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無双するご主人様のハーレム事情  作者: 不利位打夢
第16章 幻と夢の狭間
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夢幻の森の試練6

それから更に数時間が過ぎたが、状況は思ったよりも好転していた。


防戦一方だった戦いが、今では互角以上に、むしろ攻勢に傾いていた。


パートナーが成長したというのもあるが、それ以上にミザリィ、ナタリィ、シェイラ、この3人の力が精霊神たちの力と拮抗しだしたのが大きい。


では何故力が拮抗しだしたのかというと、それはここにきて互いの精神力の差が出はじめたからだ。


ミザリィ、ナタリィ、シェイラは、時間が経てば経つほど戦いに集中している。


だが逆に精霊神、妖精神、幻精神は、時間が経てば経つほど戦いに集中できなくなっているようだ。


その原因として、お互いの普段の生活内容に大きな差があるからだろう。


ミザリィ、ナタリィ、シェイラは、訓練とはいえ格上を相手に、ほぼ毎日戦いの中に身を置いている。


一方で精霊神、妖精神、幻精神は、普段精界でのんびり穏やかに過ごしているので、まず戦いを行うことがない。


そのため戦いを続けるために必要な集中力の持続に差が出たようだ。


そして戦いに集中できなくなるということは、その実力を常に最高の状態で発揮することができなくなる、ということにつながる。


高い集中力を維持したままの相手に対して、集中力が著しく低下してしまっている状態では、その実力は十分に発揮できない。


だからこそ形勢が逆転したのだ。


そんな戦いの様子を見て、マコトの傍にいる謎の女性が、試練がはじまってから初めて口を開いた。


「あちゃー・・・数日くらいは問題無いと思ってたんだけど、やっぱり直接戦うのに慣れてない分、意外と早く精神的な疲労が出ちゃってるわね。

でも今の状況から見て・・・あと半日くらいは決着がつかないかしらね。」


謎の女性は見通しが甘かったかと悔しそうにしているものの、余裕の表情を崩すことはなかった。


だがその考えに、隣にいるマコトが異を唱えた。


「それはどうかな。」


マコトの言葉に、謎の女性はすぐに興味を示してきた。


「なになに、もしかしてあの娘たちにはまだ何かあるの?」


「いや、そうじゃない。」


「だったら私の予想通りの展開になりそうだけど?」


「普通ならそうだろうな。

なぁ、あの2組の姿を見て、どう思う?」


マコトに言われて、謎の女性は全員の様子を改めてよく見てみた。


「どうって・・・精霊神たちの方は精神的疲労の所為で、早く休みたい、って思ってる感じかしらね。

まぁ試練だから手を抜くことはないと思うわ。」


「そうだな。」


これについては、マコトも同意していた。


「そしてあの娘たちの方は・・・何か全員楽しそうね。

意外にも戦闘大好きっ娘たちなのかしら?」


だがこちらについては、謎の女性の考えを訂正してきた。


「ちょっと違うな。

3人ともこれまで感じていたズレを少しずつ修正することができて、思い通りに動くことができるようになったことが嬉しいんだろう。」


「どういうことなの?」


「簡単な話だ。

精霊神たちは3人の全てを写し取り、そしてその力を常に最大限に発揮していた。

つまり3人にとっては、目の前に最高のお手本がいるというわけだ。」


謎の女性はこのマコトの言葉だけで状況を理解したようだが、全てではないようだ。


「なるほどね・・・でもそれらを加味したとしても、決着がつくのはまだ先だと私は思うわ。

マコトが私とは違う考えに至った根拠は何なの?」


「まぁそれはこれまでの経験からだな。

確かに今のままでは決着がつくのは半日後くらいだろう。

それについては俺も同じ意見だ。

だが今の入っている状態の3人になら、きっと応えてくれるはずだ。」


「入ってる状態?

それってあの娘たちが持つ武器、確かパートナーって言ってたわね。

そのパートナーが応えてくれるってこと?」


「そうだ。

今は武器の姿だが、俺の予想ではそろそろはじまるぞ。」


「はじまるって何が?」


「当然、進化がだ。」


「それは精霊、妖精、幻精としての自我が芽生える、ということね?」


「いや、それは少し違う。」


「でも精霊の欠片が使われているのよね?

そうなると、新たな精霊、妖精、幻精の目覚め、ということになるのではないのかしら?」


「違うだろうな。

それは前例が証明している。」


「前例と言うと、武人族の娘たちのことかしら?」


「それもあるが、実際に3人のパートナーと同じ存在が成長した結果、武人族でも精霊でもない存在へと進化したからだ。

当然、妖精や幻精などとも違う。

俺はその新たな種族を、武精族、と名付けた。」


「武精族・・・それは物質世界に対応した武人族とは対照的に、精神世界の存在、ということかしら?」


「いいや、武精族も物質世界で活動できるように実体を持っている。

しかしその力の根源が違うんだ。」


「力の根源?

それはどういう・・・」


謎の女性はその意味をマコトに尋ねようとしたが、答えは返ってこなかった。


「とりあえずその話は後だ。」


「もったいぶる必要は無いと思うけど?」


「そうじゃない。

俺が説明するより、実際に見た方が早いからな。

見ろ、どうやらはじまったようだぞ。」


「まさかっ!」


謎の女性はマコトの言葉で慌てて視線を3人に戻した。


すると3人が持つ武器が、突然一瞬だけ激しく光って、そのまま光の玉になった。


そして鼓動が聞こえてくると光の玉にひびが入り、中から10歳くらいの少女たちが出てきたのだ。


その光景にミザリィ、ナタリィ、シェイラは、思わず攻撃の手を止めてしまった。


どう見ても絶好の隙だったが、何故か精霊神たちも動きを止め、その光景を黙って見ていた。


精霊神たちの表情からは、とても神聖な儀式を邪魔しないようにしているように見える。


ミザリィ、ナタリィ、シェイラも、そう思っているのか、精霊神たちが横槍を入れるなどとはこれっぽっちも考えていないようだ。


そんな中、現れた少女たちが目の前にいる自分たちのパートナーへ向けて口を開いた。


最初はミザリィの前に立つ、黒髪でショートカットの少女だ。


「・・・リスット・・・よろしく。」


短い言葉で話すその姿は、ナタリィとよく似ている。


次はナタリィの前に立つ、白金髪でショートカットの少女だ。


「どぉーもぉ-っ、リーフェだよ!」


逆にこちらは人懐っこく、ミザリィとよく似ている。


最後はシェイラの前に立つ、漆黒の黒髪で腰まで長い綺麗なストレートの少女だ。


「ファムと申します。」


その所作は礼儀正しいものながら、とても自然であった。


3人の少女が自己紹介を終えると、今度は逆にパートナーの3人が、緊張した面持ちで順番に口を開いた。


最初はミザリィだ。


「えーっとぉ・・・リスット・・・だったよね?」


「うん。」


次はナタリィだ。


「リーフェ?」


「そうだよ。」


最後はシェイラだ。


「ファム、ですね?」


「はい。」


「私のパートナーなんだよね?」


「うん。」


「進化した?」


「そうだよ。」


「ノンやステラと同じく、3人とも第三段階になったのですね?」


「はい。」


そこまで確認をすると、それまで緊張しておとなしかったミザリィが、とうとう我慢の限界を超えたようだ。


「・・・や・・・」


「や?」


「・・・やったーっ!

何でかわかんないけど、リスットが進化してくれたよーっ!」


大喜びをするミザリィの姿に、ナタリィとシェイラも表情を緩めて緊張を解いていたのだった。

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