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無双するご主人様のハーレム事情  作者: 不利位打夢
第16章 幻と夢の狭間
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ルフェの秘密12

しかしこの後、少し状況の雲行きが怪しくなる。


「そして姉たちの準備ができたところで、いよいよ封印しようとしたんだが、そこで妹が思いもよらない行動を起こした。

これまでの戦いで、妹は動く生命体を破壊するためにしか、その力を使用してこなかった。

それが突然、周囲の全てを無差別に破壊しはじめたんだ。」


「これが封印を脅威と感じたからなのか、それとも最初から意図していたことなのかはわからない。

当時の姉たちにとっては、そんなことを考えている余裕はなかった。

今このタイミングを逃せば、二度と妹を封印するチャンスは訪れないとわかっていたからだ。

それほどまでにこの7日間で妹は驚異的な成長を見せ、もう少しで互いの力関係が逆転しそうだったこともあって、余計にそう感じたのだろう。」


「すぐに姉たちは、無理矢理ではあったものの、妹の封印をはじめることにした。

封印の方法は単純だ。

封印に組み込まれる2人が妹に取り付き封印を発動する、ただそれだけだ。

だがこのとき既に妹は自分の周囲の無差別破壊をはじめており、簡単に近づける状態ではなかった。」


「ではいったいどうしたのか。

それを説明する前に、まずはこのときの姉たちが優先順位をどう考えていたのか先に説明しておこう。

まず1番は妹、次に封印に組み込まれる2人、最後に残りの5人の順番だ。

そして自分たち以外の神や人、国や世界については、どうなろうと一切構わないと考えていた。」


「そんな姉たちが取った行動、それは封印に組み込まれない5人の姉が、封印に組み込まれる2人の姉を、その身を挺して妹の攻撃から守るというものだった。

もちろん自身の力を全力で使って防ぎながら、足らない部分は自ら身体を張って盾となって、という意味だ。

だが5人には封印後にもやることが残っているため、何があっても命だけは落とさないようにする必要がある。

その結果、5人の姉たちは瀕死の重傷を負うことになるものの、何とか命だけはつなぎ止めることができた。

そして捨て身の戦法が功を奏して、2人の姉は無事妹へ取り付くことに成功したんだ。」


「すぐに2人の姉によって妹への封印が施され、思惑通り無事妹を封印することに成功する。

更に瀕死の重傷を負った5人の姉たちは、何とか力を振り絞って封印ごと妹と2人の姉を、誰にも手出しができない異次元の彼方へと飛ばしたんだ。

しかし無事に妹の封印が成功したものの、このままでは肝心な妹の意識を取り戻す方法を探すことができない。」


「そこで5人の姉たちが取った方法が、神としての身体を捨てて、近くで意識を失っていた5人の女性の身体に、その魂を宿すことだった。

一時的に力が弱体化してしまうため眠りについてしまうが、時間をかければ回復することができるので、5人の姉たちは迷わず行動した。

結果として魂を宿すことに成功し、それから5人の姉たちは回復のために、しばらくの間深い眠りにつくことになる。」


「そこから5人は別々の道を進むことになる。

姉の1人が目覚めたとき、海底深くに住む種族の女性に宿っていた。

眠りについてから相当の年月が過ぎているようで、他の姉妹たちの行方はわからなくなっていた。

また最初に意識を移した女性は既に亡くなっているようで、今宿っているのはその女性の子孫らしく、どうやら自分の意識が密かに受け継がれていることに気づいた。」


「だがここで問題が発生した。

意識があって思考することができ、外の様子もある程度窺い知ることができるが、自由に行動することができなかったんだ。

また宿っている女性に素質が無かったため、意思疎通を交わすこともできなかった。」


「どうすることもできず、それから長い時を情報収集に費やすことになる。

その過程でわかったことは、宿っている女性は海人族という種族で、海の底深くにある国で生活しているということ。

どうやら海人族たちは、自分たちが生きていた古代文明時代の遺物を利用して、高度な文明の中で生活しているということ。

宿主の身分は高くないものの、代々その国の最高権力者の一族に仕えているということ、などがわかった。」


「それから何代にも渡って、女性の意識は子孫へと受け継がれていくことになる。

その過程で1つ判明したことがある。

自分の意識が表に出られるほどの素質が宿主に無くても、その思考を僅かに誘導することができる、ことだ。

例えば右に曲がれと何度も強く念じれば、宿主は無意識にその思考に誘導された行動をとるときもあることがわかった。

毎回上手くいくわけではないが、それでも自分の意思を僅かに伝える手段の発見は、女性にとっては希望の光であった。」


「更にそこから女性の意識が数多くの子孫を経たところで、ある襲撃者たちによって海人族が数名を残して滅んでしまった。

運良く女性の意識が宿った子孫は生き残ることができ、その後古くからの友人に助けられ、ある組織へと身を寄せることになる。

その組織では、海人族の子孫問題の解決にも協力してもらうことになっていた。」


「しかし解決には長い年月がかかることが予想されたため、組織から宿主の女性に、転生システムの使用許可が下りたんだ。

これによって転生システム内の海人族の細胞を利用して、子孫問題に関する研究を行うことになった。

そして宿主の女性は転生システムへと入ったのだが、組織には別の思惑もあったんだ。」


「それが、宿主の女性へ疑似人格を埋め込むことだった。

その目的は、一緒にいる海力の継承者を組織の管理下に置くことだ。

しかしこの思惑は、宿っていた女性の魂によって疑似人格の意識が抑え込まれてしまい、防がれてしまうことになる。

更にこのことが切っ掛けで、宿主の女性との意思疎通が取れるようになり、互いに協力関係を結ぶことに成功した。

これによって、ようやく自分の目的を果たすための第一歩を踏み出すことができたんだ。」


「それから宿主の女性たちにも手伝ってもらい、妹を助けるための方法を探しつつ、自由に動けるようになるために、本来の自分の身体を探しはじめた。

代わりに宿っている女性も、宿主の女性とその主の女性を手助けしていた。

だが調査は難航し、組織内の情報網を使用しても、一向に妹を助ける方法も、自分の身体も見つからなかった。」


「そんな状態が長年続いたが、突然宿主の女性とその主の周囲がキナ臭くなる。

それまで組織は2人を自由にさせていたのだが、急に秘密裏に監視が付くようになったんだ。

そこで主の女性の力を使い、組織から身を隠すことにした。」


「こうして2人は、気づかれることなく組織から抜け出すことに成功した。

そこからしばらくの間は、身を潜めながら調査を進めることになる。

しかし組織の情報網が使用できなくなり、更には組織に見つからないように行動する必要があったため、どうしても動きが制限されてしまう。

そのため調査は一向に進まず、つい最近までほとんど進展はなかった。」


「だが最近になって古くからの友人たちと再会し、そこへ身を寄せることになる。

まぁここまで話せば、ほとんどの皆が気づいていると思うが、宿主の女性というのは、セイのことだ。

そして宿っていた女性というのが、ここにいるベルのことだ。

ちなみに今ここにいるベルは、本来の身体に戻っていて、その身体は俺が事前に探し出して保管していたものだ。

その後は皆も知っての通り、俺たちと合流して行動を共にしているというわけだ。」


マコトはこれまで秘密にしていたベルとセイの関係を、ここで皆に話してしまった。


どうしてここで話してしまったのかというと、これにはいくつか理由がある。


まずはベルとルフェのことを話す上で、説明する必要があったからだ。


しかしそれは表向きの理由で、本当の狙いは別にあるのだが、このときマコトの意図に、皆は気づいていなかったのだった。

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