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無双するご主人様のハーレム事情  作者: 不利位打夢
第16章 幻と夢の狭間
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夢幻の森の試練11

その6人の姿を見届けてから、マコトはうずくまっている3人に声をかけた。


「・・・さてと・・・最初に聞いておくが、何で俺に確認しないで、黙って勝手にはじめたんだ?」


少し怒った感じのマコトの声に、3人は申し訳なさそうにしながらも、揃って口をつぐんでいた。


3人のその姿に、マコトはやれやれといった感じで表情を緩めた。


「はぁ・・・3人が何よりも、使命を果たすことを優先したい、という気持ちは俺にもわかる。

実際に使命を果たす切っ掛けは、俺が連れてきたミザリィ、ナタリィ、シェイラの3人だしな。

だが3人とも、前に俺が言ったことを忘れのか?」


ここでようやく3人が口を開いた。


「当然覚えています。」


「私たちが助かる方法を探してくれる、って言ってたやつだよね?」


「そう言ってくれたマコトの心遣いは、私たちも非常に嬉しく思うのである。」


「ですがそれは到底無理というもの。」


「見ての通り、私たちの存在はあと少しで分解されちゃうからね。」


「これは避けられない、私たちの運命なのである。」


「ならば私たちは私たちの意志で使命を果たすのみ。」


「それにどっちみち使命は避けられないからね。」


「無事に後のことは次代に託し終えた、もう何も心残りはないのである。」


そう言った3人の表情は満足そうであったが、ふと何かを思い出したようで、少し寂しそうな顔になった。


「・・・いいえ、それは嘘ですね。

正直に言うと、一つだけ心残りがあります。」


「ああ、あったねぇ・・・マコトとの約束が。」


「そうであるな。

あのマコトとの約束を果たせなかったことだけが、私たちの心残りである。」


「しかしそれはもう永遠に果たされることはありません。」


「残念だけど仕方ないよね。」


「最後にマコトとこうして逢うことができた、それだけで私たちは満足なのである。」


マコトの話をほとんど聞かずに、勝手に自己完結している3人に、マコトが盛大に長い溜息を吐いてから、呆れた声で文句を口にした。


「・・・はぁーーーっ・・・お前たちは本当に俺が何にも準備しないで、3人に試練を受けさせたと本気で思っているのか?

だとしたら俺のことを信じていなかったということだな。

それはものすごく心外だぞ。」


これに対して、精霊神が質問してきた。


「でしたら一応聞きますが、マコトは今の状態の私たちを助けられるというのですか?」


マコトは迷い無く即答した。


「ああ、助けられる。」


しかし答えを期待していなかったのか、マコトが答えると同時に諦めの言葉が出ていた。


「まぁそう上手くいくわけないよね・・・って、今マコトなんて言ったの!」


マコトの答えがよく聞こえず、妖精神は慌てて聞き返してきた。


すぐにマコトは同じ答えを口にした。


「助けられると言ったんだが?」


今度はちゃんと聞こえたようで、3人は驚きの表情を浮かべていた。


しかしまだ信じられないようで、幻精神が改めて確認してきた。


「そっ、それは本当であるか!」


「さっきからそう言ってる。

それをお前たちは勝手に先走って・・・おかげでこっちの予定が大幅に狂ってしまったぞ。

せっかく準備してきたのが最初からやり直しだ。」


「でっ、では、マコトは私たちとの約束を守って、私たちが使命を果たした後も存在し続けられる準備をしてきた、そう言うのですか?」


「そうだ。」


「でも、いったいどうやって?」


「この方法を思いついた切っ掛けは、預かった精霊の欠片だ。」


「精霊の欠片?確か新たな精霊たちの誕生を促進する方法を探ってもらおうと、いくつかマコトに預けてあったであるな。」


「そして武人族と直接出逢い、新たに誕生した武精族によって、確信へと至ったわけだ。」


「武人族と言うのは、遥か昔に不幸にもここから物質世界に落ちてしまった精霊の欠片が成長した娘たちですね?

