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無双するご主人様のハーレム事情  作者: 不利位打夢
第16章 幻と夢の狭間
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エルフとダークエルフの出産3

エイリはミレーヌのお腹を視ながら、両手に何かの力を集中させた。


そしてそれを、ミーナのお腹の中に向けて放った。


ただ放出したわけではなく、ミーナのお腹の表面をすり抜けて、お腹の中へ伸ばした形だ。


するとミーナのお腹が、ゆっくりと内側から僅かに動き出したのだ。


その様子を、ミィは自身の看破の眼を使って視ていたので、エイリが何を行っているのかに気づき、驚きの表情を浮かべていた。


「まっ、まさかあんなことができるなんて・・・すっ、すごいのよ・・・」


すぐに3人がミィに説明を求めてきた。


「ミィ、貴女には見えているのですか?」


「どういうことなの、ミィちゃん?」


「彼女はいったい何をしているのですか?」


「初めて視る何かの力を使っているみたいなのよ。

そしてその力を使って、お腹の内側に疑似的な手を作り出し、たぶん赤ちゃんの首に巻きついているへその緒を解いているのよ。

それもまるでお腹の中が見えているような動きなのよ。」


そのミィの疑問に、エイリが手を止めずに答えた。


「この力は私の発現者としての力です。

そして私はミィさんと同じ種類の目、看破の眼を持っています。

しかし力を直接視ることができるわけではありません。

私の場合は、あらゆる物体を透視することができる能力です。

今私の目には、ミーナさんのお腹の中にいる赤ちゃんの姿が、はっきりと見えています。

だから正確に施術を施すことができるのです。

通常の医療技術では、この方法を行う場合に、お腹を切開する必要があります。

ただ妊婦への負担がとても大きいため、出来れば行いたくない方法です。

下手をすれば子供が産めない身体になってしまい、最悪母体と赤ちゃんの両方が危険にさらされますから。

ですが、今私が行っている方法であれば切開の必要がありません。

そのため時間も短縮できて、妊婦だけでなく、お腹の中の赤ちゃんへの負担も少なくなります。」


エイリの説明を聞きながらも、4人は自分に与えられた役目を疎かにすることはなかった。


さすがにお腹の中で赤ちゃん以外の異物が動いているからか、ミーナが少し苦しそうにしている。


それでもエイリは手を休めることなく、細心の注意を払いながら最速で施術を続けた。


そして20分ほどが経ち、最初の段階がクリアされた。


「・・・赤ちゃんの首に巻きついていたへその緒は外しました。

このまま赤ちゃんの体勢を変えます。

皆さん、引き続きお願いします。」


「はいっ!(×4)」


そんな中、エイリがミィにある確認をしてきた。


「ところでミィさん、何か視えますか?」


あまりにも漠然とした内容だったが、ミィは自分が何を視ているのかを、そのまま伝えた。


「貴女の力以外は、特に視えないのよ。

それがどうかしたのよ?」


この答えに対し、エイリは同じ内容の質問を、今度は条件を付け加えて確認してきた。


「・・・ミィさん、もう一度聞きます。

本当に私以外の力は視えないのですか?」


「そうだけど、どういうことなのよ?」


「でしたら質問の内容を変えます。

ミーナさんの力はどうですか?」


これに対しエイリは、視たままを答えた。


「意識的に魔力を使っていないから、全身を薄く覆っているのが視えるだけなのよ。

これは通常漏れ出ている分だから、問題無いのよ。」


「ではお腹の赤ちゃんたちはどうですか?」


「そっちも同じなのよ。

全身を薄い魔力が覆っているだけなのよ。」


「本当にそれだけですか?

