夢幻の森の試練2
女性が開けたドアの先に進むと、そこには広大な湖が存在し、その遥か彼方の中心には、巨大な大木がそびえ立っていた。
その大木は連合に存在する神聖樹などの大木5本全てを合わせたよりも太く高く、圧倒的な存在感が感じられる。
3人が大木に目を奪われていると、そこへ新たな人物たちが6人やってきた。
6人の内3人は、美人で背が高い大人の女性の姿をしており、年齢は25歳くらいに見える。
ただ特徴的な髪の色をしており、それぞれ翡翠、深紅、紫紺で、地面にまで届きそうなほど長かった。
残りの3人は、多少幼さが残る顔立ちながらも、とても美しく身体の発育もなかなかのもので、将来がとても楽しみな美少女たちだ。
見た感じの年齢は15歳くらいで、3人ともショートカットの白髪である。
その中の1人、翡翠の髪の女性が口を開いた。
「よく来ましたね、資格を有する者たちよ。
私たちは遥か古より、真の契約者に至る可能性がある者たちを待っていました。
私は精界と夢幻の森を治めている存在の1角を担う、精霊神、です。」
続いて深紅の髪の女性が名乗りを上げた。
「私は、妖精神、だよ。」
残る1人、紫紺の髪の女性も名乗りを上げた。
「同じく、幻精神、である。」
「そしてこの場にはいないもう1人を合わせた4人で、精界と夢幻の森を治めています。
まずは貴女方の名前を教えていただいてもいいですか?」
突然精霊神に名前を尋ねられた3人は、緊張しながらもすぐに名乗った。
「はっ、はいっ!(×3)」
「ミザリィです!」
「ナタリィ。」
「シェイラです。」
そんな3人をジッと見て、精霊神がミザリィの前に、妖精神がナタリィの前に、幻精神がシェイラの前にそれぞれ立った。
「ミザリィは霊神ですね。」
「そうですっ!」
「ナタリィは妖神だね。」
「うん。」
「シェイラは幻神であるな。」
「はい。」
正確に継承者としての力を言い当てられ、いよいよ試練がはじまるかと、3人に緊張が走った。
そんな3人の心の中を見透かしたかのように、精霊神、妖精神、幻精神が、優しい口調で気遣うような言葉を口にした。
「3人とも、そう固くなる必要はありません。
普段通りにして構いません。」
「そうだよ、もっと気楽に行こうよ。」
「そうである。
ありのままの自分でおればよい。」
その言葉で肩の力が抜けたようで、3人はリラックスできたようだ。
「はい。(×3)」
3人が落ちついたのを確認してから、精霊神が話を続けた。
「それでは次に、この子たちの紹介をしましょう。
3人とも、まずは自己紹介しなさい。」
精霊神に促され、それまで後ろで黙って控えていた3人の美少女が、順番に自己紹介をはじめた。
「はい。(×3)」
「私は次代の精霊神を担う、精霊姫です。」
「私は次代の妖精神、妖精姫だよ。」
「同じく、次代の幻精神、幻精姫である。」
3人の容姿はまるで三つ子のようであったが、次代というだけあって、その口調は精霊神、妖精神、幻精神にとてもよく似ている。
そして互いの自己紹介が終わると、精霊神が早速本題へ入った。
「では挨拶はこれくらいにしまして、早速ですが試練についての話をはじめます。
・・・と言いたいところなのですが、正直なところ、どのような試練にするか全く考えていなかったのです。」
「えっ!?(×3)」
精霊神の発言に驚く3人だったが、そこへ妖精神が文句を口にした。
「ちょっとちょっと、自信満々な顔して自分に任せろって言ってたのに、何で何も考えてないのよ!」
更に幻精神からも抗議の声が上がっていた。
「全くである。
ならば以前の二の舞を防ぐためにも、ここはじっくりと考査して内容を吟味する必要がある。」
話しの雲行きが怪しくなってきたが、そこへいまだに素性がわからない女性が話に入ってきた。
「はいはーいっ、だったら私にいい考えがあるよ。
とりあえず話だけでも聞いてみない?」
女性の言葉に精霊神は警戒するような表情をしていた。
だが何も考えていなかった自分に向いている批判の矛先を避けるために、まずは女性の話を聞くことにしたようだ。
「・・・一応聞いておきましょう。
それで、貴女の考えはどのようなものですか?」
「それじゃぁちょっと耳貸して。」
そう言いながら女性は精霊神に近づき、耳元で自分の案を伝えた。
妖精神と幻精神も自分たちの耳を精霊神と女性の顔に近づけ、一緒になって話を聞いていた。
「・・・っていう内容なんだけど、これなら試練ぽくない?」
女性の考えを聞き、精霊神は少し考えてから納得していた。
「・・・なるほど・・・確かにそれはいい考えですね。
2人はどう思います?」
「いいんじゃない。
私はそれでいいと思うよ。」
「私もいいと思うである。」
「決まりですね。
では試練について伝えます。
まず試練は全員同時に同じ試練を受けてもらいます。
もちろん全員で協力していただいて構いません。
ただし、試練は全員が条件を満たさない限り終了としません。
つまり1人でも条件を満たしていない間は、試練が続きます。
ここまではいいですか?」
突然説明をはじめた精霊神であったが、3人は既に心構えができていたようだ。
そのため冷静に精霊神の説明へ耳を傾けたいたらしく、返事だけして続きを促した。
「はい。(×3)」
「では次に試練の内容ですが、貴女方全員が、ここにいる私たち6人にその力を示すことです。
精霊神である私と精霊姫に霊神としての力を。
妖精神と妖精姫に妖神としての力を。
幻精神と幻精姫に幻神としての力を。
私たちに貴女方全員の力を認めさせることができれば、条件を満たしたとして試練は終了となります。
そして、精霊、妖精、幻精と、それぞれ契約を結ぶことができるようになります。
試練については以上になります。
何か質問はありますか?」
精霊神が話を終え、3人に問いかけてきた。
そこへ真っ先にシェイラが質問をしてきた。
「力を示せ、とは、具体的にどうすればいいのでしょうか?」
そのシェイラの質問に対して、答えたのは妖精神だった。
「そのままだよ。
戦って私たちを屈服させればいいんだよ。」
続いてナタリィが質問をした。
「武器の使用は?」
今度は幻精神が答えてくれた。
「もちろん構わぬ。
当然こちらも同様である。」
そこまで聞いて、ミザリィが急かしてきた。
「じゃぁ早くはじめようよ。
私たち急いでるんだ。」
するとそれを聞いた精霊神が、質問を打ち切って早速試練の準備に取りかかった。
「・・・まぁいいでしょう。
ではすぐに準備しますから、少し待っていてください。」
精霊神がそう言うと、妖精神と幻精神と共に、3人は湖の中へと入って行ってしまったのだった。




