エルフとダークエルフの出産10
マコトとシルフィナがそんな考えを巡らせているとき、フィマはある人物のことをジッと見ていた。
その視線を向けられている人物、ティリアが、そんなフィマに気づいて話しかけてきた。
「うん?・・・どうしたの、フィマちゃん?」
するとフィマは、ティリアのある場所を指差して質問してきた。
「・・・うーんとねぇ・・・てぃーちゃん、そのこだあれ?」
フィマが指差した先は、ティリアの右手にある腕輪だった。
「えっ!?フィマちゃん、もしかしてこの娘のことわかるの?」
ティリアは驚きながらも理由を尋ねると、フィマが元気に答えてくれた。
「うんっ!
だってさっきからてぃーちゃんが、そのことおはなししてるんだもん!
フィマもいっしょにおはなしする!」
どうやらフィマは、ティリアとノンの心の中での会話に気づいたようだ。
それを聞いたからか、ティリアの腕輪が光を放つと、ノンは人型になった。
「あちゃーっ、見つかっちゃったか。」
突然ノンが現れたにもかかわらず、フィマはビックリするよりも興味津々なようだ。
「ねぇねぇ、おねえしゃんは、だあれ?」
「私は、ノン、だよ。
よろしくね、フィマお姉ちゃん。」
「?・・・フィマ、おねえしゃん、なの?」
「そうだよ。
私はマコト父さんが作ってくれたから、フィマお姉ちゃんの妹でもあるんだよ。」
「でも、フィマよりおっきいよ?」
「あはははっ、確かに私の方がおっきいけど、私は生まれたばかりの0歳だから、フィマお姉ちゃんの妹なんだよ。」
「そうなの?」
「まぁフィマお姉ちゃんには難しいよね。
だから今はまだ気にしなくていいから、私のことは好きに呼んでくれればいいよ。」
「うーんとぉ、うーんとぉ・・・のんちゃん、じゃだめ?」
「もちろんいいよ。」
「やったーっ!」
喜ぶフィマだったが、いつもならここでエマも一緒になって話に参加しているはずなのだが、何故か別の方向を静かにジッと見ていた。
何を見ているのか気づいたノンが、エマに声をかけた。
「ねぇねぇ、何を見てるの?」
するとエマは、自分の視線の先にいる、サラの右手にある腕輪を指差した。
「・・・あれ、だあれ?」
「あちゃーっ、ステラも見つかっちゃったか。
ステラ、観念して出てきなよ。」
そのノンの言葉に応えるように、サラの腕輪が光を放つと、ステラも人型になり挨拶をした。
「見つかってしまいましたね。
初めまして、私は、ステラ、です。
どうぞよろしくお願いします。」
「うんっ!
じゃぁじゃぁ、すーちゃん、だーっ!」
「はい、それで構いませんよ、エマお姉さん。」
「?・・・エマも、おねえしゃん、なの?」
「はい。
ですが今は気にしなくて大丈夫です。
私やノンのことは、サラやティリアと同じと思ってくれて構いません。」
「うーんとぉ・・・わかったーっ!」
「エマお姉ちゃん、私のこともよろしくね。」
「うんっ!えーっとぉ・・・のんちゃん!」
「正解だよ!」
「やったーっ!」
「フィマお姉さん、よろしくお願いしますね。」
「うんっ!すーちゃん!」
フィマとエマはノンとステラに元気に答えると、そのまま次の質問をしてきた。
「ねぇねぇ、のんちゃん、すーちゃん、あのこたちは、だあれ?」
「だあれ?」
そう言ってフィマとエマは、ミザリィ、ナタリィ、シェイラの3人を指差していた。
だがそのフィマとエマの思いもよらなかった指摘に、ノンとステラが驚きの声を上げていた。
「えっ!?」
「どういうことです!?」
それに気づいた3人が、フィマとエマの許に近づいてきた。
「上手く隠せたと思ったんだけど、見つかっちゃったね。」
「残念。」
「もう姿を現してもいいですよ。」
3人がそう言うと、腕輪が光を放ち、そこに3人の子供が姿を現した。
3人ともノンやステラと同じく、10歳くらいの容姿だ。
その姿を見て、ノンとステラがすぐに抗議の声を上げていた。
「ちょっとちょっと、いつの間に人型に変化できるようになったの!
ステラ聞いてた?」
「私は何も聞いていません。
どういうことなのか、説明してもらえますね?」
そんな2人の疑問に対して、まずはミザリィーのパートナーが答えた。
その姿はミザリィと同じく、ショートカットの黒髪なのだが、口調はナタリィに似ている。
「・・・ビックリさせようと思って黙ってた。」
そこへ今度は、ナタリィのパートナーが答えた。
その姿はナタリィと同じく、ショートカットの白金髪なのだが、口調はミザリィに似ている。
「せっかく頑張って隠してたのに、まさか発表する前にお姉ちゃんたちに見つかっちゃうなんてね。」
最後に残る1人、シェイラのパートナーが答えた。
その姿はシェイラと同じく漆黒の黒髪で腰まで長い綺麗なストレートなのだが、口調はだいぶ堅そうな印象だ。
「バレないように我らだけで話していたとはいえ、見つかってしまったものは仕方あるまい。
我らよりも姉様たちの方が上手だったということだ。」
どうやら3人は、皆を驚かせようとして、第三段階へ至ったことを隠していたらしい。
それはノンやステラに対してもで、この後話す予定であった試練の内容と共に発表するつもりだったのだろう。
そんなサプライズ演出をフィマとエマに見破られてしまったため、この場で先に3人の紹介を行うことにした。
「じゃぁせっかくだから紹介しちゃうね。
まずは私のパートナーからだよ。」
ミザリィに背中を押されて、黒髪の少女が自己紹介を行った。
「・・・リスット。」
「うーんとぉ・・・りすちゃん!」
「りすちゃん!」
「うん、それでいい。」
「やったーっ!(×2)」
「次は私のパートナー。」
今度はナタリィに背中を押されて、白金髪の少女が自己紹介を行った。
「リーフェ、だよっ!」
「えーっとぉ・・・りーちゃん!」
「りーちゃん!」
「うんっ、いいよ。」
「やったーっ!(×2)」
「最後に私のパートナーです。」
シェイラが残りの1人に視線を向けると、漆黒の黒髪の少女が自己紹介を行った。
「ファム、と申します、以後お見知りおきを。」
「じゃぁ・・・ふぁーちゃん!」
「ふぁーちゃん!」
「はい。」
「やったーっ!(×2)」
3人が挨拶をすると、そこへフィマとエマが確認するように呼びやすい名前を呼ぶといったことを繰り返していた。
そして3人の挨拶が終わると、フィマとエマも挨拶を返した。
「フィマだよ!」
「エマだお!」
そんな2人に3人も笑顔で答えた。
「フィマ姉さん、エマ姉さん、よろしく。」
「仲良くしてね、フィマお姉ちゃん、エマお姉ちゃん!」
「フィマ姉様、エマ姉様、どうぞよろしくお願いします。」
「うんっ!(×2)」
フィマとエマは、どんどん増えていく新たな姉妹たちの登場に、満面の笑みを浮かべていたのだった。