何か別の力が潜んでいるといったことはありませんか?」


しつこく聞いてくるエイリの意図がわからなかったが、ミィは視たままを正直に伝え、自分の意見も付け加えた。


「それは神力も内在しているから、そっちも見えるのよ。

でも魔力と同じ状態なのよ。

赤ちゃんにしては強い力を持っている方だと思うのよ。

だけど赤ちゃんにしてはというくらいで、許容範囲内なのよ。

それが何だというのよ?」


ミィの答えにエイリは少し考えこんだものの、詳しい内容については答えてくれなかった。


「そうですか・・・いえ、それならいいのです。

ミィさん、引き続きお願いします。」


「・・・わかったのよ。」


ミィはエイリの言葉が気になっていたが、今はそれを聞けるような状況ではないので、とりあえず後回しにしてミーナのお腹を注意深く視続けた。


それから更に20分が過ぎ、エイリがミーナのお腹から手を離した。


「・・・赤ちゃんたちの体勢が正常に戻りました。

お待たせしました、ミーナさん。

もういきんでもいいですよ。

ただ慌てず落ちついてお願いします。

大丈夫、すぐに赤ちゃんが元気な姿を見せてくれますよ。」


「わかったわ・・・んっ!・・・」


ミーナがいきみはじめたのを見て、エイリは一時その場を預けた。


「シーノさん、少しお願いします。

私はアリアさんの様子を見てきますので、何かあればすぐに呼んでください。」


「わかりました。」


エイリはそのままアリアの許へ向かい、シルフィナに状況を確認した。


「シルフィナ、どんな状況・・・どうやら心配する必要は無かったみたいね。」


エイリはアリアのお腹を視て、すぐに逆子だった赤ちゃんの体勢が、正常位置になっていることを確認した。


「ええ、時間はかかったけど、もう問題無いはずよ。

ただアリアさんの体力が激しくて、それが少し心配ね。」


そのままエイリはアリアの様子を見た。


「・・・大丈夫よ、シルフィナ。

イーリスさんやミレーヌさんのおかげで、アリアさんの体力はまだまだ持つわ。

でも心配なら私が代わるけど、どうする?」


「誰に言っているのよ。

当然最後まで私がやるわ。」


「じゃぁお願いね。

でも何かあればすぐに呼びなさいよ。」


「わかっているわ。

そのときはエイリにお願いするわね。

でも今はミーナさんの方を見ていてあげて。」


「そうするわ。」


エイリはそれだけ言い残し、再びミーナの許へと戻って行った。


それから10分ほどが経ち、アリアとミーナ、それぞれの赤ちゃんの頭が見えてきた。


もう少しで赤ちゃんが生まれてくる、そのタイミングで、アイが再び声を発した。


「戻ってきました!」


その声とほぼ同時に、その場にゲートが開いた。


そして中から、ミザリィ、ナタリィ、シェイラの3人が、息を切らせて飛び出してきたのだ。


3人はすぐに周囲を見回して、分娩台にいる母親たちの姿を見つけると、そこへ向かって駆け寄ろうとした。


しかしその前に、イシスが立ち塞がった。


「ちょっと待てお前ら!」


急いでいた3人はその場で足止めされると、すぐにミザリィが文句を言ってきた。


「邪魔しないでよ、イシスさん!」


だがそんなことでイシスがおとなしく引くわけもなく、3人にあることを確認してきた。


「お前らの気持ちはわかるが、その前に確認だ。

こっから先は清潔な奴しか近づけさせねーぞ。

お前ら試練が終わってこっちに戻ってくる前に、ちゃんと風呂入ってきたのか?」


それに対して、ナタリィとシェイラが答えた。


「大丈夫、マコト様に言われて温泉で奇麗にしてきた。」


「それと精霊に頼んで全身を浄化し、清めてもらいました。

マコト様にも問題無いと許可をもらい、ゲートを開いていただいたので大丈夫です。」


3人の言葉と、実際に身体を確認してから、イシスは3人に許可を出した。


「・・・よしっ、だったら通っていいぜ。

早く行ってやりな。」


「ありがとうございます!(×3)」


イシスの許可が下りたので、3人は急ぎながらも慌てず、自分たちの母親の許へと向かったのだった。

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