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無双するご主人様のハーレム事情  作者: 不利位打夢
第16章 幻と夢の狭間
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夢幻の森の試練8

ミザリィの両手には、リスットが武器化した双剣が握られていた。


右手には黒剣、左手には白剣が握られているのは変わらないが、その形状は今までと大きく異なる。


刃が持ち手を中心に上下に伸びており、更に持ち手部分をカバーするように上下の刃がつながっている。


長剣のちょうど中間に持ち手があるような形で、それぞれの長さは以前と変わらないものの、これまでとは扱いが全く異なりそうだ。



ナタリィの左手には、リーフェが武器化した弓が握られていた、かに見えたのだが、よく見るとその形状は籠手と弓が一体化した姿であった。


そのため今まで弓を握っていた左手が自由になったようだ。


しかしおかしい点がある。


籠手に一体化しているとはいえ、形状は確かに弓なのだが、何故かこれまで存在していたはずの弦が張られていないのだ。


あれではどのように矢を射るのかが謎だ。


矢も見当たらないが、それについては今までと同じように、自身の力を具現化して矢を生成すると思われる。



シェイラの右手には、武器化したファムが握られているのだが、こちらはこれまでの鞭とは違い、諸刃の大剣の姿であった。


その特徴として、刃の長さがティリアのパートナーであるノンが武器化した姿よりも1.5倍ほど長いことだ。


逆に刃の幅は、半分にも満たないほど細くなっている。


唯一武器の種類自体が変わってしまったことで、3人の中で一番扱いに苦労しそうだ。



その様子を、精霊神たちは準備が終わるまで黙って見ていた。


理由として、新たに進化した3人のパートナーたちの情報を少しでも収集するためだ。


同時に奪われはじめていた主導権を取り戻すために、精神を休息させてもいた。


おかげで僅かな時間ではあったが精神が休まり、落ち着きを取り戻していた。


「・・・あれが進化ですか・・・その名の通り、すさまじい力を感じます。」


「元々進化させるのが目的の1つだったけど・・・でもあれってまずいんじゃない?」


「いいや、そうとも言えぬのである。

突然あそこまで力が増して、なおかつ形状までもが変化してしまうと、扱う方にとっては逆に扱いづらいであろう。

それで、ここからはどうするであるか?」


幻精神の問いかけに、精霊神は少し考えてから意見を口にした。


「・・・少し休めたおかげで、切れかけていた集中力も僅かですが戻りました。

進化した力は未知数ですが、慣れない力を使うのです、主導権は再び私たちが握れるでしょう。

ですから先程までと同じ戦法で問題無いと思います。」


この精霊神の考えに、妖精神と幻精神も同意した。


「私もそれでいいと思うよ。

どっちみちアレを真似るのは無理だしね。」


「であるな。

ならば今しばらく、試練に付き合ってもらうとしよう。」


「そうですね・・・どうやらあちらも準備ができたようです。」


3人が進化して新たな武器の姿となったパートナーを構えたのを見て、精霊神たちも臨戦態勢を整えた。


「では再開するとしましょう。」


「うん。」


「うむ。」


まずは主導権を奪って仕切りなおそうと、精霊神たちが先に動いた。



精霊神はジャンプしてミザリィの頭上から双剣を振り下ろしてきた。


それをミザリィは自身の双剣、それも左手に持つ白剣、その上下の刃で、精霊神の双剣をそれぞれ受け止めたのだ。


だがそれで終わりではなかった。


ミザリィは右手に黒剣を握った状態で、そのまま精霊神に向かって殴り掛かったのだ。


そのまま攻撃を受ければ、柄の部分を覆っている刃で切られてしまう。


咄嗟に精霊神はその攻撃を防ぐために、攻撃に使用していた左手の剣を防御に回して、何とかミザリィの攻撃を受け止めた。