確か運よく武器に宿ることができ、物質世界で生きていくことができていると聞いています。」


「武精族は、さっき進化したあの娘たちのことだよね?」


「しかしわからぬ。

精霊の欠片と2つの種族、それがどうして私たちを助けることにつながったのであるか?」


「まず精霊の欠片と言うのは、自我を持つ前の精神世界の住人の卵のことだ。

この状態なら物質世界でも存在することはできる。

しかし自我が芽生えてしまうと、物質世界では存在そのものが薄れてしまい、やがて分解されて精命の木へと帰ってしまう。

まさに今の3人の状態と同じだな。

だが自我が芽生えても物質世界で存在を保っている者たちがいる。

それが武人族と武精族だ。」


「それはつまり、私たちも武器や防具に宿ることで存在を保ちつつ、物質世界でも存在を維持することができる、ということですか?」


「その考えでほぼ間違っていない。」


「じゃぁマコトは、私たちが宿る武器か防具を用意してくれたんだね!」


「本来はそうなんだが・・・」


「そのような渋い顔をして、どうしたのであるか、マコト?」


「まずいくつか訂正しておく。

自我が芽生える前の存在であれば、武器や防具に宿ることは可能だ。

しかし既に自我が芽生えてしまっている3人は、武器にも防具にも宿ることができない。」


「では私たちは何に宿ればいいのですか?」


「これだ。」


そう言ってマコトは、それぞれ3人の前に、真っ白な片手剣用の鞘を出した。


「これって・・・鞘、だよね?」


「ああ、武器でも防具でもない、剣を収めるための鞘だ。

しかしただの鞘じゃない。

特殊なアイテムを埋め込んだ特別製だ。

これなら既に自我が芽生えていても、本来は大丈夫なんだが・・・」


「何か問題があるのであるか?」


「大ありだ。

本来は先に、体内にある精石の情報を鞘に登録する必要があったんだ。

それをお前たちが勝手に精石を継承したもんだから、もうその方法は使えなくなってしまった。」


本来助かる方法があったのに、自分たちの早とちりの所為で、その方法が使えなくなってしまったと知り、3人は今更ながら後悔していた。


そのため生への執着が生まれ、他の方法が無いのかとマコトにすがってきたのだ。


「すっ、すみません・・・」


「じゃっ、じゃぁどうするの?」


「なっ、何か他に方法はないのであるか?」


そんな慌てた様子の3人だったが、すぐにマコトから、まだ希望があることを告げられた。


「・・・方法が無いわけじゃない。」


この言葉に、3人が飛びついてきた。


「それは本当ですか!」


「どうすればいいの!」


「私たちに協力できることならば、何でもするのである!」


「・・・その言葉に二言は無いな?」


「はいっ!」


「うんっ!」


「うむっ!」


「・・・わかった。

だがあまり時間が無いから詳しい説明は省くぞ、いいな?」


「はいっ!」


「うんっ!」


「うむっ!」


「それじゃぁまずは、これを持ってくれ。」


マコトは先程3人が体内から取り出した精石と同じような宝石を渡した。


それを3人は右手で受け取り、いろいろな角度から見て、その宝石が何なのか観察しはじめた。


「これは・・・精石、ですか?」


「いいや、違う。

とりあえず疑似的な精石だと思ってくれればいい。」


「じゃぁこれがあれば私たちは助かるんだね!」


「それも違う。

その石は今のままでは何の力もないからな。」


「ではどうするのであるか?」


「こうするんだ。」


そう言ってマコトは、3人に向けて手のひらを広げた状態で両手を突き出した姿勢になった。


そして、霊神力、妖神力、幻神力を同時に発動し、その力をそれぞれ球状に集約した。


「・・・準備ができたから、すぐにはじめるぞ。

疑似精石をお腹に当ててくれ。」


「はいっ!」


「うんっ!」


「うむっ!」


3人は素直にマコトの指示に従って、右手に持つ疑似精石を自分たちのお腹に当てた。


それを確認してから、マコトは3人に注意点を伝えた。


「それと俺が許可するまで我慢して何もするなよ。

行くぞ!」


「えっ?それはどういう・・・(×3)」


直前になってマコトが気になることを口にしたので、3人はそれについて確認しようとしたが、それは叶わなかったのだった。

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