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無双するご主人様のハーレム事情  作者: 不利位打夢
第16章 幻と夢の狭間
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エルフとダークエルフの出産4

シェイラは辛そうなアリアの傍へとやってくると、その手を握って謝罪の言葉を口にした。


「母様、遅くなってしまい申し訳ありません。」


しかしアリアはシェイラの姿を見て安心したのか、笑顔を浮かべると、無言で首を横に振った。


そんなシェイラに、シルフィナが声をかけた。


「シェイラさん、そのままアリアさんの手を握りながら声をかけ続けてあげてください。

もう少しで生まれますよ。」


「はいっ!

母様、頑張ってください!」


そのシェイラの言葉で元気を取り戻したのか、アリアの表情は先程よりも余裕を取り戻していた。


するとそれまでゆっくり出てきていた赤ちゃんが、少しだけ速く出てきた。


そしてシルフィナとトウカが、とうとう赤ちゃんを取り上げた。


その瞬間、その場に盛大な赤ちゃんの鳴き声が響いた。


2人はすぐに赤ちゃんの身体を洗い、そして待ち構えていたシェイラが、赤ちゃんを清潔な布で包んだ。


「おめでとうございます、アリアさん、シェイラさん。

元気な女の子ですよ。」


すぐにシェイラは、興奮しながら抱きかかえた黒髪のダークエルフの赤ちゃんをアリアに見せた。


「お疲れさまでした、母様!

無事に生まれましたよ!」


2人の娘の姿を見て、アリアが嬉しそうに口を開いた。


「・・・ええ、見えていますよ。

とても元気な娘で安心しました。」


「母様、抱っこしてあげてください。」


そのシェイラの言葉に、アリアはシルフィナとトウカに支えられながら上半身を起こした。


そんなアリアに、シェイラは抱っこしていた赤ちゃんを慎重に渡した。


「・・・初めまして、私の赤ちゃん。

無事に生まれてきてくれて、ありがとう。

これからよろしくお願いしますね。」


赤ちゃんは元気に大声で泣いていたが、アリアはとても幸せそうに優しい目を向けていた。


そしてシェイラが生まれたときを思い出しながら、今の状況と比べていた。


「シェイラのときとは違って、この娘はとても元気ね。」


「そうなのですか?

私のときはどうだったのですか?」


「シェイラは生まれてきたときに少しだけ泣くと、すぐに眠ってしまったのですよ。

その後もおとなしくて、夜泣きも少なかったから、とても育てやすかったわ。

でもこの娘は元気いっぱいで、いろいろと大変そうです。

だからシェイラ、時間があるときは貴女もこの娘を育てるのを手伝ってくださいね。

貴女はこの娘のお姉さんで、この娘は貴女の妹なのですから。」


そのアリアの言葉に、シェイラは改めて妹が生まれてきたことを実感した。


「はいっ、母様!