しかしそれが隙となってしまった。


ミザリィがその隙を見逃すはずはなく、左手に持つ白剣の下の刃で受け止めていた精霊神の剣を、剣を僅かに傾けて受け流すように力の方向を変えたのだ。


更にそのタイミングに合わせて、ミザリィが右手の黒剣に風を纏わせながら、力を入れて押し込んできた。


精霊神は体勢を崩してしまったところへ左手の剣で防いでいた黒剣の威力を支えきれず、そのまま吹き飛ばされて離れた場所で地面に叩きつけられてしまった。



妖精神はナタリィに向けて、最初に複数の矢を上空に放ち、次に逃げ場を塞ぐように真っすぐ矢を連射した。


これに対してナタリィは、まずは真っすぐ飛んできた矢を、弓と一体化した左手の籠手の部分で全て防いで見せた。


更に上空から降り注ぐ矢の雨に対しては、左手を上空に向けて、一度だけ横に薙いだ。


そこへそれまで存在していなかったはずの複数の矢が、弓から放たれたのだ。


ナタリィが放ったそれらの矢は、妖精神があらかじめ上空に放っていた矢に命中し、全て防いでしまった。


このとき妖精神は、その光景に一瞬驚いてしまい、僅かな隙ができてしまった。


それを見逃さず、ナタリィは存在しないはずの弦を引く動作をした。


するとその瞬間に弓が激しくしなり、光でできた弦と、同じく光でできた矢がつがえられていた。


ナタリィはすぐさま光の矢を妖精神に向けて放った。


その矢の速さはこれまでの比ではなく、避けられないと判断した妖精神は、すぐに防御姿勢を取った。


しかし矢が妖精神に当たる瞬間、突然蜘蛛の巣状に変化し、全身に絡みついてきたのだ。


よく見るとそれは植物の蔦のようで、妖精神の身体を拘束して身動きが取れなくなってしまった。



幻精神はシェイラの新しい武器、大剣の間合いに入らずに、鞭の間合いから攻撃を放っていた。


それらの攻撃をシェイラは何なく避けており、更に少しずつ間合いを詰めてきていた。


後10mほどでシェイラの大剣の間合いに入ってしまう、危険を感じた幻精神は、一度距離を取って仕切り直そうとした。


そこへそれまで防御だけしていたシェイラが、突然大剣を地面に突き立てたのだ。


すると地面が激しく揺れ、幻精神の足元で地割れが発生した。


危うく地割れに足を突っ込みそうになった幻精神であったが、何とか避けることに成功したのだが、代わりに体勢を僅かに崩してしまった。


シェイラがそんな隙を見逃すはずもなく、幻精神のいる方に向けて、間合いの外から大剣を横に薙いで攻撃を放ってきたのだ。


当然間合いの外からだったので、幻精神はただの牽制だと思い、特に警戒はしなかった。


しかしその判断が間違っていた。


何故なら突然大剣の間合いが伸びてきたのだ。


よく見るとシェイラの大剣は、無数の短い刃が連結した状態で構成されている。


刃同士の隙間が密着しているときは、普通の大剣と変わりない。


だが刃同士の隙間が広がると、それが関節のような役割を果たし、まるで鞭のようにしなって、自由自在に変形するようだ。


更に刃同士の隙間が広がれば広がるほど、それに比例して間合いも広くなるらしく、鞭のときと比べても間合いはほとんど変わっていない。


そのため完全に武器の間合いを見誤っていた幻精神の右足には、シェイラの武器が巻き付いていた。


すぐにシェイラは幻精神を勢いよく引き寄せ、そのまま上空に向かって勢いよく投げた。


そして幻精神の身体が武器の長さの限界まで上空に到達すると、今度は勢いよく引き寄せて地面に思いっきり叩きつけた。



ことごとく返り討ちにあってしまったが、精霊神たちは何とか顔を動かして、視線を対戦相手へと向けた。


しかし既に目の前には、それぞれに武器を突きつけている3人の姿が目に入ってきた。


そこには微塵の油断も慢心なかった。


そのため、精霊神、妖精神、幻精神には、今の現状を打破して体勢を立て直すことは、どう考えても自分たちにはできないと思ってしまったのであった。

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