよね?

神の力を使っても問題無いのですか?」


「うむ、それは気になるところじゃな。

先程の儂らとの模擬戦では、大丈夫そうではあったが、実際のところはどうなのじゃ?」


「あー、それなら大丈夫。

だってさっきは神としての力を全然使ってないから。」


このルフェの言葉に、イクスは驚きの声をあげた。


「えっ?・・・それはつまり、神となる前から、あれだけの強さを持っていたということですか!」


「そういうこと。

まぁ久しぶりに自分の身体に戻ったから、まだ完全には馴染んでないけどね。」


「それであの強さか・・・悔しいが今は素直に負けを認めるしかないな。

だがいつか必ず追いつき、そして追い越して見せるぞ!」


「いつでもかかってきなさい。」


熱くなっているルフェとノーラだったが、アーシアが気になっていた疑問を口にした。


「では、ルフェの神としての力とは、どういうものなのですか?」


この質問にどう答えたものかと迷ったルフェは、マコトへと確認を行った。


「うーん・・・マコト、これって説明しちゃってもいいの?」


これに対してマコトの答えは、あっさりしたものだった。


「別にルフェが問題無いなら、話しても構わないぞ。」


マコトにそう言われ、ルフェは少し迷うと、今度はベルへと意見を求めた。


「・・・ベル姉、話しちゃっても大丈夫かな?」


これに対するベルの答えも、実にあっさりとしたものだった。


「いいのではないか?」


「そんな簡単に・・・」


「別に何も考えていないわけではない。

むしろ今後のことを考えれば、知っておいてもらった方がいいかもしれぬと、私は思っておる。」


「どういうこと?」


「今後皆とは共闘することもあるはずだ。

そのときに私たちの神としての力について事前に知らぬと、下手をすれば巻き添えを食うかもしれぬ。」


「あー・・・確かにあり得ない話じゃないね。」


ルフェはベルの指摘を聞いて、その状況を想像すると、自分たちの神としての力を説明することに納得したのだった。

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