妹のことはお任せください!」


「ふふふっ、お願いね、シェイラ。

でも安心したら少し眠くなってきました。

シェイラ、少しの間その娘のこと、貴女の妹をお願いしてもいいですか?」


「もちろんです、母様。

今はゆっくり休んでください。」


シェイラはアリアから赤ちゃんを受け取り、再び抱っこした。


「お願いね。」


そんな2人の姿を見て安心したのか、アリアはそのまま目を閉じてしまった。


一応イーリスがアリアの状態をシェイラに伝えた。


「大丈夫よ、シェイラ。

アリアさんは本当に疲れて眠っているだけだから。

数時間もすればすぐに体力も回復するわ。」


しかしシェイラは、そんな心配など一切していないようだ。


「イーリスやミレーヌがついているのですから、心配などしていませんよ。

それに信頼している皆さんがいてくれたのですから、そのような心配など必要ありません。

こうして無事に妹が生まれ、母様にも何事もなかったのは、皆さんのおかげです。

ありがとうございました。」


シェイラは元気に大きな声で泣き続けている生まれたばかりの妹を抱っこしながら、その場にいる皆に向かって頭を下げ、感謝の意を示したのだった。



一方もう1人の妊婦、ミーナの方はどうなっていたのかというと、駆けつけたミザリィとナタリィが傍にやってきて、こちらも謝罪の言葉を口にしていた。


「母様、遅くなってごめんなさい!」


「御免なさい、母様。」


ミーナは苦しそうにしながらも、そんな2人に向かって右手を伸ばしてきた。


すぐに2人は、その手を力強く握った。


するとミーナが2人に向かって何とか口を開いた。


「お帰りなさい・・・無事に戻ってきてくれて嬉しいわ・・・そっちは終わったのね?」


「うんっ、こっちはバッチリだよ!」


「全部上手くいった。」


「そう・・・良かったわ・・・それじゃぁ私も・・・情けない姿は見せられないわね・・・んっ!」


ミーナは気合を入れなおしてから、いきむのを再開した。


娘たちの無事と試練の成功報告が功を奏したようで、順調に赤ちゃんが出てくると、シーノとサーシャが取り上げた。


こちらも元気に大声で泣きはじめたが、すぐに身体を奇麗に洗うと、ミザリィが持っていた清潔な布に包まれた。


ミザリィは抱っこしている白金髪のエルフの赤ちゃんの顔を一度ナタリィと共に覗き込んでから、すぐにミーナの許へと連れて行こうとした。


だが出産を終えたはずのミーナは、いまだにいきむのを止めていなかった。


ミーナについているケイとミィも、まだ緊張を解いていない。


不安に思ったミザリィとナタリィが、シーノに説明を求めてきた。


「えっ、どういうことなの、シーノさん?」


「こうして無事に生まれたのに、まだ何かある?」


焦る2人に、シーノは事情を説明した。


「そうです。

ミーナさんのお腹の中には、もう1人赤ちゃんがいます。

つまり双子です。

ですからミーナさんの出産は、まだ終わっていません。」


それを聞いて、すぐにナタリィが駆け寄り、ミーナの手を再び握った。


「母様!」


珍しく慌てた様子で声を張り上げているナタリィの姿に、ミザリィもミーナの傍に駆け寄ろうとした。


だが抱っこしている赤ちゃんの泣き声で、自分の手の中に生まれたばかりの大切な妹がいることに気づき、ゆっくりと近づいてから声をかけた。


「母様、頑張って!」


そんな応援してくれる2人の娘と、ミザリィの腕に抱っこされている新たに生まれた娘の姿を見て、ミーナは笑顔を浮かべてから、更に気合いを入れていきんだ。


そして赤ちゃんの頭が出てくると、そのまま順調に全身が現れ、ケイとミィが黒髪のエルフの赤ちゃんを取り上げた。


先に生まれてきた赤ちゃんとは対照的に、その鳴き声はだいぶ控えめである。


しかしケイもミィも問題無いと判断したらしく、すぐに赤ちゃんの身体を洗って奇麗にすると、待ち構えていたナタリィが持っていた清潔な布に包まれ、そのまま抱っこした。


ナタリィは自分の手の中で息づいている新たな命の誕生に感動しながら、ミーナの傍にいるミザリィの隣へと並んだ。


ミーナはミザリィに抱っこされている元気な白金髪の赤ちゃんと、ナタリィに抱っこされている物静かな黒髪の赤ちゃんを見て、双子の姉たちとそっくりだと感じていた。


「・・・もっとよく顔を見せて、私の可愛い娘たち。」


2人は赤ちゃんを抱っこしたまま、ミーナに顔を寄せてきた。


4人の娘たちの顔を見ると、ミーナは幸せそうに微笑んだ。


「・・・本当、お姉ちゃんたちにそっくりね。

無事に生まれてきてくれてありがとう。

今度はお調子者にならないように気をつけなきゃ。」


そのミーナの言葉に、ミザリィとナタリィが文句を言ってきた。


「あっ、それひどい!」


「私たちだって成長してる。」


「ふふふふっ、そうね。

元気で健やかに育ってくれれば、それだけでいいわ。

2人とも、お姉ちゃんとして妹たちに恥ずかしい姿だけは見せないでよ。」


「もちろんだよ!」


「うん、大丈夫。」


「お願いね、お姉ちゃんたち。

・・・はぁ・・・大変だったけど、やっぱり赤ちゃんは可愛いわね。」


ミーナは満足そうに頷くと、出産を終えた実感が湧いてきたのか、ようやく一息ついていた。


そこへシーノが、ミーナに声をかけてきた。


「お疲れさまでした、ミーナさん。

無事に双子の女の子が生まれましたよ。

母子ともに問題はありません。」


「私の方こそありがとう、シーノさん。

皆さんがいてくれたからこそ、赤ちゃんたちも私も無事に出産を終えることができたのよ。

もう感謝しかないわ。」


「それも全て彼女のおかげです。

私たちだけでは正直危なかったですから。」


シーノはそう言って、少し離れた場所でシルフィナと話しているエイリの方へと視線を向けた。


「そうかもしれないけど、皆さんの力も大きかったわ。

全員が揃っていたからこそ、今回の出産を無事に終えることができたのよ。

だからもう一度言わせて、ありがとう、皆さんがいてくれたおかげよ。」


「はい、こちらこそありがとうございます。」


シーノはミーナからの感謝の言葉を素直に受け取った。


それと同時に、次回に備えてもっと勉強が必要だと実感し、新たな目標を立てていたのだった。

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